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第10回 | トヨタの最新車デザイン・性能情報をお届け

GRスーパースポーツコンセプト──雲上のスーパーカー

まさに悲願達成。2018年、トヨタは世界3大レースのひとつ、ル・マン24時間耐久レースで優勝の栄冠を勝ち取る。じつに、通算20回目の挑戦だった。トヨタにとって、ル・マンは敗者の歴史でもある。そのたびに改善を重ね、マシン性能の向上につとめた。ただ速いだけではない、どんなアクシデントにも対応できるクルマ。それが『TS050 HYBRID』だ。性能の高さは、ル・マンでワンツーフィニッシュを決めた圧倒的強さからもお墨付き。そんなモンスターマシンを市販車へと流用する計画が進んでいる。『GRスーパースポーツコンセプト』。いったい、どのようなクルマなのだろうか。

トヨタのル・マン優勝マシンと同じ主要パーツで構成されるモンスターマシン

筆者は『GR スーパースポーツコンセプト』の実車を1月の東京オートサロンで見たが、そのたたずまいは「レーシングカー」といわれても納得するスパルタンさだった。

それもそのはずだ。『GR スーパースポーツコンセプト』は、ル・マン24時間耐久レースで優勝したマシン、『TS050 HYBRID』とほぼ同じ主要パーツで構成されている。市販車両をレベルアップしてスポーツカーをつくるのではなく、現役のレーシングカーからスポーツカーをつくろうとしているのだ。

レースという実戦で鍛えられたV6ツインターボチャージャーや、トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)を搭載。パワーユニットは、高効率のEVシステムと希薄燃焼エンジンの組み合わせにより、究極のパワーと環境性能を両立した次世代のスーパースポーツカーを目指している。

まだまだ情報は少ないが、スペックからもその一端を垣間みることができる。排気量は2400ccで、ハイブリッドモーターと合わせたパワーユニットの最高出力は735kW(1000ps)。この1000馬力を可能な限りダイレクトに、そして扱いやすくしたという。

開発を担うのは、モータースポーツ活動を統括する「TOYOTA GAZOO Racing」

『GRスーパースポーツコンセプト』の開発は、トヨタの社内カンパニーのひとつである「TOYOTA GAZOO Racing」が担う。

「TOYOTA GAZOO Racing」は、トヨタのモータースポーツ活動を統括し、そのノウハウを活かしたクルマを開発して販売する。じつは、最近のトヨタはレース活動に積極的だ。WEC(世界耐久選手権)やWRC(世界ラリー選手権)などのトップカテゴリーをはじめ、国内ラリーやレースにも参戦している。

レースに参戦するのは、伊達や酔狂ではない。モータースポーツを通じてクルマを鍛え、人を鍛える「もっといいクルマづくり」に取り組んでいるのだ。

たとえば、WECに挑んできた目的は、レースに勝つためだけではなく、世界最先端のハイブリッド技術とEVシステムの開発を推進し、究極の環境性能と突出した走行性能を高次元で両立させることもある。その技術は、そのまま市販車へと受け継がれる。

それは、すでに具体的な成果として、モータースポーツ直系のスポーツカーブランド「GR」として展開されている。『GR スーパースポーツコンセプト』は、スケールが大きいものの、基本的にはこの考えを踏襲しているといっていい。

トヨタ史上最強スペックのスーパーカーの価格は、なんと7000万円オーバー!?

『GR スーパースポーツコンセプト』の価格は、噂では7000万円以上。もちろん、トヨタの市販モデルとしては史上最高額だ。現状、ライバルがいるとすれば、レーシングカーのシステムを搭載し、公道仕様のF1と呼ばれているメルセデス・ベンツの『AMGプロジェクトONE』だろうか。

さすがに「もしかしたら、買うことができるかも…」とは微塵も思えない『GR スーパースポーツコンセプト』。自分とは関係のない雲上の一台だが、市販化されたときにはやはり興奮してしまうだろう。

トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎は、こう述べている。

「オートレースに於いてその自動車の性能のありったけを発揮してみてその優劣を争うところに改良進歩が行われ、モーターファンの興味を沸かすのである」

まさに、『GRスーパースポーツコンセプト』は、すべてのカーガイの興味を湧かす一台だ。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) TOYOTA MOTOR CORPORATION
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
TOYOTA GAZOO Racing ル・マン24時間レース優勝の瞬間

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