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第31回 | アウディの最新車デザイン・性能情報をお届け

いざ、MINIとの戦いへ──アウディA1スポーツバック

アウディのプレミアムコンパクトにとって、最大のライバルとなるのはMINIだ。現行の『A1』が発表されたときには、アウディのトップ自らがMINIをライバルとして名指しした。事実、『A1』はヨーロッパでも日本でも大きな成功を収めているが、MINIにはセールスで差をつけられている。このMINIとの戦いに勝つため、間もなくアウディが投入するのが、フルモデルチェンジした新型『A1スポーツバック』だ。スタイリングはよりダイナミックとなり、ラリーカー『スポーツ・クワトロ』の遺伝子を受け継ぐ力強いデザインが与えられている。

ポップ感を求める人はMINI、プレミアムな上質感を求める人は『A1』を選ぶ

プレミアムブランドは、より多くの新しいファンを獲得するため、新型車を開発する際には意欲的なチャレンジを行う。もちろんアウディもしかりだ。

2011年に登場した『A1』は、アウディのラインナップのなかでもっともコンパクトで、エントリーモデルに位置づけられる。しかし、「小さくとも高級なアーバンビークル」として、スポーティなデザイン、安定した走り、広いラゲッジルームなどを持ち、MINIとは違ったアプローチで存在感を高めている。

いうなれば、ファッショナブルなポップ感を求める人はMINI、プレミアムな上質感を求める人には『A1』といったところだろうか。

5ドアの『A1スポーツバック』は、MINIとの路線の違いをさらに際立たせ、富裕層のセカンドカーとしても人気を集めるモデルだ。『A1』の登場後、メルセデス・ベンツはエントリーモデルの『Aクラス』をそれまでのトールスタイルから低くワイドなスタイルへと変更している。厳密にいえば、『Aクラス』はアウディ『A3』と同じCセグメントに属するが、Bセグメントモデルを持たないメルセデス・ベンツが『A1』を意識しなかったとは思えない。

ともあれ、最大のライバルはMINIだ。第二世代へと進化した新型『A1スポーツバック』は、その戦いを制するために登場したモデルといえるだろう。

『スポーツ・クワトロ』をオマージュした『A1スポーツバック』のデザイン

全長のみをストレッチしたプロポーションに短いオーバーハングのスタイリングは、よりスポーティさを増し、走りの進化を予感させるものになった。

エクステリアでひと際目を引くのはLEDヘッドライトだ。ウイングのようなグラフィックを持ち、小さくひし形に光るこの特徴的なデイタイムランニングライトは、テールにも採用されている。また、アウディのアイデンティティというべきシングルフレームグリルは低い位置に配され、その両サイドで左右方向に張り出したエアインレットとともに大型化された。

デザイン上の効果的なアクセントとなっているボンネット先端の3分割スピリットは、『スポーツ・クワトロ』へのオマージュである。1984年、WRC(世界ラリー選手権)のグループBホモロゲーションで勝つために開発され、当時のラリーシーンを席巻した限定生産のアイコンモデルだ。

『スポーツ・クワトロ』との共通点はサイドビューにも見ることができる。Cピラーは前傾してワイドになり、ルーフ上のコントラストラインは、Cピラー上部のリアスポイラーまで伸びて車高の低さを強調。よりワイド&ローになったボディは、まるでCセグメントのような雰囲気を漂わせる。

写真のモデルはパッケージオプションの「Sライン」。Sラインには、大型エアインレット、シルトリム、2本のフィンが入るボンネット下部の横長のスリット、大型リアウィング、ツイン化されたマフラーのテーパイプなどのパーツが装備される。

プレミアムブランド最小モデルながら、スポーティかつ快適な室内空間を実現

インテリアのテーマは、「コンパクトクラスで最もスポーティなインテリア」を実現すること。インパネなどがスポーティかつ高級感が漂うものに一新され、ディスプレイと助手席側のエアベントストリップは、ブラックガラス調のダッシュパネルと一体化。それらにより、「コクピット」という言葉がふさわしい空間となっている。

特に夜間のドライブは圧巻だ。オプションのマルチカラーアンビエントライティングパッケージは、30色のカラーから選べるLEDライトによって室内を立体的に浮かび上がらせる。

快適性も大きく向上した。『A1』はプレミアムブランドのクルマとしてはかなり小さな部類に入るモデルだが、車両の全長が56mm伸びたことで室内は先代モデルより拡大。とりわけリアシートは、頭上や足元も大人にとって十分なスペースを確保している。

ラゲッジルームの容量は先代から65L増え、標準時で335L、リアシートを倒せば1090Lに拡大する。ローディングハイト(ラゲッジ下端)が地上から67cmと低く設定されているので、荷物の積み下ろしも苦労せずに済みそうだ。

また、上級モデルゆずりの運転支援システムを装備し、安全性が高まっているのも『A1スポーツバッグ』の大きな魅力だろう。

レーダーセンサーの「アウディ プレゼンスフロント」は、霧などによって視界が悪くても、前走車や歩行者、自転車などを検知してくれる機能だ。オプションの「アウディプレゼンスベーシック」を選べば、緊急自動ブレーキ作動時にフロントシートベルトを引き締め、開いていたウィンドウを自動でクローズし、ハザードランプを自動で点灯させる機能を追加することができる。

前向きでの並列駐車が可能となった駐車支援機能の「パークアシストシステム」、リアビューカメラなども、地味ながら『A1』の進化を象徴するトピックだ。

さらに、最上級グレードにはタッチパネル仕様の10.1インチ「MMIナビゲーションプラス」を装備。「Audi コネクト」と連携し、目的地案内時にクラウドを介して常に最適なルートをガイダンスしてくれる。

新型『A1スポーツバック』のパワートレインは3種類の直噴ターボエンジン

パワートレインは、1.0L 3気筒の「30 TSFI」、1.5L 4気筒の「35 TSFI」、同じく1.5L4気筒の「40 TSFI」と、3種類の直噴ターボエンジンが用意されているようだ。

このうち、「35 TSFI」は最高出力150psを発揮し、シリンダーオンデマンドと呼ばれる気筒休止システムを搭載する。「40 TSFI」は最高出力200ps、最大トルク320Nmを発生するハイパワー仕様だ。組み合わされるトランスミッションは、デュアルクラッチ式の「Sトロニック」。「40 TSFI」が6速、それ以外は7速となっている。

また、新型『A1スポーツバック』ではオプションの「ダイナミックパッケージ」がエンジンバリエーションごとに用意される。パッケージに含まれるのは、レッドブレーキキャリパー、大径ブレーキディスク、アジャスタブルダンパー付きサスペンション、サウンドアクチュエーター、アウディドライブセレクト。言うまでもなく、よりスポーティに仕上げるオプションだ。

アウディのフルモデルチェンジは、見た目以上にパワートレインやデジタルまわりの進化が大きい。もっともコンパクトな『A1スポーツバック』にまで上級モデルと同じデジタルデバイスを備えたのは、アウディのひとつの流儀だろう。

こうして見る限り、MINIとの戦いに挑むのに申し分のない出来栄えだ。新型『A1スポーツバック』は、ヨーロッパでは2018年夏から受注を開始し、本国ドイツでのベース価格は2万ユーロ。日本円に換算すると約258万7657円(2018年7月29日現在)となっている。

Text by Taichi Akasaka
Photo by (C) AUDI AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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