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冷えたビール、かき氷…冷たいものを食べると歯が痛む! 知覚過敏の原因と対策

夏本番を迎え、冷たいものが美味しい季節。キンキンに冷えたビールや、アイスクリーム、かき氷といった冷たいグルメを楽しむ準備は万端だろうか? 冷たいグルメを楽しむ前に整えておきたいのが、歯のコンディション。日本人の4人に1人が知覚過敏症にかかっているとも言われる今、「歯が痛くなるのでアイスは食べられない…」と我慢している人も少なくないのでは。そこで今回は、夏のグルメの大敵・知覚過敏の原因と対策について、南青山デンタルクリニックの総院長・青山健一先生に解説をしていただいた。

今回のアドバイザー

青山健一

歯科医

呉市出身、広島大学歯学部卒業。1992年に南青山デンタルクリニック開院して以来、2011年には日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設、2016年にはYou矯正歯科広島駅前医院を開院し、現在は全国7医院の総院長として精力的に活躍。『部分矯正とマウスピース矯正の魅力』(桐書房)、『よくわかる家庭の歯学』(桐書房)、『抜かない矯正の最新知識(改訂版)』(桐書房)など著書も多数。

熱いもの、甘いものもしみる…知られざる知覚過敏の症状とは

夏に冷たいグルメを楽しむためにも、なるべく治しておきたい知覚過敏。しかし青山先生によると、知覚過敏の大敵は「冷たいもの」だけに限らないのだとか。

青山先生「知覚過敏の代表的な症状といえば、『冷たいものを食べると歯にしみること』です。しかし、冷たいもの以外にも、熱いものや甘いものが歯にしみる場合もあります。虫歯と同じように歯にしみる症状ではありますが、その痛みは一時的。1分程度で痛みは治まってしまうため、歯医者に行かずにそのままにしている方も多いかもしれませんね。

このように、多くの罹患者がいながらもなんとなく放置されてしまいがちな知覚過敏ですが、その原因は様々です。その中でも、歯ぎしり、食いしばり、歯ブラシの強すぎる圧による歯質のすり減りなどは知覚過敏を招きやすい習慣と言えるため、心当たりのある人はこういった悪習慣を改善するように気をつけましょう」

原因によって違う知覚過敏の治療法。あなたの知覚過敏はどう治す?

ひとくちに知覚過敏といっても、その原因は多岐にわたる。知覚過敏を治したい人は、自身の症状に合った治療法を受けることが大切だ。

青山先生「やっかいな痛みの知覚過敏ですが、原因に合った治療を行うことで改善する場合もあります。

●歯と歯茎の境目の歯質がすり減ることによる知覚過敏
強すぎる歯磨きなどですり減ってしまった部分に、歯と同じ色の詰め物をすることで、痛みが改善するケースは多いです。

●歯肉退縮による知覚過敏
歯周病などによって歯茎が下がり、エナメル質で覆われていない歯の部分が露出してしみるというのは知覚過敏に多い原因のひとつです。歯茎が下がって露出した部分に保護剤を塗布することで改善されます。

●噛み合わせによる知覚過敏
噛み合わせが悪いと、歯の一部に負担がかかったり、歯周病を引き起こしたりして知覚過敏を引き起こすことがあります。このような場合は、矯正治療によってかみ合わせを根本的に改善することで、知覚過敏は改善します。

●歯のすり減りによって起こる知覚過敏
歯ぎしりなどによって歯がダメージを受けることによる知覚過敏は、これ以上進まないように歯ぎしりを緩和させるマウスピース等で対処療法を行う事は可能です。しかしこれはあくまでも、これ以上進行しないための緩和療法。何をしても知覚過敏が治らない場合は神経を抜けば治りますが、最終手段の処置となります。

また、ご自宅でできるホームケアとしては、市販の知覚過敏用の歯磨き粉やペーストを毎日使い続けることも有効です」

ホームケアがうまくいっているかどうかこそ、歯科検診で確認しよう

「歯医者に行くのは面倒だから、歯磨きを丁寧にすればいいや」と簡単に考える人もいるかもしれない。そんな考えを持つ人に対し、青山先生は次のように語る。

青山先生「知覚過敏は防ぐことができます。ご自身で歯磨きをする時の力を強すぎないようにする…といったことも予防に繋がりますが、どのくらいの力加減が適正なのかが分からない方もいらっしゃると思います。そのため、ご自身に合った予防法を知るためにも、まずは一度歯科医院を受診することをおすすめします。

正しい歯磨きの方法についての指導を受けることはもちろん、歯ぎしり、食いしばりが強い方は、ナイトガードという夜間に装着する歯ぎしり防止のマウスピースを作製することもできます。ご自身の知覚過敏がなぜ引き起こされてしまうのか、その原因判断することこそが、予防や治療の第一歩なのです」

痛みがすぐに収まる知覚過敏は、「わざわざ歯医者に行かなくても、ちょっと我慢すればいいや」という考えになってしまいがち。しかし、適切な治療を受けて痛みを感じない歯を取り戻した時、食事はもっと楽しくなるはず。この夏とことんグルメを楽しむためにも、現在知覚過敏らしき痛みを感じている人は一度歯科医院を訪れてみよう。

最後にアドバイザーからひと言

「冷たいものが歯にしみる場合、知覚過敏ではなく虫歯の場合もあります。まずは気軽に歯科医院を受診してください」

Text by Takumi Arisugawa