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第1回 | 備えとして知っておきたい。介護とお金の基礎知識

おむつで年間54万円! 介護費用の公的助成制度をおぼえておこう

介護を考える際に、避けては通れないのが費用の問題。おむつのような日用品から施設の利用費まで、積み上げていけばかなりの金額になってしまう。そこでおぼえておきたいのが、介護にまつわるお金に関する公的な補助。たとえば介護費用の一部は確定申告により還付されるという。詳しい話を専門家に聞いた。
今回のアドバイザー
太田差惠子さん
介護・暮らしジャーナリスト
ファイナンシャルプランナー(AFP:日本FP協会認定)。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」などの視点で、さまざまなメディアを通して情報を発信。『親の介護には親のお金を使おう!』(集英社)など、著書多数。また、子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」を立ち上げ、法人化するなど、幅広く活躍する。

年間で54万円以上もする紙おむつ代。自治体によっては支給してくれるところも

親が要介護になった場合、費用の大きさに驚くもののひとつが「おむつ代」。在宅であればドラッグストアで安く買えるが、入院した場合、病院によっては、特殊なごみの扱いになるため、廃棄処理料を含めて1日1500円もするところもあるそうだ。そこで知っておきたいのが、公的な助成制度。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんによれば、親の住民票がある自治体で給付や助成を受けられることもあるという。

「自治体のなかには、紙おむつの現物支給や、紙おむつ代の一部を補助するところがあります。購入費の補助では月額5000円〜1万円が一般的。自治体によって支給要件はまちまちで、在宅の場合のみ支給、あるいは入院中や施設入居中も支給するところもあります。住民税非課税世帯が支給の要件になっているところもあれば、こうした助成がまったくない自治体もあるので、まずは親の住んでいる住所地を管轄する地域包括センターや役所に聞いてみましょう」(太田さん、以下同)

自治体によってはこうも補助内容にばらつきがあると、なかには不公平と感じる人も多いはずだ。仮に紙おむつのコストが1日1500円だとして、それを365日で計算すると、その額は年間54万円以上にも及ぶ。

「以前、私が聞いたなかには、『親が施設に入居したものの、とにかくおむつ代が高い。親の住んでいた自治体にはおむつ補助がなかったので、補助のある自分の家に住民票を移した』という人もいました。他に不都合がないか検討する必要はありますが、これもひとつの方法だと思います」

確定申告すれば、おむつ代や施設代などの一部が医療費控除の対象に

それぞれの自治体の補助のほか、確定申告で医療費控除を受けることもできる。医療費控除とは、一定額以上の医療費を年間で支払った場合、納めた税金の一部が戻ってくるという制度。言わずもがなだが、前述の自治体の支援は役所で手続きするのに対し、確定申告は税務署でおこなう手続きだ。これらの申請は、家族が代行することもできるという。

「サラリーマンの場合、税金関係は会社がほぼすべてやってくれるのであまり縁がないと思われがちですが、親の介護が始まったら確定申告することでお金を取り戻せることもあります。たとえば、親御さんが6カ月以上寝たきりで、医師の治療を受けていた場合、かかりつけ医に『おむつ使用証明書』を記載してもらうなどすれば、おむつ代は医療費控除の対象になります」

おむつ使用証明書を作成するのは少々面倒ではあるが、2年目からは役所で「おむつ代の医療費控除確認書」が交付され、手続きが楽になる。また、確定申告することで医療費控除の対象となるのはおむつ代だけではない。

「入院や通院にかかったタクシー料金などに加え、介護保険制度を利用する場合でも、訪問看護や訪問リハビリテーションにかかる費用は医療費控除の対象です。老人保健施設に入居した場合は、自己負担額及び住居費と食費の合計額、老人ホームの場合は、自己負担額及び住居費と食費の合計額の1/2相当が対象となります。なので、領収書は破棄せずにしっかりとっておきましょう」

親が非課税世帯かどうかをまず確認すること

前項で医療費控除について解説したが、もし親が非課税世帯(そこに所属する全員が住民税を払わなくてよい世帯)ならば、当たり前の話だが、税金を最初から免除されているのだから、税金が還付されることはない。そのため、話は前後するが、まずは親が住民税を払っているかどうかを確認する必要があるのだ。

「原則、親世代は、住民税などを年金から天引きされていますが、もし親が年金のみで暮らしていて低所得世帯だった場合、住民税が免除・軽減されているケースもあります。非課税となるラインは、1人暮らしで、収入が年金だけなら年収155万円以下、月にすると12万9000円ほどです。ただし、例外的に年収155万円以上でも非課税になることもあるので、分からないことなどをあれば、役所の個人住民税担当課に相談することをオススメします」

とかく費用がかかる介護。互いに無理なく、理想的な暮らしを送るためにも、こうした知識はぜひおぼえておきたいところだ。

最後にアドバイザーからひと言

「介護費用を軽減するさまざまな情報や制度をおさえておきましょう」

Text by Mitsuo Okada(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

取材協力
太田差惠子のワークライフバランス/ 太田差恵子の遠距離介護

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