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- 40男なら知っておくべき。快眠と食の関係 -

快眠は食事から。睡眠ホルモン「メラトニン」をつくる朝食メニュー

働き盛りの男性には、朝食はコーヒー1杯だけで済ませてしまう人も多いことだろう。しかし、栄養バランスの良い朝食をしっかり食べると、仕事のパフォーマンスが良くなるだけではなく、睡眠の質も向上させることができるという。快眠効果が期待できる朝食のとりかたについて、管理栄養士の宮﨑奈津季さんに聞いた。

今回のアドバイザー

宮﨑奈津季

管理栄養士/薬膳コーディネーター

医療食品メーカーで営業を経験したのち、独立。フードコーディネーターである倉田とフードユニット「ちゃあみー」を立ち上げ、「想いをカタチにする」をモットーに活動。レシピ開発や記事執筆、料理教室の企画運営、営業代行、商品企画・開発を行う。

しっかり朝食を食べれば眠りにつくころに睡眠ホルモンが体内でつくられる

快眠のカギとなるのは、夜に分泌され、眠気を誘発する「メラトニン」というホルモン。このメラトニンを分泌させるには、朝食をしっかり食べることはもちろん、眠りにつく時間から逆算して朝食をとることが重要だという。

「睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンは、必要な栄養素を摂取してから14時間後から16時間後に分泌されます。たとえば、朝7時に朝食とれば、メラトニンが生成されるのは21時から23時頃になります。つまり、体内でメラトニンを生成し、より良いタイミングで分泌させて快眠を得るには、朝食とその時間帯が重要になってくるのです」(宮﨑さん、以下同)

メラトニンがつくられるプロセスは少々複雑だ。より多くのメラトニンを生成するためには、まず体内ではつくられない必須アミノ酸の「トリプトファン」を食事から摂取し、それを日中に『セロトニン』という神経伝達物質に変えることが必要。宮崎さんによれば、メラトニンは次のようなプロセスでつくられるという。

「朝食から摂取した必須アミノ酸のトリプトファンは、脳内でセロトニンに変わります。セロトニンは別名『幸せホルモン』とも呼ばれ、心を落ち着かせてくれるほか、日中の覚醒をうながしてくれる物質。このセロトニンが夜になるとメラトニンに変化し、快眠に導いてくれるわけです」

だからこそ朝食をしっかり食べることが大切となるわけだ。朝食でトリプトファンを摂取しておけば、日中のセロトニンの分泌量が増え、それにともなって夜に分泌されるメラトニンの量も多くなる。

「トリプトファンがセロトニンに変わるときには、ビタミンB6が必要になります。そのため、朝食のメニューはビタミンB6を中心とした栄養バランスの良い食事を心がけると、より快眠効果が高まるでしょう」

快眠効果の高い朝食メニューは「大豆製品」「魚卵」「ヨーグルト」「ナッツ」など

具体的には、どのような朝食をとるべきなのか。じつは、朝食の定番メニューとされるものには、トリプトファンが豊富に含まれる食材が多く使われている。

「代表的なのは大豆製品や魚卵です。日本の食卓に欠かせない豆腐や納豆、味噌、卵やたらこなどにはトリプトファンが多く含まれています。『朝は和食が食べたい』という人なら、セロトニンの生成に必要なビタミンB6がしっかり入っている白米や焼き魚、豆腐と味噌が同時に摂れるみそ汁といったメニューがオススメ。さらに、出し巻き卵などの卵料理を加えれば、より多くのトリプトファンを摂取することができます」

もちろん、洋食にもトリプトファンは含まれている。「洋食派の人は、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品や、また、ナッツ類、ハチミツなどを組み合わせてとると良いでしょう」と宮崎さん。

「食パンにジャムやハチミツをつけ、牛乳や豆乳と一緒に食べれば、トリプトファンを効率よく摂取することができます。ヨーグルトにハチミツやナッツをかけるのも良いでしょう。『朝は果物を食べたい』という人には、トリプトファンを十分に摂取できるバナナがイチオシです」

朝食を食べないと快眠を得られないばかりか、心と体に悪影響を及ぼす!?

逆にいえば、こうした朝食をとらないことでトリプトファンが不足すると、セロトニンの分泌量が少なくなり、睡眠の質が低下してしまう。そうなると、心身に悪影響を及ぼすこともあるため、注意が必要という。

「セロトニンの分泌量が減少すると、寝つきが悪くなるばかりか、『ストレスに弱くなる』『疲れやすくなる』など、さまざまな不調を引き起こします。こうした健康リスクを回避するためには、朝に食欲がわかなかったり、時間がなかったりしたとしても、ヨーグルトドリンクを飲む、バナナを1本だけ食べてみるなど、少しずつ朝食を食べる習慣を身につけるようにしてください」

最後にアドバイザーからひと言

「睡眠の質を向上させるためには、体内時計のリズムを整えることも重要です。起きがけに太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、一日のリズムが調整されるといわれますが、朝食を食べることにも同様の役割があるのです」

Text by Yurie Matsumoto(Seidansha) Edit by Kei Ishii(Seidansha)