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第12回 | エディトゥールPRIME

大坂なおみはアディダス。選手を取り巻くブランドたち

「大坂なおみ(日清食品)」。これは全米オープン女子シングルを制し、日本人初となるグランドスラム制覇を成し遂げた大坂なおみに関する報道で必ず見られる記述だ。一見すると、彼女が日清食品の従業員として働いているようにも思えるが、じつはそうではない。大坂なおみは日清食品との間で「所属選手契約」を結んでいるのだ。では、この所属契約とはいったいどのようなものなのか。プロスポーツ選手とスポンサーの知られざる関係を紹介しよう。

世界を驚かせたロジャー・フェデラーとユニクロとの超巨額スポンサー契約

大坂なおみの快挙からさかのぼること2カ月前、プロテニス界で驚くべき出来事が起きた。男子シングル史上最高のプレイヤーといわれるロジャー・フェデラーが、ユニクロの赤いロゴをつけたウエアに身を包んでウインブルドンのセンターコートに現れたのである。

フェデラーは過去数十年にわたってナイキとスポンサー契約を結んできた。プロテニスでは着用するブランド以外に2つのスポンサーロゴをウエアにつけることが認められているが、ナイキは自社のロゴしか認めていない。そのかわり、ほかのブランドより高額の契約金を支払っている。この20年間でフェデラーが得た報酬は、じつに160億円以上に上るという。

そのフェデラーと契約するためにユニクロが投じた資金は、一説に10年間で推定約333億円。契約期間中にフェデラーが引退した場合も満額が支払われる。下の2枚の写真は、ナイキと契約していたときのフェデラー(右端)。ナイキの契約選手は、ほかにもマリア・シャラポワ、ラファエル・ナダル、セリーナ・ウィリアムズと、屈指のスタープレーヤーばかりだ。

(C)Nike, Inc.
(C)Nike, Inc.

大坂なおみはアディダスと契約。錦織圭はアディダスからやはりユニクロへ

このナイキのライバル企業、アディダスのウエアに身を包むのが大坂なおみである。彼女が全米オープンで着用していた黒のウエア、同色のサンバイザー、オレンジのリストバンド、白のシューズを写真や映像でチェックすれば、すべてに「adidas」のロゴが入っていることが確認できるだろう。ちなみにラケットはヨネックスの市販モデル(!)を使用している。

かつては錦織圭もアディダスと契約していた。アディダスには日本法人との契約、ドイツの本社直轄のグローバル契約の2種類が存在するが、錦織は後者だった。その分契約金も破格となっているが、ブランドが期待する成績を残さないと大きく減額される。錦織は成績に浮き沈みがあったため、自分にはもっとふさわしい契約があると考えたのかもしれない。

そこへ登場したのがユニクロだ。錦織は2011年からユニクロのウエアを着用している。当時のユニクロはグローバル市場でのブランド力アップを狙っていて、錦織を獲得するためにプロジェクトチームまで編成したという。当然、契約金はかなりの金額に上ると思われる。フェデラーと契約して注目を集めたユニクロだが、その布石となったのが錦織だったわけだ。

(C) adidas
(C) adidas

大坂なおみと錦織圭が日清食品と結んでいる「所属選手契約」の中身とは?

さて、大坂なおみが日清食品と結んでいる「所属選手契約」とはどういうものか。所属契約とは、グランドスラム(全豪オープン、全仏オープン、ウインブルドン、全米オープン)をはじめ、大会出場時に所属企業のロゴをウエアにつける契約。メディアなどに名前が出る際には「◯◯◯◯(企業名)」と表示される。これが「大坂なおみ(日清食品)」の秘密だ。

スポンサー契約の一種で、それによって企業は宣伝効果を得ることができる。こちらも最初に契約したのは錦織で、彼は日清食品とまず2008年に通常のスポンサー契約を結び、2012年から所属選手となった。大坂なおみが契約したのはその4年後、2016年のことである。

3月のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝したときの大坂なおみのスピーチは、彼女らしく天真爛漫さにあふれたもので、会場は大爆笑、SNS上で絶賛されたのは記憶に新しい。

そのスピーチの最後に、彼女は「何か忘れてないかしら」と自問自答し、こう笑顔で締めくくったのである。「スポンサーにも感謝しないと! アディダス、日清食品、WOWOW、あとは…ヨネックス!」。プロスポーツ選手とスポンサーは切っても切れない関係にあるのだ。

Text by Kiyoshi Nanamori
Photo by (C) YONEX Co.,Ltd.(main)
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
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