メディア個別 スターはランボ好き──ロッド・スチュワートのミウラS | editeur エディトゥール

editeur

検索
第31回 | ランボルギーニの最新車デザイン・性能情報をお届け

スターはランボ好き──ロッド・スチュワートのミウラS

ランボルギーニは、ヨーロッパの自動車メーカーのなかでも、ヘリテージに意欲的なブランドだ。その中心は「ランボルギーニ・ポロストリコ」。生産を終えたヒストリックモデルのオリジナルスペアパーツを数多くアーカイブし、オーナーの依頼を受けると、高い技術によって名車をレストアするのだ。自らヒストリックモデルを復元することもある。少し前の話になるが、9月にイギリスで開催された2つのコンクール デレガンスで、このポロストリコがレストアした二台の『ミウラS』がいずれも1位に輝く出来事があった。そのうちの一台は、あのロッド・スチュワートが所有していた個体だ。

ロッド・スチュワートが出演していた70年代の『レガシィ ツーリングワゴン』のCM

ロッド・スチュワートといえばロック界のレジェンドだが、クルマ好きなら1990年代のスバル『レガシィ ツーリングワゴン』のCMを思い出すのではないか。

ロッドが出演し、彼の曲が流れるこのCMは好評を得て、1993年から95年にかけていくつものバージョンが製作された。個人的に好きだったのは、ゴールデンレトリバーを助手席に乗せて英国風の田園風景のなかをドライブする初期の作品。このときに流れた『People Get Ready』はなんとも艶やかで切なく、いまも耳に残っている。だからロッド・スチュワートと聞くと、『レガシィ ツーリングワゴン』を思い浮かべてしまうのだ。

しかし、じつはロッドの愛車はランボルギーニだった。1960年代にリードボーカルをつとめたバンド「フェイセズ」で成功を収めて以来、彼がランボルギーニの上顧客となり、何台も乗り継いできたのは有名な話。当然、そこには『ミウラ』も含まれている。

ポロストリコが復元したロッド・スチュワートのミウラがコンクールで1位を受賞

ロッド・スチュワートが所有していたのは、1971年に納車されたシャシーナンバー4863の『ミウラS』。硝石の色合いをベースにした「ビアンコ ポロ パーク」と呼ばれる白いボディカラーをもつ。この美しい白はロッド自身が選んだものだったという。

しかし彼は数年後に『ミウラS』を売却。その後、1980年代にSV(スーパーヴェローチェ)仕様に改造され、現在のオーナーの手にわたったときにはカラーも青に塗り替えられるなど、見た目も中身も荒んだ状態だった。そこでポロストリコが18カ月をかけて元の状態に復元したのだ。一説にレストア費用は5000万円以上に上ったという。

この個体は、9月にオックスフォードシャーのブレナム宮殿で開催された英国を代表するコンクール・デレガンス「サロン・プリヴェ」に出品され、「1970年代スーパーカーのベスト・イン・クラス」「もっともアイコニックなクルマ」の2部門でウィナーを獲得。コンクールの総合優勝にあたる「ベスト・イン・ショー」こそブガッティ『タイプ55ロードスター』に譲ったが、ここでも3位に入賞する快挙をはたしている。

下の写真はポロストリコがレストアしたもう一台の1971年製『ミウラS』だ。サロン・プリヴェに続き、こちらもロンドンのハンプトン・コート宮殿で開催された由緒あるコンクール・デレガンスで「ベスト70sカー」に輝いた。

スーパースターは「ブロンドの女性」だけじゃなく、ランボルギーニもお好きだった

考えてみると、ロッド・スチュワートとランボルギーニの組み合わせはなんとも絶妙だ。『ミウラS』に乗っていた時期のロッドは、まさに「超」のつくスーパースターで、その常人には真似できないファッションといい女性関係といい、とにかく派手だった。

1978年に発表され、世界的に大ヒットした『スーパースターはブロンドがお好き』のアルバム名は、ロッドの「スラリとしたブロンドの女性が好き」という発言に由来するといわれる。しかしスーパースターは「ランボルギーニもお好き」だったのだ。そんな昔話を思い出すのも、ポロストリコがこのクルマを復元してくれたおかげなのだろう。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Automobili Lamborghini S.p.A.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

editeur

検索