40男、志向の一皿を求める/豊潤な食と空間を味わう新しい形のフレンチ
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豊潤な食と空間を味わう新しい形のフレンチ

予約のとれない店として知られるフレンチレストラン「フロリレージュ」。大きなオープンキッチンをぐるりとカウンターが囲む、いわば劇場型の客席レイアウトが、外苑前に移転したリニューアルオープン後の特徴となっている。選び抜かれた国産の食材を使ったコンセプチュアルなフレンチを、五感をフル回転させて味わう。新生フロリレージュは、美味しい料理とそれをいただく時間と空間すべてをまるごと楽しめる大人にこそふさわしいレストランなのだ。

オープンキッチンで食の空間そのものを楽しむ

開放的なオープンキッチンから生まれるざわめきと、鼻をくすぐる美味しそうな匂い。店に入った途端、それだけでワクワクした期待感に包まれる。広々としたカウンターには座り心地のいいローチェアが配され、まさに劇場のような雰囲気だ。

「これまでは、ただ目の前にある食材をいかに美味しく料理するかということだけにこだわっていたんですが、店をリニューアルした後は、食材を美味しく料理しながら“何を伝えるか”にこだわるようになりました」

そう語るのはオーナーシェフの川手寛康氏。日本ではあるラインを超えるとレストランがステイタスになってしまうことが多いが、本来は“食=幸せ”であるべき、というのが川手シェフの信条だ。そこで食に興味を持ち、食事をする空間そのものも楽しめるようになるきっかけになれば、というのがオープンキッチンを採用した理由だそう。

「料理人自らがサーブすることで、食材の生産者さんたちの思いを伝えることができますし、お客様には料理を作っている姿を見て楽しんでいただければ嬉しいですね」

“美味しい”の先にある“思い”。作り手はそれを伝えられるように、食べ手はそれを受け取れるように、それぞれが経験や興味を育てていける場でありたい。それが新生「フロリレージュ」のコンセプトなのだ。

旬の国産素材にこだわった個性派フレンチ

メニューはランチ7品(6000円)、ディナー11品(11500円)のコース。「出会い 鰹」「はしり 鮎」というように「題名と食材名」だけが書かれたメニューも、シェフが料理を通して伝えたいメッセージを表現する手段のひとつだ。
はこべなどの野草を衣にした若鮎のフリットに、さらに鮎の骨のビスクをかけた「はしり 鮎」など、その季節の山や川の香りがたっぷりつまった料理は、個性的な器を使った盛りつけも魅力的。長野県・藤井農園の完全無農薬野菜をはじめ、食材は国産にこだわっている。旬の素材を使うため、コースの内容も季節の移り変わりのようにゆるやかに変化していく。
日本ではまだめずらしいカクテル・ペアリングも、ぜひ試してみたい。白ビールにハーブを合わせたグリーンビールや、日本酒をもやしのジュースで割ったカクテルなど、川手シェフ曰く「料理のいい相棒になっていると思います」。

一品一品、丁寧に供される料理を、料理人たちとのやりとりも込みで味わう。濃密な二人の時間を楽しむディナーもいいが、ときにはこんな風に食事をする空間そのものを楽しむのも乙なもの。それができるのが本当の大人の男、ではないだろうか。

Text by Shoko Iwane