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第116回 | 大人のための最新自動車事情

これが最後のスマートBRABUS──20台のザ・ファイナル

唯一無二のキャラクターをもつユニークなクルマが、生産終了を迎える。それにともない少数の特別限定車「ザ・ファイナル」が販売されることとなった。そのクルマとは『smart BRABUS(スマート ブラバス)』。メルセデスのシティコンパクト、スマート『フォーツー』と『カブリオ』に設定されてきたスポーツモデルだ。スマートは、2020年から全モデルを電動化することを発表済み。これがブラバスチューンを味わえる最後のモデルとなる。

メルセデス・ベンツの末っ子をベースにしたコンプリートカー『smart BRABUS』

スマートは1998年、マイクロカーの開発を構想していたスイスの腕時計ブランド「swatch(スウォッチ)」が当時のダイムラー・クライスラーをパートナーに設立した自動車ブランドだ。

スウォッチは早々に撤退したが、スマートはヨーロッパでは当たり前のように見かけるシティコミューターへと成長。メルセデス・ベンツの親会社ダイムラーによる設計、またメルセデスのディーラーが販売していることから、日本では「メルセデスの末っ子」として扱われることもある。用途としては富裕層のセカンドカーといったところだろうか。

現在のラインナップは、3代目となる2ドア2シーターの『フォーツー』とそのオープンモデルの『カブリオ』、そして4ドア4人乗りの『フォーフォー』の3モデル。しかしスマートには、メルセデス謹製という成り立ちからプレミアム性も求められる。その回答として歴代モデルに設定されてきたのが「ブラバス」だ。

ブラバスは1970年代に誕生したチューニングメーカーで、メルセデス・ベンツをベースにしたコンプリートカーを数多く送り出してきた。メルセデス・ベンツの一部門となる前のAMGに近い。しかし6.0LのV12エンジンを7.3Lに拡大するなど、ある意味ではAMGよりも過激。迫力あるエアロパーツなどと相まって、クルマ好きの心をつかんできた。

BRABUS『フォーツー』『カブリオ』をさらにラグジュアリーにしたザ・ファイナル

『smart BRABUSフォーツー』『smart BRABUSカブリオ』も、ブラバスが手がけたモデルだ。迫力満点のエクステリア、レザーを多用したラグジュアリーなインテリア、そして通常のターボモデルより19psのパワーアップがなされた109psの最高出力と、35Nm高い170Nmの最大トルクを発揮する0.9L 3気筒ターボエンジンを搭載する。

この出力とトルクは歴代スマートのなかで最高最大で、0-100km/h加速は通常モデルより1.8秒速い9.5秒、最高速度は165km/hを記録する。

また、チューンナップされたエンジンに見合うように強化された「BRABUSパフォーマンススポーツサスペンション」や、より路面状況がダイレクトに伝わるようにチューニングが施された「BRABUS専用ダイレクトステアリングシステム」、通常モデルに対して40%もシフトスピードを高めた6速デュアルクラッチトランスミッション「twinamic(ツイナミック)」を搭載。サーキット走行でも高いパフォーマンスを発揮する仕様となっている。

「ザ・ファイナル」と名づけられた今回の特別仕様車は、その名のとおり、『smart BRABUSフォーツー』『smart BRABUSカブリオ』の最後を飾るモデルだ。

しかし同時に、この二台は2018年6月に発表された「シグネチャースタイルエディション」に続く、スマートの誕生20周年を記念する第二弾モデルともなる。それだけに、よりラグジュアリーさを増した特別な内外装が与えられている。

『smart BRABUS』最後のモデルの台数は計20台。価格は409万円と432万円

エクステリアは、カスタムオーダープログラムの「テーラーメイド」により、通常では装備されないフロントバンパー、フロントスポイラー、サイドスカート、サイドアクセントなどを装着。外装色は特別色の「アニバーサリーシルバー」で、アルミホイールはじめ、随所にディープブラックのパーツを組み合わせて外観を特徴づけている。

「エスプレッソブラウン」のレザーでコーディネートされたインテリアは、エクステリア以上にラグジュアリーだ。ダイヤモンドステッチが施されるBRABUSスポーツシートに加え、ダッシュボードやステアリング、ドアパネルもレザー仕上げとなっている。シフトノブには、『smart BRABUS』が日本で販売された期間を表す「2003-2018」の数字と、「1/20」から「20/20」までのシリアルナンバーが刻印される。

用意される限定台数は、『フォーツー』が10台、『カブリオ』が10台の計20台で、価格はそれぞれ409万円と432万円。通常モデルが297万円と320万円であることを考えると大幅にアップされた形だが、スマートは2020年から全モデルが電動化される。ブラバスがチューンナップしたエンジンの鼓動が味わえる『smart BRABUS』の最後にして最高級のモデルであることを思うと、その価値は十二分に高い。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Daimler AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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