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第1回 | モテるためのAGA。薄毛と付き合う方法

「AGA治療薬」最前線──薬の種類・選び方・副作用は?

AGA(男性型脱毛症)の治療と聞いて、まず思い浮かぶのは「AGA治療薬」を服用することだろう。しかし、近年は内服薬から外用薬までさまざまな治療薬が登場しており、どれを選べばいいのかわからないという人も多いはず。そこで、代表的なAGA治療薬と最新治療薬の効能や副作用について、浜松医科大学医学部附属病院の伊藤泰介先生に聞いた。
今回のアドバイザー
伊藤泰介
浜松医科大学医学部附属病院 病院准教授・講師、医局長、外来医長
産業医科大学医学部卒業。現在は浜松医科大学医学部附属病院で脱毛症専門外来を担当。同外来では円形脱毛症をはじめ、AGA(男性型脱毛症)や皮膚アレルギーなど、さまざまな脱毛症と毛髪疾患に悩む患者を広く受け入れている。日本皮膚科学会専門医であり、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」の作成委員。

治療薬の主流は「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3つの成分

最初にAGA治療薬の効能を知っておこう。AGA治療薬は、薄毛や脱毛といったAGAの諸症状に対してどのような効能を発揮するのだろうか。

「AGAは、『テストステロン』と『5α還元酵素』という酵素が結びつくことで産生される男性ホルモン『ジヒドロテストステロン(DHT)』が髪の生え変わりサイクルを乱すことによって進行します。この産生が起きるのは『毛乳頭』と呼ばれる頭皮の発毛・脱毛の指示を出す場所でもあります。そのため、AGA治療薬の多くには、AGAの発症にかかわる『5α還元酵素』の分泌を阻害して脱毛を防ぐ効能があります」(伊藤先生、以下同)

さらに、この5α還元酵素には「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の二種類があるという。阻害したい酵素がひとつではない以上、服用する治療薬も酵素の種類によって異なってくる。

「現在AGA治療薬の主流となっているのは、『フィナステリド』『デュタステリド』『ミノキシジル』という厚生労働省に認可された3種類の有効成分のいずれかを配合している医薬品です。どの薬を使うかは、進行状況や体質によって決まります。ですから、必ず専門医の診察を受けてから服用してください」

『プロペシア』『ザガーロ』『リアップ』シリーズ。それぞれの効能と費用と副作用は

では、代表的なAGA治療薬の効能、そして副作用について詳しく見ていこう。

■フィナステリド(代表薬『プロペシア』)
5α還元酵素「Ⅰ型」を阻害し、脱毛予防と発毛効果がある内服薬。購入するには医師の処方箋が必要で、1カ月あたりおよそ1万円の費用がかかるという。

「注意していただきたいのは、効果が出るまで最低でも半年かかるとされていること。また、副作用として勃起不全、射精障害、乳房の痛み、精子量減少、肝機能障害、抑うつ症状などがあります。プロペシアにはジェネリック医薬品があるので、こちらを服用すれば費用は1カ月5000〜6000円程度に抑えることが可能です」

■デュタステリド(代表薬『ザガーロ』)
5α還元酵素「Ⅰ型」「Ⅱ型」のいずれも阻害し、脱毛予防と発毛効果がある。早ければ3カ月から半年ほどで効果が感じられるという。費用は1カ月で1万2000円ほど。

「医師の処方箋が必要な点と副作用はフィナステリドと変わりません。ただ、フィナステリドよりもやや効き目が高く、副作用の頻度も若干高めです。ジェネリック医薬品はありません」

■ミノキシジル(代表薬『リアップ』シリーズ)
「薬局で購入できる医薬品ですが、薬剤師による問診が必要です。使いはじめから1〜2カ月は初期脱毛がみられることがありますが、早ければ4カ月、一般的には半年ほどで発毛効果が得られます。もともとは高血圧治療の薬でしたが、副作用による発毛が認められたことから、外用薬としてAGA治療薬に転用されました。毛髪の成長細胞因子の活動を活発にさせ、発毛を促すのが特徴ですね」

ミノキシジルには、かぶれや血圧の低下、むくみ、顔など頭皮以外の毛が増えるといった副作用があるという。1カ月あたりの費用は7000〜7500円ほどですが、最近は日本でもジェネリック医薬品が複数発売されるようになりました」

「AGA治療薬の価格は医療機関ごと、処方箋薬局によって異なります。いくつかのクリニックを比較し、信頼のおけるクリニックを受診すると継続しやすくなりますよ」

最新の認可済み有効成分「アデノシン」は、安全性が高く処方箋なしで手軽に入手できる

もちろん、これらの薬以外のAGA治療薬(医薬部外品)もある。伊藤先生がすすめる有効成分は「アデノシン」という資生堂による特許成分だ。アデノシンは、2004年に厚生労働省の認可を受け、現状では認可済みの有効成分のなかで最新のものとなる。

「アデノシンが配合された育毛剤には、ミノキシジルと同程度の発毛効果があります。それでいて、ミノキシジルよりもかぶれにくく、高血圧治療薬特有の副作用もない。だからより多くの人が使えるのです。もうひとつのメリットは、医薬部外品であること。医師の処方がなくても購入できる手軽さは魅力ですね」

ただし、同様の効能が得られる「ミノキシジル」に比べると評価は下がるという。

「現段階では臨床データが不足しているので、ミノキシジルと比較すると評価は下がります。しかし、安全性が高く、ミノキシジルが使用できない人に推奨される成分です」

専門医に相談せずに国内未認可の治療薬を個人輸入すると、ニセモノが届くケースも

AGAは皮膚科の脱毛症外来やAGAクリニックで診療するのが一般的だが、治療薬だけなら内科でも処方可能だ。しかし伊藤先生は「皮膚科専門医のいる病院をおすすめする」という。

「AGA治療の専門医ではない医師は、薬を処方できても、効能や副作用の説明が不十分なケースがあるのです。特に注意していただきたいのは、ミノキシジルの内服薬を副作用の説明なく、安易に処方される場合があること。AGA治療薬は専門医のいる病院で処方してもらうのがもっとも安全です」

また、伊藤先生は日本未認可の治療薬を個人輸入することのリスクの高さも指摘する。

「国内未認可の薬が安価で手に入ることで、治療薬の個人輸入代行が人気を集めています。しかし、個人輸入ではパッケージだけが本物で中身はニセモノという商品が届くこともありえます。また、未認可薬による副作用については個人責任となります。手を出さないのが賢明です」

手間を省いて治療薬を手に入れたい気持ちもわからなくはない。とはいえ、それでリスクを負ってもつまらない。まずは専門医に診てもらうことをおすすめしたい。

最後にアドバイザーからひと言

「代表薬のひとつ、フィナステリドは1年で6割、3年で8割の方に効果が出るといわれているように時間がかかるものです。即効性のある魔法のような薬はないので、根気強く治療を行ってください」

Text by Chie Yamanaka(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

取材協力
浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科

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