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第39回 | 話題のハリウッド女優をスクープ!

ミリー・ボビー・ブラウン──14歳の天才にロックオン

年齢を重ねると、新しいものや新しい存在への感度が鈍くなっていく。ヒットチャートを眺めて「知らないアーティストばかりだ」とぼやくのはミドルエイジになった証だ。しかし、大人の男なら「わからない」で済まさず、積極的にキャッチアップする姿勢を持ちたい。特にそれが世界に影響を与えるほどの「新しい存在」なら。ネット発の人気ドラマから生まれた14歳の天才少女、ミリー・ボビー・ブラウンは、まさに大人も知っておくべきひとりである。

『ストレンジャー・シングス』で謎多き少女イレブンを演じた14歳の天才少女

ハリウッドはこれまでも数多の「天才子役」を生んできた。愛らしく、聡明で、驚くほどの演技力があって…。しかし、その多くは成長するにつれて「普通の俳優」となり、トラブルに巻き込まれたあげく、いつのまにかシーンから消えていってしまう。

ミリー・ボビー・ブラウンは、そんなセオリーをすべて覆してしまいそうな、まったく新しいタイプの「天才」ある。

ミリーは11歳のとき、動画サービスのNetflixで配信され、社会現象ともいえるヒットを巻き起こしたSFドラマ『ストレンジャー・シングス』で謎多き少女“イレブン”を演じて世界的なブレイクをはたした若きスターだ。演技時は瞳に力が宿るが、普段は天真爛漫なティーンエイジャー。ナタリー・ポートマンの再来ともいわれるノーブルな顔立ちを生かしてモード系ファッションを着こなすこともあれば、インタビューで率直なオピニオンを発信することもある。

インスタグラムのフォロワーは、なんと1700万人超。ミリーはSNS全盛時代を追い風に、その影響力を強めながら、従来のどんな女優とも違う道を歩み始めているのだ。

(C) Sipa USA/amanaimages

モード界も注目。数々のアワードを総なめにするミリー・ボビー・ブラウン

ミリーはイングランド出身の両親を持ち、国籍もイギリスだが、生まれたのはスペイン。その後アメリカ・フロリダ州中央部のオーランドなどでも暮らした。このアメリカ時代に演じることに興味を持ち、演技スクールに通い始めたのだが、そこでさっそくプロデューサーにスカウトされた。ミリーと家族は成功を求め、ハリウッドに移住することになるのである。

デビューは2013年。テレビドラマにゲスト出演する地味なもので、その後も大きな役には恵まれなかった。家族は経済的な理由からイギリスに帰国することになるが、その直前に受けたオーディションが運命を変えた。それが『ストレンジャー・シングス』だ。

ミリーが挑んだのは、物語の鍵を握る存在であり、ほとんど言葉を話さないイレブンという難しい役。2016年7月からNetflixで配信された『ストレンジャー・シングス』は、前述のとおり、全米中の話題を独占するほどのヒット作となった。その演技力も絶賛され、この作品への出演だけで「ピープルズ・チョイス・アワード」のフェイバリット女優賞、「全米映画俳優組合賞」女優賞、「サターン賞」テレビ部門若手俳優賞など、無数のタイトルを受賞する。

その個性溢れるルックスと存在感はファッション業界からも注目も集めた。2017年にカルバン・クラインのキャンペーンに抜擢されると、さらに大手モデルエージェンシーのIMGと契約を結び、さまざまなブランドのアイコンをつとめることとなる。

ミリー・ボビー・ブラウンの“バズカット動画”をがん患者の女性たちが称賛

ミリーは現在14歳という若さだが、自然体である一方、社会問題に対する意識も高い。注目度が増すとともに、その発言や行動が同世代を中心に多くの人々に影響を与え始めている。

たとえば、彼女は“イレブン”を演じるためにヘアスタイルをバズカット(いわゆるスポーツ刈り)にしたが、その際にインスタグラムに動画をアップしてこんなメッセージを添えた。

「私のこれまでの人生のなかで髪の毛を剃り落としたときが一番勇気づけられた瞬間。重要なのはイメージや外見ではなく、他者への思いやりを持ち、愛することだということをたくさんの女の子たちに伝えたい」

これに治療で髪の毛を失ったがん患者の女性たちが反応。同世代の女の子のファンが増えただけではなく、病気に苦しむ人々からも多くの称賛が寄せられるのである。

また、今年3月に開催された「キッズチョイスアワード2018」の授賞式に登壇したときのミリーのファッションも示唆に富んだものだった。その胸元には「Never Again」の文字、背中には2月にフロリダ州マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で発生した銃乱射事件の犠牲者たちの名前が刺繍されていたのだ。

「自分が人々に耳を傾けてもらえる声を持っていることを光栄に感じます。この特権をポジティブな変化を促すために使いたいと思います」

これはそのときのミリーのスピーチだ。彼女は自分が持つ影響力を自覚したうえで、世界に向けてポジティブなメッセージを発信しようとしているのである。

(C) PA Photos/amanaimages

2019年には映画界にも進出。ハリウッド版『ゴジラ』の最新作に出演決定

もちろんすべてが順風満帆というわけではない。LGBT+の権利について主張した際には、これに反対するホモフォビア団体がネット上でフェイクニュースを流すなどの嫌がらせを繰り返した。この一件によってミリーはツイッターアカウントを削除している。

とはいえ、デジタルネイティヴらしく、ミリーのSNSとの付き合い方は自然体だ。最近では1歳年上のシンガー、ジェイコブ・サートリアスとの交際をインスタグラム上で発表。キスを交わす写真をアップすると、アリアナ・グランデが「私なんて20歳になるまで家から出ることを禁止されていたわ」とジョークでコメントするなど祝福ムードが広がった。

この交際は半年ほどで破局したが、ミリーはそれもインスタグラムで発表した。「ジェイコブとした決断はふたりで決めたことです。私たちは幸せだし、これからも友だちでいます」と、あくまでもポジティブにコメントしている。

すでに14歳の新進女優としては十分な人気を獲得しているミリーだが、2019年には『ストレンジャー・シングス』のシーズン3が配信される予定だ。映画界にも進出し、ハリウッド版『ゴジラ』の最新作への出演が決定している。

女優、モデルとして飛躍を続けるミリー・ボビー・ブラウン。この先も自然体の影響力を生かして世の中を変えていくのだろう。ミドルエイジ男性も学ぶことがあるかもしれない。

Text by Kiyoshiro Somari
Photo by (C) Bauer Griffin/amanaimages(main)
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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