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- スーパーカーブランド【マクラーレン】 -

4台目の「LT」は驚くほど軽い──マクラーレン600LT

マクラーレンは、1963年にレーシングドライバーのブルース・マクラーレンが設立したF1界の名門レーシングチームである。そのロードカー部門として誕生したのがマクラーレン・カーズ、現在のマクラーレン・オートモーティブだ。当然、ライナップはどのモデルも桁違いのスーパースポーツばかり。そのなかでも、これまで3モデルだけが冠することを許された「LT(ロングテール)」という称号がある。初代は1997年の『F1 GTR“ロングテール”』。フロントとリアのオーバーハングの長さから「ロングテール」と呼ばれた。その後、「LT」の名称は『675LT クーペ』『675LT スパイダー』に受け継がれたが、今回、4モデル目となる「LT」がお目見えした。『600LT』である。

「LT(ロングテール)」の名を冠することを許された4台目のマクラーレン

マクラーレンのモデル名を示す数字は、そのまま最高出力を意味している。『600LT』は、最高出力600psというわけだ。従来のLTモデルである『675LT クーペ』『675LT スパイダー』の2台は主力の「スーパーシリーズ」だったが、『600LT』はエントリーモデルの「スポーツシリーズ」に属する。

「スポーツシリーズ」には、『540C』『570S』『570GT』がラインナップされる。しかし、『600LT』は約4分の1の部品を変更することで、それらのモデルとは一線を画す存在となった。なかでも驚きは、その軽さである。

独自のカーボンファイバー製シャーシに加え、『720S』に使用される軽量ブレーキシステムとサスペンションを導入するなど、『570S』に比べて車両重量を96kg軽量化。オプションを選択した場合、これまででもっとも軽い車両重量1247kgを実現した。搭載する8L V8ツインターボエンジンは、最高出力600ps、最大トルク620Nm。したがって、パワーウェイトレシオは2.08kg/psとなる。

パワーがあって軽い。そのとき重要になるのは、車体が浮き上がらないようにするためのエアロダイナミクスだ。『600LT』は、新しいフロント・スプリッター、サイドシル、大型ディフューザー、固定式リアウィングなどを装着し、250km/hで走行しているときのダウンフォースをほかの「スポーツシリーズ」のクーペより100kg増大させた。

『600LT』はスーパーシリーズに匹敵する動力性能を持った軽量スーパーカー

足回りには「スーパーシリーズ」と同じダブルウィシュボーン式サスペンションを採用。軽量のキャリパーやセラミックディスクを搭載したブレーキシステム、サーキット専用に開発されたピレリZero TROFEO Rタイヤを備え、「スポーツシリーズ」よりワンランク上の走りを実現している。

具体的には、最高速度328km/h、0-100 km/h加速は2.9秒と、その動力性能は「スーパーシリーズ」のLTモデルである『675LT』に匹敵する。ちなみに、この加速を止めるブレーキシステムは、フラッグシップの「アルティメットシリーズ」に名を連ねる『セナ』譲り。車速200km/hから117mで停止できるという。

マクラーレン・オートモーティブの最高経営責任者、マイク・フルーウィットはLTモデルの特徴を「エアロダイナミクスの最適化やパワーの増大、軽量化、サーキット指向のダイナミクス、ドライバーとマシンとの一体感の向上へのこだわり」と述べている。『600LT』は、まさしくこの言葉を具現化する動力性能を持ち合わせているわけだ。

『600LT』は1年間の期間限定生産モデル、1年を待たずにソールドアウト?

エクステリアは「スポーツシリーズ」を踏襲している。しかし、リアに特徴があり、トップエグジットタイプのマフラーを備えたエキゾーストシステムは非常にユニークだ。

インテリアでは、広範囲に渡って軽量のアルカンターラを使用。また、『P1』で初めて採用されたカーボンファイバー製のレーシングシートを採用した。

生産は期間限定となっており、2018年10月から約1年間。しかし、『675LTスパイダー』は生産予定の500台が2週間も経たないうちに完売しているので、『600LT』も1年を待たずしてソールドアウトするかもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) McLaren Automotive
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)