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第14回 | ランドローバーの最新車デザイン・性能情報をお届け

ドローン搭載の緊急車両──赤十字仕様のレンジローバー

フェラーリの「テーラーメイド」、ポルシェの「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」、あるいはアストンマーチンの「Q」。高級車ブランドの多くにカスタマイズ部門があり、顧客が望めば自分だけの特別仕様車を作ることができる。しかし、ランドローバーのカスタム部門「SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)」が製作するのは、顧客のスペシャルモデルとは限らない。災害などで活躍する特殊車両も積極的に開発している。そのひとつが『レンジローバー・ディスカバリー』をベースにした赤十字仕様車だ。

ランドローバーSVOがオーストリア赤十字災害対策チームのために開発した特殊車両

この『レンジローバー・ディスカバリー』は、SVOがオーストリア赤十字社と協力して開発したビスポークモデルだ。『PROJECT HERO』という名が与えられている。

じつは、ランドローバーは国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)と長年にわたって深い関係にあり、1954年以来、120台以上の車両を寄贈してきた。ちなみに赤十字社は、戦争や自然災害で負傷した人々の救護活動を行う人道支援団体の総称。赤新月社とも呼ばれ、本部はスイスのジュネーブ。そのネットワークは世界191の国や地域に広がる。

『PROJECT HERO』も、ランドローバーがオーストリア赤十字災害対策チームのために製作した緊急車両。今後1年間、赤十字災害対策チームが試験運用を行う予定だ。

長距離赤外線カメラを取り付けたドローンで440m離れた場所にいる負傷者も発見

SVOとオーストリア赤十字社は、この緊急車両を開発するために18カ月も協力し合ってきたという。それだけ車両にはさまざまな特殊装備が搭載されている。

最大の特徴は、移動指揮所としての機能をもつことだ。車内に搭載される8つのローターを備えたドローンには長距離赤外線カメラが取り付けられ、440m離れた場所にいる人間や1km先のクルマを識別することが可能だという。正確な座標を捉えられるので、遠くからでも負傷者がいる場所を特定し、救助することができるのだ。

もちろん緊急時には赤十字災害対策チームのスタッフの連携が必要になる。そのため、車両は4基のラジオアンテナといった最新の通信機器を搭載し、さらに360度の照明も装備。24時間体制での出動にも対応できる仕様となっている。

たとえ紛争地帯でも「赤十字マーク」を掲げている車両は絶対に攻撃してはならない

ボディに「赤十字マーク」のデカール、ルーフにブルーのライトを装着するなど、ひと目で赤十字社の車両であることがわかるようになっている点も重要だろう。国際法や各国の国内法では、たとえ紛争地帯であっても、「赤十字マーク」を掲げている車両や施設、救護員に対しては絶対に攻撃を加えてはならないと厳格に定められているからだ。

『レンジローバー・ディスカバリー』は、もともとランドローバーならではの悪路走破性をもつ四輪駆動車。オーストリア赤十字災害対策チームにとっては心強い助っ人になるに違いない。それにしても、ランドローバーの姿勢はすばらしいのひと言である。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Jaguar Land Rover Automotive PLC
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Life Saving Land Rover Discovery オフィシャル動画

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