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第13回 | ジャガーの最新車デザイン・性能情報をお届け

ジャガーEタイプ ゼロ──これが世界で最も美しいEVだ

「世界で最も美しい」は、容姿、景色、芸術、さらには科学実験など、ありとあらゆる事象に対して用いられる形容詞だ。電気自動車(EV)なら、その表現は差し詰めこのクルマにこそふさわしいのではないか。ジャガー『Eタイプ ゼロ』。今年5月に執り行われたヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディングに登場した電動バージョンの『Eタイプ』だ。2017年にコンセプトモデルとして発表されたが、顧客からリクエストが相次いだことにより、ついにジャガーが少量生産ながらも市販化を決断した。“世界で最も美しいEV”の誕生である。

見た目は“世界で最も美しいクーペ”のまま。ファンが待望した『Eタイプ ゼロ』

ジャガーは、『Eタイプ ゼロ』はコンセプトモデルだと強調してきた。しかし、ロイヤルウェディングに登場したことにより、「もしかして?」と思った人もいたかもしれない。8月下旬に開催されたモントレー・カーウィークのイベントのひとつ、ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリングで『Eタイプ ゼロ』の実車が披露され、市販化が正式に発表された。

背景には顧客から寄せられた市販化の要望があったようだ。開発を担当するジャガー・ランドローバー・クラシックのディレクター、ティム・ハニグ氏は、「ジャガー Eタイプ ゼロ コンセプトへの肯定的なリアクションには驚きました」とコメントしている。

『Eタイプ ゼロ』のルックスは、ご覧のとおり、1960年代に生産され、「世界で最も美しいクーペ」と呼ばれた名車『Eタイプ ロードスター』そのもの。つまり、これは往年のクラシックモデルにレストアを施し、そこへ最新の電動パワートレインを搭載したEVなのだ。「世界で最も美しいEV」であり、「最新のクラシックカー」といってもいい。

限りなくオリジナルモデルの『Eタイプ ロードスター』に近いドライブフィール

搭載されるのは、電動コンパクトSUV『I-PACE』のシステムをベースに開発された電動パワートレイン。とはいえ、単にモーターやバッテリーを『Eタイプ』に移植したわけではなく、スタイリングからドライブフィールまで当時の雰囲気を損なわないように配慮されている。

具体的には、リチウムイオンバッテリーを『Eタイプ』の直列6気筒「XK」エンジンと同じサイズと重量に設計し、その後方、もとのトランスミッションがあった場所に電気モーターを配置した。それにより『Eタイプ』と同じ前後重量配分を実現。さらに、サスペンションやブレーキを変更せずに電動化を行ったことで、オリジナルに近いドライブフィールを維持しているという。

見た目は往時と同じでも、バッテリーの搭載位置が違えば重量配分が変わり、また重たいバッテリーによってサスペンションを強化すればやはり別のクルマになってしまう。オリジナルのフィーリングを大切にした点に、ジャガー・クラシックの見識と技術の高さが伺える。

この“設計の妙”により、モーターとバッテリーからガソリンエンジンに変更することも可能という。つまり、いつでもオリジナルモデルの『Eタイプ ロードスター』に戻せるということだ。リチウムイオンバッテリーの容量は40kWhで、充電時間は通常充電で6~7時間、フルチャージからの航続距離は270km。モーターの最大出力は300hpとアナウンスされている。

『Eタイプ ゼロ』のデリバリーは2020年夏を予定。価格は4000万円以上になる?

パワートレインとバッテリーを除くと、『Eタイプ ゼロ』で“最新”を感じさせるのは、エクステリアではLEDヘッドライト、インテリアでは『I-PACE』譲りのダイヤル式シフトセレクター、オプションで装備されるタッチスクリーン式のインフォテイメントシステムのみだ。

ただし、顧客が希望すれば、オリジナルモデルの装備も選択できる。「車両ごとに顧客の好みのカスタマイズが提供される」とジャガー・クラシックはアナウンスしている。

デリバリーは2020年夏からを予定しており、詳しいスペックや価格は未発表。2017年に発表されたフルレストアモデル『Eタイプ リボーン』が28万5000ポンド(約4252万円)だったから、それ以上になることは間違いない。なお、『Eタイプ ゼロ』の生産は、ジャガーの本拠地である英国コヴェントリーの「クラシック・ワークス」で行われる。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Jaguar Land Rover Automotive PLC
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Jaguar E-type Zero オフィシャル動画

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