サヴォア邸(サボア邸; Villa Savoye)
- 40男のメモリーズ -

モダニズム建築の傑作に振りかかった歴史的悲劇

世紀の傑作が生まれた時を追う企画「When Legend is Made」。今回、2回連載で紹介しているのが、天才建築家ル・コルビュジエの名建築「サヴォア邸」だ。前回「近代建築の5原則」をクリアして竣工され話題を呼んだ邸宅には、その後、どのような運命が待ちうけていたのだろうか?

第2次世界大戦が始まり、ヨーロッパで勢力を拡大したのがヒトラー率いるドイツ政府だ。 フランスにもナチスが台頭すると、ユダヤ系であったサヴォア一家は、強制収容所に送られてしまう。1940年のことだった。 戦時下でこの建物はまずドイツ軍に、やがて連合軍に占拠され、損害を被ってしまう。

戦後、サヴォア家はこの邸宅に戻ることができたが、もはや住める状態ではなく、高校の建設地としてポワシー市にこの土地は買い上げられてしまった。

サヴォア邸 スロープを上って空中庭園へ サヴォア邸(Villa Savoye)スロープを上って空中庭園へ

しかし、コルビュジエ本人を含む多くの建築家たちが、サヴォア邸の取り壊しに反対の声を上げた。

「近代建築の5原則」に忠実に建てられた初めての建物であり、歴史的な価値を持っていることは明らかだ。

やがてその声はフランス政府に届き、1965年に「初の近代建築作品」として、フランスの歴史的建造物リストに登録され、修復と補強が行われることになった。

草地に浮かんだように見えるサヴォア邸 草地に浮かんだように見えるサヴォア邸(Villa Savoye)

また、このプロジェクトで具現化した「近代建築の5原則」に影響を受けた現代の名建築が、日本国内にもいくつも存在する。

晩年のル・コルビジュエ(ル・コルビジェ) 晩年のル・コルビジュエ(Le Corbusier)

Text by Ryohei Nakajima

⇒ル・コルビュジエの影響を受けた日本の建築物とは?