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第13回 | 口臭・ワキガ・加齢臭・足 ニオイ対策できている?

マラセチア菌に要注意──加齢臭の原因は背中にもある

大人の男として外見に気を使い、いくら取引先や女性のウケをよくしても、加齢臭のケアを怠っていてはすべてが台なしになりかねない。「加齢臭は耳の後ろから香る」という話をよく耳にするが、じつは背中に潜む“カビ”が臭いの原因になっているケースも少なくないという。「背中のカビ」とはどのようなものなのか。詳しい話を専門家に聞いた。
今回のアドバイザー
稲見文彦
男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』総院長
大手美容形成外科で10年以上、多数の研修医や新人看護師の育成に携わる。美容医療のみならず、医療の基本は「優しさ」と「患者様の言葉に耳を傾けること」を理念としている。テレビ番組や雑誌ほか、メディア出演も多数。

加齢臭の原因となるカビは背中などの汗をかきやすく皮脂が多い場所を好む

加齢臭は自分ではなかなか気づかず他人も指摘しづらい。センシティブな問題なので、放置されてしまうことも多い。しかも原因が背中にあるとすればなおさら放置しがちだ。じつは、この匂いの原因のひとつとされるのが皮膚に潜むカビの増殖なのだという。

「どれだけ健康的な人でも人間の皮膚には細菌やカビなどが住みついています。これらは常在菌と呼ばれ、その一種の『マラセチア菌』は、背中や胸など汗をかきやすく皮脂が多い場所を好みます。汗や皮脂を放置していると増殖してしまうのです」(稲見先生、以下同)

稲見先生は、加齢臭にはこの常在菌が大きく関係していると指摘する。

「常在菌にはリパーゼという酵素によって脂肪酸を分解する働きがあり、同時に中高年特有の油くさい物質『2-ノネナール』を発生させます。これが加齢臭のメカニズムです」

背中のマラセチア菌は、加齢臭だけじゃなく皮膚病を発症させるケースも!

そもそも、皮脂が多いミドルエイジ男性の場合、女性に比べてカビ(マラセチア菌)が繁殖しやすいという。また、カビは加齢臭のほかに、皮膚病を発症させることもある。

「背中は皮脂腺が多く、もともとニキビができやすい部位です。通常、ニキビの原因は『アクネ菌』の繁殖によるものですが、もしニキビ治療を行ってもなかなか治らない場合、マラセチア菌が引き起こす『マラセチア毛包炎』の疑いがあります」

マラセチア毛包炎の症状は、おもに背中にできるカサカサしたニキビに似たピンク色や白色の斑点。稲見さんは「この症状は数カ月から数年間続くことがあります」と指摘する。

カビの増殖を防ぐには「しっかり湯船に浸かる」「食生活の改善」が重要

では、人の体に必ず存在するマラセチア菌の増殖を防ぐにはどうすればいいのか。稲見さんによれば、改善法のひとつは「入浴習慣を変えること」だという。

「一番重要なのは清潔を保つこと。忙しいからといってシャワーだけで済ませず、しっかり湯船に浸かり体を温めることが大切です。そうすることで毛穴が開き、毛穴の奥の汚れまで落とすことができるのです。また、石けんは無添加やベビー石けんなどの刺激が少ないタイプを選び、泡立てて優しくなでるように洗うのもポイント。ナイロンタオルでゴシゴシ擦ると、肌の角質層のバリアが損なわれて肌トラブルのもとになり、逆効果です」

カビの増殖を防ぐうえでもうひとつ重要となるのが「食生活を改善すること」だ。

「外食がメインの男性の場合、肉類や揚げもの、乳製品など脂肪分が多い食事になりがちです。そうなると、マラセチア菌が増殖するリスクも高くなる。サプリメントを上手に利用してビタミン類、野菜を多く摂取するなど、バランスのよい食事を心がけましょう」

それでも加齢臭や背中の発疹が改善されなければ医療機関を受診すべし

入浴習慣や食生活に気をつけても加齢臭が収まらない、背中の斑点が消えないというケースでは、皮膚科や美容皮膚科などの医療機関を受診したほうがよさそうだ。

「医療機関では、抗真菌薬(カビが原因の病気の治療薬)を使った治療を施されます。あるいは、不適切なスキンケアが肌トラブルや原因となっているケースもあるので、美容皮膚科で相談するのもいいかもしれません。洗浄、保湿、紫外線ケアなど、基本的かつ重要なケア方法を指導してくれるはずです」

念のために付け加えると、マラセチア菌が引き起こすマラセチア毛包炎は再発するケースもあるため、症状が改善したからといって自己判断で治療をやめるのは禁物だ。稲見さんは「きちんと治るまで医師の指示に従ってください」とアドバイスする。

最後にアドバイザーからひと言

「背中に限らず、日ごろから肌を清潔に保つ意識が最終的な加齢臭対策につながります」

Text by Mitsuo Okada(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

取材協力
男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』

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