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体脂肪の種類を把握し健康的に痩せる準備を整える

体脂肪には2種類あることをご存知だろうか。見た目にもわかる「皮下脂肪」と、一見するとわかりにくい「内臓脂肪」だ。それぞれに特徴があり、体に及ぼす影響も違う。体脂肪をしっかりと理解して、健康的に痩せる準備をしておこう。

今回のアドバイザー

宮﨑奈津季

管理栄養士/薬膳コーディネーター

医療食品メーカーで営業を経験したのち、独立。フードコーディネーターである倉田とフードユニット「ちゃあみー」を立ち上げ、「想いをカタチにする」をモットーに活動。レシピ開発や記事執筆、料理教室の企画運営、営業代行、商品企画・開発を行う。

体脂肪には2種類ある

体脂肪というと「皮下脂肪」を思い浮かべる人も多いかもしれないが、「内臓脂肪」も体脂肪に含まれる。どちらもつき過ぎは良くないが、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が見た目に現れないので、気づきにくい。
健康的に痩せるためにも、まずは体脂肪の種類を知っておこう。

皮下脂肪

体脂肪といわれて真っ先に思い浮かぶのがこの皮下脂肪ではないだろうか。保温効果や体を衝撃から守る効果などの役割があるため、一定の量は必要である。しかし、つきすぎるとお腹が出るなど見た目に影響するのが皮下脂肪である。

概要

皮下脂肪とは、比較的に体の表面に近い部分につきやすい脂肪のことだ。人の肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造となっており、皮下組織のほとんどは脂肪である。部位によって違うが、皮下脂肪はだいたい1cm以上はあるのだ。主に皮下脂肪が必要以上についてしまった肥満のことを、その形になぞらえて「洋ナシ型肥満」と呼ぶこともある。正式名称は「皮下脂肪型肥満」だ。

特徴

皮下脂肪には3つの特徴がある。
1つ目は男性よりも女性の方がつきやすいこと。女性は出産準備や子宮を守るために皮下脂肪がつきやすいといわれている。女性の乳房も皮下脂肪に分類される。
2つ目は見た目に現れやすいこと。皮下脂肪は、体の中でもお腹周りや太もも、二の腕に溜まりやすい。これらは体型に大きく関わる部分なので、ここに皮下脂肪がついてしまうとボディラインに大きく影響する。
3つ目は長時間かけて蓄積されること。長い時間かけて溜まっていく分、落とすのにも長い時間が必要なのだ。

内臓脂肪

内臓脂肪は皮下脂肪と違って表面上は肥満に見えないので気づきにくいが、放って置くと危険な病気に発展する恐れもある。しっかりと特徴を把握しておこう。

概要

内臓脂肪は、腹筋と内臓の間のスペースにつく脂肪のことだ。特に小腸を包んでいる「腸間膜」という部分につきやすい。内臓脂肪はつきすぎると脳卒中や動脈硬化の原因になるなど、放って置くと危険な存在だ。
先ほど、皮下脂肪がついた肥満のことを「洋ナシ型肥満」と呼ぶと紹介したが、内臓脂肪がついた肥満のことを「リンゴ型肥満」という。上半身から腹部が膨らんだ体型になりやすいからだ。正式名称は「内臓脂肪型肥満」である。

特徴

内臓脂肪には4つの特徴がある。
1つ目は女性よりも男性につきやすいこと。女性と男性のホルモンや筋肉量の違いが原因となってこのような変化が生まれる。
2つ目は見た目に現れにくいこと。皮下脂肪に比べると発見が遅れる可能性が高い。ただ簡易的にではあるが、内臓脂肪型肥満かどうかを調べる方法があるので紹介しておこう。「ウエスト(cm)÷身長(cm)」の計算をしてみて、答えが0.5以上の場合は内臓脂肪型肥満である可能性がある。また、ウエストが男性で85cm、女性で90cm以上ある場合も、内臓脂肪型肥満、ひいてはメタボリックシンドロームの可能性もあるので、一度病院で診断してもらうことをおすすめする。
3つ目は短期間で蓄積されること。その分短期間で落ちやすい。皮下脂肪とは逆だ。ダイエットをする場合、お腹の脂肪が落ちにくい経験をした人もいると思うが、それは皮下脂肪よりも先に内臓脂肪が落ちているからである。
4つ目はホルモンを分泌する働きがあること。「アディポサイトカイン」「PAI-1」「TNF-α」といったホルモンに関わっている。いずれも健康に関わるホルモンである。

ここまで、皮下脂肪と内臓脂肪それぞれの特徴について見てきた。ただ、特徴を知っただけでは自分の体にどちらが多くついているのか判別するのは難しいだろう。次は、皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の違いを判別する方法を見ていく。

皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満、違いを判別する方法

皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満、それぞれの違いを自分で判別するためには、「形状」「温度」の2つの観点から判断するのが一般的だ。それぞれ方法を確認していこう。

形状

おへそにくぼみがなく、パンパンに膨れていたら内臓脂肪型肥満の可能性が高い。つまんだ時に痛みがあり、引っ張ることができない場合も内臓脂肪型肥満だ。
一方で皮下脂肪型肥満の場合は、ハリがなくブヨブヨと弛んでいる。痛みがなく、つまんで引っ張ることができれば皮下脂肪型肥満だ。
おへそがくぼんでいるかどうか、つまんで引っ張ることができるかどうかが違いを見分けるポイントだ。

