メディア個別 テーマは「浮世絵」。日本のパスポートがデザインを刷新 | editeur エディトゥール

editeur

検索
第28回 | エディトゥールPRIME

テーマは「浮世絵」。日本のパスポートがデザインを刷新

日本のパスポートは世界最強。10月初めにそんなニュースが報じられた。英コンサルティング会社が発表したビザなしで渡航できる行き先の数を基準にしたパスポートの強さ指数で、日本がシンガポールを抜いて首位になったのだ。ちなみに、その日本のパスポート、まもなくデザインがリニューアルされるのをご存じだろうか。テーマはズバリ「浮世絵」だ。

リニューアルされるパスポートの基本デザインは葛飾北斎の代表作『冨嶽三十六景』

正確にいえば、今回デザインが変更されるのはパスポートの「査証欄」。菊の紋章や「日本国旅券」などの文字が描かれた表紙デザインは現在のものがそのまま受け継がれる。

パスポートは国外へ渡航する人の国籍や身分を証明するもので、各国政府が発行する。一方、ビザは渡航先の大使館や領事館が入国を許可するために発行するもの。申請にはパスポートが必要で、許可されるとパスポート内の査証欄にスタンプを押すかたちで発行される。つまり、国ごとに異なるスタンプが押されるあのページのデザインがリニューアルされるわけだ。

基本デザインは『冨嶽三十六景』。葛飾北斎の手になる名所浮世絵揃物のひとつである。

(C) Ministry of Foreign Affairs of Japan

パスポート内の見開きページごとに『冨嶽三十六景』の作品を採用して偽変造を防止

デザインの選定は、NHKの紀行番組などで知られる俳優の関口知宏やバルセロナ五輪の女子マラソン銅メダリストの有森裕子さんなど、5名の有識者による準備会合で複数の候補を議論して決定された。葛飾北斎の『冨嶽三十六景』は富士山をモチーフとし、日本を代表する浮世絵として世界的に知られている。簡単にいうと「日本らしい」という点から選ばれたようだ。

リニューアルされるパスポートの最大の特徴は、見開きごとに『冨嶽三十六景』の各作品を採用し、すべてのページが異なるデザインになっていること。パスポートの作成法には国際基準があり、日本のパスポートにはその基準をクリアしたうえでさまざまな偽変造防止技術が採用されている。今回のデザイン変更の狙いのひとつも偽変造対策にあるという。パスポートの各ページをそれぞれ違うデザインにすることは、偽変造の防止に非常に効果的なのである。

(C) Ministry of Foreign Affairs of Japan

浮世絵デザインのパスポートは、東京オリンピック前年の2019年中に導入される!?

じつは、パスポートは偽変造対策を取り入れながら、定期的にアップデートが施されてきた。たとえば、現在の表紙には「日本国旅券」「菊の紋章」「JAPAN PASSPORT」と書かれた下に四角いマークがあるが、これはICチップを組み込んだ「ICパスポート」であることを示す世界共通のマーク。気づかなかったかもしれないが、2006年3月に導入されたものなのだ。

外務省は新デザインのパスポートを2019年中に導入したいとしている。来年パスポートを申請する人は、運が良ければ浮世絵デザインのパスポートを手にできるかもしれない。

Text by Kiyoshi Nanamori
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

editeur

検索