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第3回 | 20代彼女との「結婚ハードル」突破法【実践編】

結婚後に揉めがちな子どもの問題。年の差婚のケースでは?

年の離れた男女には、結婚する際に話し合わなければならないことが山ほどある。とりわけ重要なのは、子どもをめぐる諸問題だ。若い彼女側に今すぐ子どもを産む気があるかの意思決定、そしてミドルエイジ男性側の生殖能力(精子の数)が残っているのかも重要だろう。結婚前に話し合っておくべき “子どもの問題”について、生殖心理カウンセラーの小倉智子先生に話を聞いた。
今回のアドバイザー
小倉 智子
臨床心理士、生殖心理カウンセラー。NPO法人Fine、高橋ウィメンズクリニック(千葉県千葉市)では不妊治療当事者のカウンセリングにあたる。

20代彼女に多い「まだ働きたい」「遊びたい」。必要なのは子どもに関する話し合い

まず気になるのは、若い彼女が「出産・育児についてどう考えているのか」という点だろう。

「20代の女性は『まだ働きたい』『まだ遊びたい』という考えの人が比較的多いのが特徴です。20代女性と大人の男性の結婚では、『2人だけの夫婦生活を楽しみたい』と『早めに子どもがほしい』などによる食い違いで揉めるケースがあります。意見が割れるような場合は、男性側が女性側の気持ちをくみ取り、出産まで時間を空けるパターンが多いですね」(小倉さん、以下同)

結婚後に意見が分かれて揉めるぐらいなら、結婚が具体的になった段階で子どもについて話し合っておきたい。そのほうが「メリットは大きい」と小倉さんはいう。

「結婚前に話し合っておくと、今後の結婚生活を具体的にイメージできるようになります。すぐに子どもがほしいのか、夫婦生活を楽しんだのちに作るのか、2人の方向性が見えてきます。子どもを産む場合は話し合うことで家や地域も定めやすくなるなど、さまざまなメリットが考えられますね」

精子の数・女性側の早発閉経・子づくりの考え方…山積する年の差婚の子ども問題

子どもをどうするかという話になると、年の差婚ならではの問題も浮上する。それは男性側の「生殖能力」だ。近年では、加齢によって男性の精子の質が低下し、数が少なくなることがわかってきており、小倉さんも「楽観視していられない事情がある」と指摘する。

「加齢が関係しているとはいえ、精子の状態は禁煙や睡眠など、生活習慣の見直しによって改善することができます。そのうえで、排卵日と性交を合わせるタイミング法で妊娠するケースも多く見られます。とはいえ、男性側が節制に挫折し、体外受精に頼らざるを得なくなる人もいます」

また、男性だけでなく女性側に原因があるケースも存在する。「女性が若いから安心と思っていても、早発閉経や多嚢胞性卵巣症候群で妊娠が難しいケースもあるでしょう」と小倉さん。

いずれのケースでも、「結婚後すぐに子どもがほしい」との意見の一致さえあれば、不妊検査などによって早めに対策を打つことが可能だという。

また、子づくりに対する女性の考えは結婚前後で変化する可能性が高く、「子どもはいらない」と言っていた女性も「35〜40歳前後の年齢の節目に気持ちが変わる事例が非常に多い」そうだ。その場合に問題となるのは、「男性側がそれほど子どもを望んでいないケース」である。

「子づくりに積極的ではない男性のなかには『自然妊娠ならいいが、治療してまでほしくない』『治療よりも2人で楽しむことにお金を使いたい』という人もいます。結婚前に意見を伝えていないと、女性の意思のみで不妊治療を続けてしまうといったトラブルにつながる可能性がある。結婚から数年後に女性の考えが変わったとしても、事前に子どもについて話し合っておくことで、不妊治療のトラブルは最小限に抑えられるでしょう。治療をして授からなくても区切りがつけやすいです」

子どもをめぐる話し合いのポイントは、大人の男が解決策や妥協点をリードすること

では、子どもについて話し合う際にどんなことを心がけていけばいいのだろうか。

「まず女性が何を望み、自分が何を望んでいるのかを男性が冷静に整理すること。そしてお互いの妥協点を探り、解決策を押し付けず、提案してください。話し合いの場面で年上がリードしてくれると素敵ですよね」

つまり理想は、大人の男として若い彼女の話を聞いて共感を示しつつ、子どもの話題につなげること。ただし、女性側の妊娠・出産に対する考えがわからない場合、話の切り出し方にコツがいるという。

「男性から『子どもは何人ほしい?』と直球で投げかけてしまうと、若い女性は『子ども目当てで結婚するの?』と違和感を覚えてしまう。そうならないためには、家系や遺伝要素を交えた健康面の話題から広げていくのがおすすめ。『うちは胃腸が弱い家系なんだ』といった話をフックに、『うちの家はひとりっ子ばかりで…』『兄が不妊治療中で…』など、子どもの話につながることもあります」

結婚前に「育児は俺に任せろ」と宣言するのはNG。相手を尊重しすぎるのにも注意

注意してほしいのは、子どもの問題について男性側が先走ってしまうことだという。

「子どもがほしいという意見が一致していれば、会話のなかで子育てに関する考え方も探ることもできます。ただし、結婚前の段階で男性側が『育児はまかせて!』と宣言するのはNG。こればかりはそのときになってみないと、どの程度協力できるかわかりません。また、子育てやしつけには年の差による価値観の違いが出やすい傾向があります。そういう意味でも、お互いによく話し合い、それぞれの子育てへの考え方を知っておくことは非常に大切だと思います」

もっとも、最初から女性側の意見に合わせすぎるのは「禁物」と小倉さんはアドバイスする。

「相手の気持ちを尊重しすぎると、女性側に利用されてしまう危険性があります。もちろん、結婚生活においてはタイミングよく折れてあげることは必要かもしれませんけどね」

最後にアドバイザーからひと言

「話し合いでは、年齢が離れたパートナーとの価値観の違いを興味深く楽しみましょう。ご自身の本心を保ちつつ、相手を尊重する余裕をもつと、きっと素敵な結婚生活を送れると思いますよ」

Text by Chiharu Matsushima(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

取材協力
小倉智子さん ブログ『曇り時々雨、のち晴れますように』
NPO法人Fine
高橋ウィメンズクリニック

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