温度

温度で判別する方法もある。もしお腹を触った時にお腹の方が冷たいと感じた場合、お腹の温度は手のひらより冷たいことになるので、内臓脂肪型肥満の可能性がある。
一方、あまり温度差を感じなかったり、お腹の方が温かいと感じたりすれば、それは皮下脂肪型肥満の可能性が高いといえる。

主だった体脂肪はここまでに紹介した皮下脂肪と内臓脂肪だが、体脂肪にまつわる脂肪もいくつか種類がある。次は、その他の体脂肪を確認していく。

その他体脂肪にまつわる脂肪の種類を紹介

皮下脂肪と内臓脂肪以外に体脂肪にまつわる脂肪として「中性脂肪」「セルライト」「脂肪細胞」「脂肪酸」等がある。ひとつずつ見ていこう。

中性脂肪

中性脂肪とは、体脂肪のもとになる組織のこと。体に中性脂肪が蓄積されていくと体脂肪に変化する。別名トリグリセリド。血液中に存在するため、「血中脂肪」の1種でもある。
食事の中に、糖質、脂質のいずれかが多く含まれる食事を取りすぎると中性脂肪が蓄積される。体内に入った脂肪のうち、一部はエネルギーとして使われ、余った脂肪が中性脂肪となるのだ。
ただ食事を減らせばいいというものではなく、過度な食事制限によって体の飢餓状態が続くと、体は防衛本能でエネルギーとして脂肪を蓄えようとするので注意が必要だ。

セルライト

セルライトは主に下半身にできやすい脂肪の塊で、皮下脂肪の一種。太ももの裏やお尻あたりにボコボコしたものができることがあるが、その正体がセルライトである。運動不足や、代謝がうまくいかないことによる老廃物の蓄積が原因だ。特に40代以降の女性につきやすい。
セルライトは皮下脂肪の一種だが、普通の皮下脂肪に比べて固くなってしまっているので、皮下脂肪よりも落としにくい。

脂肪細胞

脂肪細胞とは、細胞を構成する細胞質内に「脂肪滴」を持つ細胞のことで、体脂肪に深く関わる細胞のことだ。脂肪細胞には「白色脂肪細胞(単胞性脂肪細胞)」と「褐色脂肪細胞(多胞性脂肪細胞)」の2種類がある。以下それぞれ詳しく見ていく。

白色脂肪細胞(単胞性脂肪細胞)

文字の通り白い色をしており、単に脂肪細胞と呼ばれることもある。体脂肪として体に蓄積されていく細胞で、体脂肪はこの白色脂肪細胞の塊である。

褐色脂肪細胞(多胞性脂肪細胞)

こちらは茶褐色をしており、白色脂肪細胞を燃焼させる働きをする。白色脂肪細胞を燃焼させることによって熱を発生させ、寒さから体温を一定に保っているのだ。
この褐色脂肪細胞が体内に増えると、より多くの白色脂肪細胞が燃焼され、体内の体脂肪を減らす効果が期待できる。

脂肪酸

脂肪酸は、食材に含まれる「脂質」の主な構成成分である。「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられる。それぞれ見ていこう。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、肉類の脂肪やバター、生クリーム、チョコレートなどの動物性食品に多く含まれる。常温では固体。
摂取しすぎると中性脂肪の増加に繋がり、中性脂肪が蓄積され続けると体脂肪に変わる。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、植物油や大豆油などに多く含まれ、常温では液体である。不飽和脂肪酸は更に「トランス脂肪酸」「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」の3つに分けられる。
「トランス脂肪酸」は人工的に製造された脂質で、摂取しすぎると善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールを増やす。心疾患のリスクを高めるといわれる注意が必要な脂肪酸だ。マーガリンやスナック菓子、カップ麺などに多く含まれている。
一方の「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」は、血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らす働きをする。特に青魚に多い「多価不飽和脂肪酸」は、心疾患のリスクを下げるといわれている。

ここまで体脂肪にまつわる情報を見てきた。それでは、実際に肥満かどうかを判別するためにどうすればいいのだろうか。判別方法を見ていこう。

肥満かどうかの判別方法 

肥満かどうかを判別するためには、BMIと体脂肪率を確認するのが手軽だ。
BMIは[体重(kg)÷身長(m)×身長(m)]の式で算出できる。標準値は22で、19.8〜24.2の間であれば問題ないといわれている。もし24.2を超えるようであれば肥満の可能性ありだ。
体脂肪率は体の占める脂肪の割合のことで、正確に測定するためにはCTや超音波、X線など様々な方法がある。ただ簡易的にではあるが、自宅用の体脂肪計などでも測定可能だ。家庭用体脂肪計で測定する場合、体脂肪率が男性で25%、女性で30%を超えると肥満の可能性がある。

肥満とわかったら、体脂肪を落とす必要がある。どのようにして落とせばいいのか、次の項で見ていこう。

体脂肪を落とすには 

体脂肪を落とすためには、有酸素運動と筋トレ、マッサージが有効だ。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動と、腹筋などの筋トレを組み合わせてトレーニングし、血流やリンパの流れを促進するマッサージをすることで、体脂肪を落とす効果が期待できる。
ただ、内臓を守る意味合いがあるお尻やお腹周りについている皮下脂肪は最後まで落ちにくいので、根気よくトレーニングしていく必要がある。