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第19回 | 40代からの身近な病気 内容と対策を知っておこう

「エナメル質を再生」させれば、一生自分の歯で食事ができる

加齢による体の衰えを感じることが増えてくる40代。歯の調子が悪くなってくるのも仕方のないこと…と諦めの境地に至ってはいないだろうか? 実は、歯の表面を覆うエナメル質は多少のダメージであれば再生することができるという。将来入れ歯などに頼らずに一生自分の歯で食事を楽しむためには、歯の曲がり角である40代のうちにエナメル質再生の意識を高めておくことが重要なのだ。今回は、青山デンタルクリニックの総院長・青山健一先生に、健康な歯をキープするための「エナメル質再生テクニック」を伝授してもらおう。
今回のアドバイザー
青山健一
歯科医
呉市出身、広島大学歯学部卒業。1992年に南青山デンタルクリニック開院して以来、2011年には日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設、2016年にはYou矯正歯科広島駅前医院を開院し、現在は全国7医院の総院長として精力的に活躍。『部分矯正とマウスピース矯正の魅力』(桐書房)、『よくわかる家庭の歯学』(桐書房)、『抜かない矯正の最新知識(改訂版)』(桐書房)など著書も多数。

人体で最も硬い組織・エナメル質も、虫歯菌の酸にはたじたじ

大事な体の一部でありながらも、普段まじまじと目にすることの少ない自分の歯。「そもそもエナメル質ってどの部分?」と疑問を持っている人のために、エナメル質の性質について青山先生に解説していただいた。

青山先生「歯は、エナメル質、象牙質、歯髄によって構成されています。歯髄は神経や血液が通っている部分で最も中心にあります。その次に象牙質という歯の主成分があり、一番表面をエナメル質がコーティングしている状態です。エナメル質は人間の身体組織の中で最も硬い組織。厚みは2~3mmほどあり、歯に対する様々な外部刺激から歯の神経を守る役割があります。

とても丈夫なエナメル質ですが、歯に付着したプラーク内の虫歯菌が酸を出すことで溶けてしまうのです。酸によってエナメル質が溶かされ象牙質までダメージが侵食してしまうと、痛みを感じたり歯が黒ずんだりするいわゆる“虫歯”となるわけです。またエナメル質は虫歯だけではなく、時には歯ぎしりや食いしばりなどにより欠けてしまう事もあります」

口腔内の酸性を改善して、エナメル質を復活させよう

虫歯菌の出す酸によって溶かされてしまうエナメル質ではあるが、きちんとお手入れをしていれば、傷ついた部分は再生可能だという。エナメル質が蘇るためにはどのようなことに気をつければ良いのだろう?

青山先生「歯には本来、『再石灰化』というエナメル質を再生する機能が備わっています。少々のダメージであれば、傷ついたエナメル質は元のように健康な状態を取り戻すことができるのです。そのためには以下のような習慣を心がけるようにしましょう。

●食事をした後そのまま放置せず、歯磨きをする
食後は口の中が酸性に傾いた状態です。酸性に傾いた状態が長時間続くと、歯の再石灰化が追い付かずにエナメル質が溶けてしまいます。

●糖分の多い飲み物や、酸性の飲み物を減らす
糖分が多い、または酸性の強い飲み物は、口の中を酸性にする働きが非常に強いため控えた方が良いでしょう。

●フッ素入りの歯磨き粉を使用する
フッ素には歯の再石灰化を促進する作用があります。それによって歯の歯質自体を強くする効果も認められています。

●キシリトール100%のガムを噛む
キシリトールは、虫歯菌が分解することのできない甘味料です。酸を作り出す事が出来ないため、歯が溶ける事を防いだり、虫歯菌の活動を弱めたりする効果があります。ガムを噛んで唾液の分泌を促進することで口腔内をリセットしましょう。
注意しなくてはいけないのは、市販のキシリトールガムには他の糖分が入っている事も多いということ。必ずキシリトール100%配合のガムを選ぶようにしましょう。

エナメル質が溶けてしまう原因は、口腔内が酸性に傾くこと。酸性の状態をなるべく作り出さない、または素早くリセットする生活習慣が、エナメル質の再生には必要不可欠なのです」

仕事で付き合いの多い40代男性の中には、「飲み会の後に酔っぱらって歯磨きしないでそのまま寝てしまう」という人も多いそう。しかし、「睡眠中は、唾液量が減って細菌が繁殖しやすい時間。口腔内の環境は最悪になるため、歯磨きをせずに寝るのは絶対にやめてください!」と青山先生は一喝する。

歯科での治療が苦手という人こそ、自然治癒力を活用したいもの。簡単なお手入れをサボった結果総入れ歯に…ということにならないよう、「生涯自前」を目指して日頃からエナメル質を労わる生活を心がけよう。

最後にアドバイザーからひと言

「歯はとても大切な組織なのに、一度抜けてしまうと二度と再生しません。一生付き合っていける丈夫な歯を作る為に、今始められる事から始めていきましょう!」

Text by Takumi Arisugawa

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