メディア個別 アナログとデジタルの“奇妙な”融合。新生ヤシカが放つ個性的すぎるコンデジ | editeur エディトゥール

editeur

検索
第41回 | エディトゥールPRIME

アナログとデジタルの“奇妙な”融合。新生ヤシカが放つ個性的すぎるコンデジ

AIを利用した補正機能により、プロ機材並みに“鮮明な”撮影ができることで話題の「Google Pixel 3」に象徴されるとおり、いまや「写真を撮る」ツールといえばスマートフォンがメインストリームという時代。しかし、どれだけ簡単に美しく撮影ができたとしても、銀塩フィルムの時代を知る者なら、やはり「カメラで写真を撮る」という行為の快感を忘れることはできないだろう。そんな大人たちにも気になる存在が、今回紹介するユニークなコンデジ「YASHICA digiFilm™ CAMERA Y35」だ。

伝説のカメラブランド「ヤシカ」が10年の沈黙を破り復活

カメラ好きなら、誰もが知っている日本のカメラブランド「YASHICA(ヤシカ)」。“ろうそく1本の光で写る”というキャッチコピーで知られる世界初の電子制御式35mmカメラ「Electro35」は、シリーズ累計販売数500万台以上を達成した、世界的なヒット商品となった。

そのヤシカが、10年以上の沈黙を破り発表したのが、名機「Electro35」のルックスを再現したコンパクト・デジタルカメラ「ASHICA digiFilm™ Camera Y35」である。

“フィルム”を交換することで写真の質感を変えるユニークなギミックが特徴

往年のフィルムカメラを模したデジタルカメラは、これまでにも数多く発売されてきたが、今回の「Y35」が今までの製品と大きく異なるのは、「1枚1枚の写真を大切に撮影すること」という開発コンセプトにより生まれた「digiFilm™」を用いた、ユニークなギミックにある。

「digiFilm™」の機能は、簡単にいうとスマートフォンのカメラアプリに用意されているフィルターに近い。フィルムケースのような形状をしたdigiFilm™をカメラ本体にセットすることで、まさにフィルムの種類を変えたように、ISO感度や仕上がりの質感を変えられるようになっているのだ。

レトロ調からインスタ対応まで、現代のニーズにマッチした表現が可能

現在発表されているdigiFilm™は、全部で6種類。もちろんそれぞれ効果が異なっており、撮影シーンや得たい表現に応じて使い分けすることになる。撮影サンプルとともに、各digiFilm™の特徴を紹介していこう。

digiFilm™ premium - YASHICA blue

その名の通り、独特な風合いを持つ蒼味が印象的。粗目の粒子で彩度は高コントラストになっており、いわゆるレトロカメラで撮影したような仕上がりが期待できる。ISO感度は100-400。

digiFilm™ - in my fancy

抑えた色褪せた感で暖かいトーンが特徴。フィルムグレイン効果があり、控えめで謙虚ながらクセのある表現ができる。ISO感度は100-400。

digiFilm™ - B&W

モノトーン&ハイコントラスト、フィルムグレイン効果のレトロスタイル。黒の下に、わずかながら青味を加えた風合いが好ましい。ISO感度は100-1000。

digiFilm™ - 6×6

いわゆる「ロクロク」のフィルムを再現。暖かみのある黄色がかった色調が魅力的。ISO感度は200相当。Instagramに投稿する写真を撮る際にも重宝するだろう。

digiFilm™ - 200

digiFilm™の中ではもっともスタンダードなユニット。ISO感度200相当(100-400)で、屋外など光が多い場所での撮影に最適。コントラストは薄めになっている。

digiFilm™ - 1600

暗いところでもハッキリと色を捉えることができる、ハイコントラスト高感度フィルム。フィルムグレイン効果もあり、動きの早い被写体を捉えたい場合にも使える。ISO感度は1600相当(300-600)。

大人の遊び心を刺激する、ポケットに忍ばせたいコンデジの話題作

フィルムのような形状をしているdigiFilm™だが、画像データの保存は別途SDカードで行う仕組みになっている点もユニークな特徴。さらに「Y35」には、通常のコンデジのようにプレビュー用の液晶モニターもついていないため、撮影した写真はSDカードを抜き取り、PCやスマートフォンに差し込まなければ確認ができない。

このあたりの“面倒さ”は、もちろん往年のフィルムカメラの愉しみを再現していると同時に、「1枚1枚の写真を大切に撮影すること」というコンセプトを体現したものにもなっているわけだ。

専用の写真機で写真を撮るという一種フェティッシュな快感と、SNS時代に適応した手軽さの2面性を持つ「Y35」。機能的にみれば、本格的なデジタルカメラには及ばないものの、カメラっぽさを愉しみながら手軽に、今どきっぽい写真が撮れるという魅力は、まさに唯一無二なアイテムといえるだろう。

発売開始は2019年春を予定しているが、すでにクラウドファンディングサイトで予約を受け付けており、確実に手に入れたいのであれば、早めのチェックがオススメだ。ラインナップは、6種のdigiFilm™が同梱された「Y35 Camera full set with 6 digiFilm™」(税抜き4万4500円/下の写真)と、digiFilm™ 200が付属するスターターキットの「Y35 Camera with digiFilm™ 200」(税抜き3万3500円)の2種類となっている。

価格差を考えれば、やはりフルセットの購入が魅力的。自分用としてはもちろん、写真好きな女性へのちょっと気の利いたプレゼントとしても好適ではないだろうか。

Text by Toshiro Ishii

ピックアップ

editeur

検索