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懐かしのグリース復活。休日は昔のようにリーゼントに

映画『グリース』が大ヒットしたのは1970年代の終わりのことだ。ジョン・トラボルタ演じるダニーがグリースで固めたリーゼントにコームを入れる仕草は憧れの的となり、東京・原宿にはリーゼントに革ジャンでキメた若者が急増した。グリース=ポマードは、かつて若者たちの必須アイテムだったのである。あれから40年。マンダムのメンズコスメブランド「ギャツビー」が8月下旬にグリースをリニューアル発売した。なぜグリースが復活したのだろうか。

グリースの語源は、S・E・ヒントンのベストセラー小説『アウトサイダー』

グリースとポマードは名称が異なるだけで中身に大きな違いはない。YA(ヤングアダルト)小説の先がけとなったスーザン・エロイーズ・ヒントンの『アウトサイダー』には、長髪をポマードで撫でつけ、リーゼントスタイルに仕上げた“グリーサー”と呼ばれる貧困層の不良グループが登場する。一説に彼らの存在がグリースの語源になったともいわれている。

日本に登場したのは1920年代。現在まで続くロングセラーとなっている柳屋本店の「柳屋ポマード」のヒットによって一般に広まった。そのライバル商品だったのが、1930年代に爆発的ヒットを記録したマンダム(当時の社名は丹頂)のグリース「丹頂チック」だ。

しかし、グリースで固めるスタイルはその後衰退し、長らく自然にセットした髪型が主流となっていた。グリースのニーズが高まるのは、映画『グリース』のヒット以来、じつに40年ぶりのこと。きっかけとなったのは、世界的に流行する「バーバースタイル」である。

世界的に流行するクラシカルな「バーバースタイル」がグリースを復活させた

バーバースタイルは、バーバー(理髪店)のクラシカルなヘアスタイルがベースだ。サイドを短く刈り上げて、トップは上げて流す。七三分けでバッチリ決めたり、ポイントパーマをかけたり、トップをポンパドールにしたりといった多くのバリエーションが存在する。

粘度が強い整髪料であるグリースは、このスタイルの仕上げに適している。バーバースタイルの世界的な流行に伴い、インドネシアなどのネット上で「ポマード」の検索件数が急増。それに気づいたマンダムが開発に着手し、最初はインドネシア、インド、タイ、ミャンマー、カンボジアといったアジア諸国で販売を開始した。

今回リニューアル発売されたギャッツビー「スタイリンググリース」は、バーバースタイルやネオクラシカルヘアに適したグリース。配合された弾力性ポリマーが髪をコーティングし、立体感、クセづけなどが自在にできる。オイルフリー処方なので洗い流しも簡単だという。

大人の男も、女性のようにシーンや気分に合わせてヘアスタイルを変化させる

リーゼントと革ジャンで原宿を歩いていた若者たちは現在、40代後半から50代の大人の男性となった。きっとスーツを身にまとい、清潔感のある髪型を心がけているに違いない。

しかし休日なら話は別だ。女性がそうであるように、男のヘアスタイルもシーンに合わせて変えたっていい。昔のリーゼントの若者も普段は整髪料をつけないサラサラヘアだった。

久しぶりにリーゼントにして街を歩けば、あの頃の気持ちが呼び起こされるかもしれない。

Text by Dan Oshio
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)