40男のMemories/YMOも愛したアナログシンセの名機、43年ぶりに復活
- 車でスマホで家で「音楽」にこだわるための逸品 -

Rydeenもこれで演奏。YMOが愛用したシンセサイザーが43年ぶりの復刻

かつて趣味で音楽活動をしていたという人だけでなく、単に音楽にハマっていただけという人にとっても、今なお見た途端にムラムラと購入を検討してしまう楽器があるのではないだろうか? コルグが復刻したARP ODYSSEY(オリジナル機の表記は「ARP Odyssey」)は、まさにそんなキラーアイテムだ。YMOはじめ名だたるミュージシャンたちが愛用していたことで知られる、アナログ・デュオフォニックシンセの歴史的名機である。

本家ARP社の創業者もアドバイザー参加した本気の復刻

1972年にアメリカのARP Instrumentsが発表した「ARP Odyssey」は、ほぼ同時期にリリースされたMoog社のMini Moogと甲乙つけがたい人気を博した。大がかりなモジュラーから簡単に持ち運べるコンパクトなシンセへ、という時代の潮流に乗りながら数々の有名ミュージシャンが使い続け、「あの曲のあのパートはどうもMoogじゃなくOdysseyらしい」などと、音楽好きの間で話題になったものである。
単音を加工するモノフォニック系でもなく、複数の音を同時に発することのできる高価(当時)なポリフォニックでもない、デュオフォニック(2音)シンセ。微妙なパーツや機能の違いで実は多様な「ARP Odyssey」が世に出たが、今回のコルグによる復刻では、代表的な3モデルの特徴的な音色合成をすべて再現できる仕様となっている。とはいえデジタル技術でクローン再現などという<なんちゃって>レベルではなく、あくまでもアナログな当時の音を回路レベルから再現。それもそのはず、元祖「ARP Odyssey」のデザイナーにしてARP社の共同創業者であるDavid Friend氏がアドバイザーとして監修しているのだ。

物欲のオクターブも強力にトランスポーズするハイスペック仕様

フィルター回路を<Rev1〜3>と呼ばれる3モデルぶんすべて搭載しており、スイッチで簡単に切り替え可能というだけでも、オリジナルを知る人には感涙モノ。さらに新機能としてDRIVEスイッチ(文字通り音をより過激にドライブさせる)が追加され、MIDI IN端子、USB-MIDI端子、ヘッドホン端子など現代的な入出力端子も追加されている。しかも、37鍵ミニ鍵盤を採用してオリジナル比86%のダウンサイジングを実現。つまりは機能面では過去の名機を集約して完全リファインしつつ、より軽量・コンパクトにまとめられているのだ。
なによりその見た目の機能美たるや圧巻。整然と並ぶスライダー、スイッチ、パッドの数々には、当然ひとつとして無駄はない。黒パネル×オレンジのRev3デザインが基本形だが、台数限定のバリエーションとして、シンプルで美しい白パネル(Rev1風)、黒パネル×金文字(Rev2風)も用意されている。ただし限定モデルは8月1日現在、すでに在庫僅少なので購入を検討している方はお早目にチェックを。市場価格は、それぞれ10万円(税抜)程度となっている。

学研の『大人の科学マガジン』では、電子楽器テルミン付録号は20万部以上の大ヒットを記録。エレキギターもアナログシンセも軒並み好調だという。そもそも<大人>と<楽器>がなぜか妙に相性がいいことの証だろう。買ってどうするアテもないし、などと冷静になってはいけない。かっこいいから手に入れて、いじり回し、遊び倒したくなる。ARP ODYSSEYはそんな欲望をストレートに刺激してくれるアイテムなのだ。

Text by Nin Onodera