男の嗜み見聞録/横山剣が着こなしで取り入れる“システム”とは?
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【横山剣に直撃取材】本人が語った衝撃かつ繊細なエピソードとは?

際立つファッションセンスで多くのフォロワーを生んできたクレイジーケンバンド横山 剣さん。横浜の悪めな大人たちに感化された彼のファッションに欠かせないのはサングラスだ。彼のファッションへのこだわりと、衝撃的かつ繊細なエピソードの数々を本人に聞いた。

ファッションは脳内にあるイメージに忠実に

「基本的に好きなものしか着ないんでね。だからその日の装いにインスパイアされて曲が生まれる…なんてことはないんです。ただ自分の好みのものを着て過ごしたいですよね。当たり前の感覚かもしれませんけど」

かくして剣さんの好みとイメージから“こんなんでました”で生み出されたこの日のお召し物は、ボートネックのインナーに、ホワイトデニムにスリッポン。白ジャケットでまとめ上げた、妄想の葉山リゾート仕様。ニューアルバム「まあすっかりあれなんだよね」をイメージしたスタイリングだとか。

「あんまりセンスがある方だとは思ってないんですけどね」と謙遜しつつも、剣さんは脳内にあるイメージを具現化するのだ。たとえば定番の帽子。
「白いのは『CA4LA』の社長さんと親しくさせていただいていて、特注で作っていただいたボルサリーノタイプ。ちょっとトロピカーノですね。紺色のものも『CA4LA』だったかな。でも『似合いそうなのを』といってセレクトしていただきました」

ときにはライブ中にお客さんからアイテムをゲット

そして剣さんといえば、忘れちゃいけないのがサングラス。ズラリと並べたお気に入りは、『レイバン』の“タレサン”ばかりだ。
「琴線に触れるものには、だいたい共通項がありますね。清潔感があってすこしギラギラしている。でもシンプルであってほしい。昭和のかっこよさみたいなものに憧れがあってね。そういったものばかりになってしまう」

なかでもひときわ大切にしているのが、「カザール」(下の写真の青いレンズのもの)。なんと、ライブのステージ上でお客さんと“物々交換”をして手に入れたデッドストックのレアモノだという。
「お客さんはわかってるんですよねぇ、好みが!」

50年モノのコートを、次の世代にバトンタッチ?

かくして剣さんの自宅のクローゼットには、そんな思い出の品々がたっぷり詰まっているのかと思いきや、「いや狭いんですよ」。

「だからあんまり買わないんで済むんです。詰め込みすぎると扉が閉まらなくなりますからね。だから中華街で母親がやっている何でも屋に持っていったり、年に1回やる(ファンクラブの)友の会サミットのチャリティーオークションに掛けたりしていますね」

それらはあくまで私服。ステージ衣装は事務所で管理をしているとか。

「今日みたいなオシャレは取材用ですから、普段は着させてもらえません。そこから普段着に格下げになるのを楽しみにしているんですね。そして月日が流れて、それも着なくなったら手放すというサイクルなんですよ」

“お下がりシステム”で、剣さんのオシャレは無駄なく回っているのだ。

「ただ、ずっと残っているものはあります。中2くらいから40年間持っているダッフルコートとか。いつか息子が大きくなったら着せたいですね。まだ5歳だから、正味半世紀モノになっているでしょう…嫌がるかもネ!」

Text by Masayuki Kisyu

Photographs by Kazuya Hayashi