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第43回 | エディトゥールPRIME

大金持ちが「プライベートジェット」に乗る本当の理由

企業トップやセレブレティは莫大な資産をもつ。その富を象徴するひとつがプライベートジェットだ。かつてカルロス・ゴーンはプライベートジェットで日仏を行き来し、前澤友作氏はサッカーワールドカップの決勝戦を観るために恋人とプライベートジェットでロシアを訪れた。しかし、彼らがプライベートジェットを日常的にどのように利用しているのかはあまり知られていない。いったいどんな点に利点を感じているのか。われわれ一般人には想像もつかない実態を利用者のアンケート結果から見てみよう。

プライベートジェットなら離陸10分前に空港に行き、着陸後5分で空港を出られる

『ビジネス・ジェット・トラベラー』は、プライベートジェットのエンドユーザーを読者とする専門誌だ。購読者はおよそ3万5000人。そのうち63%が企業オーナーか大手企業のCEOで、28%が1000万ドル(約11億円)以上の純資産を保有している。

同誌は8年前からそうした富裕層の読者に対してアンケート調査を実施しており、プライベートジェットの利用に関してさまざまな質問を行ってきた。『フォーブス』が報じたそのアンケート結果によると、利用目的で圧倒的に多かったのは「時間の節約」だ。

通常の旅客機は多くの人が搭乗するため、出発時間やルートを個人の都合に合わせることができない。しかしプライベートジェットなら自分の都合で飛べる。離陸の10分前に空港に行き、目的地への到着後も5分程度で空港を後にすることが可能なのだ。

混雑した空域で遅延が生じるなどの事情は通常の旅客機と同じだが、2時間以内のフライトなら、多くの人が乗る旅客機に比べて移動時間を半分に節約できるという。また、「機内で仕事や会議ができる」「プライバシー」などを利用目的に挙げる人も多かった。

移動は北米の都市から都市がほとんど。機内にはCAの姿もなくシャンパンも出ない

平均的な移動距離はどれくらいなのか。もっとも多かったのは1500マイル(約2400km)以下という回答で、次に500マイル(約800km)。3000マイル(約4800km)以上と答えた人はたったの6%しかいない。ちなみに、東京からロサンゼルスまでは直線距離で約8825kmあり、ニューヨークからロンドンまでは約5578kmだ。

この回答からは、北米の都市から都市、あるいはロンドンからベルリンといった移動に利用する人が多いことがうかがえる。事実、フライトは北米が71%と圧倒的多数を占め、これにヨーロッパが9%で続く。大陸間移動はわずか7%。驚いたのは、食事をつけないと答えた人が半数以上の52%もいることだ。24%はCA(客室乗務員)もいない。

プライベートジェットというと、恋人とラグジュアリーなリゾート地に行くために乗るイメージもあるが、実際は大半がビジネス利用で、その理由も待ち時間をなくすといった非常に合理的なもの。機内にはシャンパンもキャビアも用意されていないようなのだ。

プライベートジェットは「時は金なり」というアメリカの格言を体現している乗り物

プライベートジェットに搭乗する平均人数で一番多かったのは「3〜5人」の53%で、次が「2人」の27%。一般的にプライベートジェットを使うコストは搭乗人数が多ければ多いほど下がるが、「6〜8人」と答えた人は10%、「9人以上」はわずか2%だ。

3〜5人というのと、自分と部下や秘書といったところだろうか。時間に比べれば燃料費などのコストは重要ではないようだ。「タイムイズマネー」とはアメリカ建国の父のひとりとして讃えられるベンジャミン・フランクリンの言葉だが、よくいったものである。

今後1年間にプライベートジェットに乗る回数については、44%の人が変わらないと回答し、34%が増えると答えた。『フォーブス』は、もしプライベートジェットの利用が好調な経済の指標となるなら、彼らは楽観的な見通しを示していると分析している。

Text by Kiyoshi Nanamori
Photo by (C) Gulfstream Aerospace Corporation.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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