pixta_27489223_S(2)
- 備えとして知っておきたい。介護とお金の基礎知識 -

在宅看護の強い味方「訪問看護」。介護保険が使えるのはどこまで?

家族だけで介護にあたることが「在宅介護」だと思っている人は意外と多いかもしれない。しかし、家族だけでできる介護には限界があるもの。実際には「訪問介護」サービスを頼むケースが大半だという。この訪問介護サービスを受けるためには、どれくらいの費用がかかるのだろう? 具体的なサービス内容や介護保険との関係を含め、一般社団法人マイライフ協会の児玉浩子さんに話を聞いた。

今回のアドバイザー

児玉浩子さん

一般社団法人マイライフ協会

一般社団法人マイライフ協会代表理事。行政書士、ファイナンシャルプランナー(AFP)などの資格を持つ。講演活動や個別相談を通し、高齢者の老後の生活支援に努めている。著書に『99%の人が知らない 老後の安心をデザインする方法』がある。

介護保険の範囲内で受けられる訪問介護のサービス内容には限りがある

まず知りたいのは、訪問介護にかかる費用だろう。訪問介護のうち、介護保険が適用されるサービスの場合、かなり安価に利用できるという。

「訪問介護にかかる費用は、サービスの種類別料金×利用時間で計算します。介護保険が適用される場合、基本的な自己負担額は1割、一定以上の所得がある場合は2~3割です。たとえば、1割負担で身体介護サービスを20分未満利用すれば、負担額は165円になります」(児玉さん、以下同)

ここで知っておきたいのが、介護保険が適用されるサービスの範囲。具体的には、訪問介護員が利用者の自宅を訪問し、食事・入浴・排せつなどの世話をする「身体介護」と、掃除・洗濯・買い物・調理などを代行する「生活援助」の2つが、主なサービス内容となる。また児玉さんによれば、事業所によって通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助サービスも、介護保険の適用範囲内になる場合もあるという。

家族の同居などによる制限を補う、介護保険適用外のサービス

では、どのようなサービスが「適用外」となるのか。児玉さんによれば、どうやら「同居する家族」の存在がポイントになるようだ。

「介護保険の範囲で受けられるサービスは、原則として『要介護者本人のみ』が対象となります。ですから、利用者の家族のための家事や、草むしりやペットの世話など、日常生活の援助の範囲を超えるサービスを受けることはできません。また、同居している家族がいる場合は、掃除や洗濯、買い物などの『生活援助』も、原則として利用することができないのです」

とはいえ、共働きや育児中の家庭で介護が必要な人がいるというケースもあるはず。そこで用意されているのが、介護保険の適用範囲外となるサービスというわけだ。こちらは要介護者に対するケアだけでなく、その家族に対するケアもおこなってくれるという。

「介護保険外のサービスは、市区町村などが実施する非営利目的の支援サービスから、民間企業が行うサービスまで幅広くあります。主なサービス内容は、同居する家族の家事援助はもちろん、利用者の散歩や趣味のための外出の介助、金銭の管理や契約書の記入の手伝い、車の洗車など、柔軟に対応してくれるケースが多いですね」

介護保険外サービスは、家族みんなのためにバランスよく利用しよう

イメージ的には、いわゆる「お手伝いさん」に近いともいえる介護保険外サービス。それだけに、全額自己負担となるケースも多いため、利用の際は経済的負担を考慮する必要がある。

「市区町村がおこなっている支援サービスは低額で利用できることが多いのですが、民間企業が提供するサービスの中には、かなり高額になるものもあります。あらかじめ予算を決めて、無理のない範囲で利用するのが望ましいでしょう」

介護が必要な人だけでなく、介護する側の負担を軽減させることも、長い目でみれば大切なこと。互いに無理なく、楽な気持ちで介護と向き合えるよう、金銭面も含めバランスのよいプランを立てるべきだろう。

最後にアドバイザーからひと言

「『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』サービスを利用すると、24時間体制で訪問による定期的な巡回と、随時の対応が受けられます。利用料金は、要介護度に応じて定額なので、追加費用の心配もありません。このサービスを活用すると、仕事と介護の両立がしやすくなりますよ」

Text by Yurie Matsumoto(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)