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第6回 | 20代彼女との「結婚ハードル」突破法【実践編】

高額な死亡保険には入る必要なし。年の差婚の保険の選び方

結婚とは家族が増えることでもある。そのタイミングで生命保険の見直しや新規加入を検討する男性も多いのではないだろうか。特に年の離れた彼女と結婚するミドルエイジ男性なら、自分の死後、できるだけ多くのお金を妻に残してあげたいと思うはずだ。年の差婚ではどのような保険を検討するべきなのか。保険アドバイザーの後田亨さんに聞いた。
今回のアドバイザー
後田亨さん
オフィスバトン「保険相談室」代表
長崎県出身。長崎大学経済学部卒。1995年、アパレルメーカーから日本生命へ転職。2005年、複数の保険会社の商品を扱う代理店へ転職。『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』ほか、著書多数。執筆・講演・セミナー講師と保険相談を主な業務内容として、売手の都合から離れた情報発信を継続中。

人生100年時代では老後は40年後。保険よりも妻の経済力を今から養っておくべき

自分の死後、妻に経済的な苦労をさせないためにはどんな生命保険を選ぶべきなのか。その問いへの専門家の答えは少々意外なものだった。後田さんは「自分が長生きする可能性」も考え、「それに応じた対策を講じるべき」とアドバイスする。

「世界的ベストセラーになった『ワーク・シフト』と同様に、大きな反響を呼んだリンダ・グラットンの近著『ライフ・シフト』は、人生100年時代をテーマとしています。40歳の男性の平均余命は約42年。今後、さらに伸びるといわれます。40代の男性にはまだ40〜50年の時間があるのです。自分が死んだあとの妻の生活を心配するのはわかりますが、40年以上先のことに正しく備えられるか? とも考えたいです」(後田さん、以下同)

シニアならともかく、ミドルエイジは今すぐ死に直面するわけではない。そのため結婚直後にあわてて高額な死亡保険に加入する必要はないのだという。
「仮に20歳近く年下の妻だとすれば、夫の死後に第二の人生が歩める可能性が高い。本当に妻のことを案じるなら、死亡保障よりも生前に配偶者の経済力を養ってあげたり、妻が社会復帰する道を作ってあげたりするほうが、広い意味で保険になるでしょう」

優先すべきは「今から妻が自立できるようにサポートすること」だと後田さんはいう。

選択肢は「若い妻の人生をずっと保障」か「妻の経済面を一定期間サポート」の2つ

とはいえ、自立していない子どもがいる場合など「残された家族への経済的補助」として保険加入は検討に値するはずだ。考え方は2つある。

「ひとつは、毎月必要になる生活費から、夫にかかるお金と国の遺族年金を引いた残りの額を、毎月保険金で補てんする。期間は夫が現役の間、または、妻が公的年金を受け取るまでに設定する。遺族にお金の苦労はさせないという考え方です」

もうひとつは、遺族の生活費を数年分、カバーできる保険に加入することだ。

「たとえば、年収2~3年分の保険金が受け取れる保険に加入し、お金の心配をしなくて済む間に、『次の人生』を見つけてもらう。その時間稼ぎができればいい、という考え方です。従前の生活水準を長期間保障するような保険は、やはり保険料も高額になるからです」

一生涯の保障がある保険で「確実にお金を残そう」とするのも危険だという。仮に40代半ばの男性が2000万円の終身保険に加入し、60歳までに保険料を払い込む場合、保険料は毎月10万円くらいになる。今の生活への影響を考えると、先の2つの方法が現実的だろう。

営業マンのセールトークに乗せられるな。自分で説明できない保険は入るに値しない

後田さんによれば、保険選びのポイントは「保険の理解度」だという。この点を指標にすれば「無駄な保険契約をせずに済むでしょう」とアドバイスする。

「営業マンに会うと、死亡・医療・老後など、さまざまな事態に備える提案がなされるでしょう。しかし、自分で説明できない保険は無視して構いません。保険会社の都合で難しくなっていることが多いからです。自分では対応できない大金が絡む事態のみ、保険を検討したらいい。保険でお金を用意するには高いコストがかかるからです。もし、現在加入している保険のなかに『よくわからないけど入っている保険』があるなら、すぐに見直すべきです」

また、脳梗塞や高血圧症など、ミドルエイジの健康リスクに関する保険商品にも慎重になるべきだ、という。安い保険料で手厚い保障が得られるのは、レアケースに備える場合。多くの人が「高い確率で生じる病」に保険をかけるのは、合理性に欠ける短絡的な行為なのだ。

「保険を検討するなら複数の保険会社で相見積もりを出してもらうのが賢明です。営業マンのセールストークに乗らず、自分にとって何が必要かを冷静に判断してください」

人は不安なときや興奮しているときは正常な判断ができない。若い彼女との結婚で舞い上がっているのはわかるが、もう少し落ち着いてから保険を見直すのがベターなようだ。

最後にアドバイザーからひと言

「自分の力でお金を稼ぐことが、何よりの保険です」

Text by Shimano Miho(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

取材協力
後田亨オフィシャルサイト

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