男の嗜み見聞録/ “こだわらない”ファッションを愉しむ名脇役・近藤芳正
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“こだわらない”ファッションを愉しむ名脇役・近藤芳正

『ラヂオの時間』、『紙の月』など、日本を代表する“名脇役”近藤芳正さん。スクリーンや舞台では独特の存在感が光る近藤さんだが、プライベートファッションにも近藤流のコンセプトがあるという。5月公演の舞台『夜想曲集』の稽古現場で、詳しい話を伺った。

新しいアイテムが、仕事へのモチベーションを高める

近藤「いきなりで申し訳ないんですが、衣装に対するこだわりはそんなにないんです。でも自分で身につけるファッションは大好きなんですよ。ちょくちょく街に出かけて購入していますね」

インタビューしたのは舞台「夜想曲集」の稽古が行われる日。

近藤「今日はお気に入りを着てきました。ブルゾンもデニムも『45R』のものです。インナーも、かな。靴はもう15年くらい履いている『trippen』かな。パンツのシルエットが気に入っていて、素材違いでも揃えているんです。やっぱり新しい仕事が入ったときなど、気分を変えるために新しいアイテムを買うなんてこともよくありますね」

意外にも買い物道楽。近藤さんがチョイスするブランドとは?

よく行くショップは「45R」。染色など日本が誇る伝統技術を取り入れた、シンプルでていねいな作りが特徴のブランドだ。

近藤「こないだはお店の香りが気になって、使っているフレグランスを聞いて買いに行きましたよ」

ちなみにそれは「Santa Maria Novella」。ポプリに加え、オーデコロンも購入したとか。近藤さん、なかなかの買い物道楽といえる。

近藤「ただ最近は買っていないから、購入欲が溜まっていますね。そこでこないだAmazonで、稽古に使えそうなルームシューズを衝動買いしてしまいましたよ」

「衝動買いしたルームシューズ」で臨む最新の“お仕事”

というわけで、これを履いてまさに『夜想曲集』の稽古に臨むところなのだ。イギリスの作家カズオ・イシグロによる同名の短編集をベースに、ひとつの戯曲として再構成しているという。

近藤「3つの短編をひとつの物語に仕立てているんです。もともとなんとなくの繋がりはある話ではなんですが、ひとつのストーリーではないので、リンク感をどのように出すかを試行錯誤しています」

実際にその作業を行っているのは演出家の小川絵梨子さんと劇作家の長田育恵さん。ともに注目を集める気鋭の若手で、舞台に立つのは東出昌大さんと安田成美さん、そして近藤さん。さらに演じる舞台は天王洲銀河劇場。かなりの注目作なのである。

近藤「僕が演じるのは才能があるのに見た目が悪いせいで売れないサックス奏者。とあることから整形をすることになるんですが、術後で顔を包帯でぐるぐる巻きにしているシーンがほとんどなんです」

術後の病院内で、とあるセレブ(安田成美さん)と出会い、人生最大のチャンスをつかみかけるが…というストーリー。コメディタッチで軽快に、人生の“夕暮れ”を描く。

いい映画より、いい舞台はおもしろい!

近藤「今は本番の約2週間前。稽古できるのはあと10日くらいなので、追い込み作業です。しっちゃかめっちゃかに、はやし立てていかないとダメだぞ!…という段階ですね」

Amazonで衝動買いしたルームシューズを履いての努力が、どう実を結ぶかは劇場でのお楽しみ。

近藤「三谷幸喜さんが言ってたんですけど、“いい舞台は、どんないい映画よりもはるかにおもしろいんだと!”。僕もまったく同感。それを見極めていただくにも、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいですね」

近藤芳正の嗜み1

「45R」で購入したパンツ。生地感も色合いも涼しげだ

近藤芳正の嗜み2

Amazonで衝動買いしたという「Danke」のルームシューズ

近藤芳正の嗜み3

最近のお気に入り。コロンは「Colonia Russa」、ポプリは「Scatola Piccola」、ともに「Santa Maria Novella」