40男、至高の一皿を求める/三ツ星レストランも選ぶ 『醸し人九平次』の魅力
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三ツ星レストランも選ぶ 『醸し人九平次』の魅力

日本酒の人気が昨今、加速している。一時は売上、知名度ともに低迷していたものの、近年は造り手のたゆまぬ努力により酒質がめざましく向上。その代表的な銘柄のひとつが『醸し人九平次』だろう。日本国内はおろか、フランスの一流レストランのメニューにもオンリストされる世界的に著名になりつつある銘柄である。

ワイングラスで香りごと飲みたくなる日本酒

日本酒はいまや世界的にも注目を集めている。ユネスコ無形文化遺産に登録された和食とともに、日本酒を愛飲する海外の人たちも目に見えて増えてきているのだ。また、全国の蔵元が続々と海外へ出向き、地元の酒を売り込む流れも年を追うごとに活発になってきている。

その先陣を切ったのが、愛知県の萬乗醸造。全国的に銘柄『醸し人九平次』で知られる人気蔵元である。芳醇な果実を思わせるジューシーな味わいとクリアな酸味。そして、緻密で滑らかなタッチ。徳利と猪口でちびりちびり…というよりは、ワイングラスで香りごとじっくり飲みたくなる酒だ。

きっかけは9年前。15代目の久野九平治さんがパリのイベントに参加したときのことである。九平治さんがこう振り返る。

「現地の人に『あなたの酒は手造りの味がするね。ワインも最終的にはそういうものを選んでいる』と評価をいただき、驚きました。なぜなら、僕が先代から会社を引き継いだ後は機械まかせの大量生産から大幅に縮小し、手造りのスタイルに変えていった経緯があるからです」

もしかすると、日本酒でも手造りの『醸し人九平次』ならば、フランスでも受け入れてもらえるのではないか。そして、美食の都であるフランスで勝負し、この地で広く認知されるようになれば、新しいマーケットとして日本酒業界へのフィードバックにも繋がるのではないか…。

海外の一流店のソムリエにも広く知られる銘柄に

そう考えた九平治さんは、以来、ツテもコネもないままフランスの料理店、ホテル、酒屋を中心にすべて一から飛び込み営業を開始。ただ単に与えられたステージのなかではなく、あくまでも“現地”の人々に『醸し人九平次』を認めてもらいたい。本当にいいものならば、ジャンルを越えてフランスの人々に愛される酒になるに違いないと、地道な宣伝活動を続けていった。

現在では、フランスを中心とした数々の有名レストラン、ビストロなどのメニューにオンリストされ、一流店のソムリエにも広く知られる存在になっている。

「21世紀の日本酒を新しいステージに立たせたいという思いで活動しています。そして、ワインが日本の食文化に馴染んだように、将来的には諸外国の方々に愛される酒になってほしい。何より、日本酒は魅力的で価値あるものとして、日本の皆さんに再認識していただきたいのです」

ひとりの蔵元の熱い想いが国境を越え、今まさに世界を舞台に花開こうとしている。日本の風土が培ってきた日本酒の可能性は、無限大だ。

Text by Kiyoko Yamauchi