Ferrari(フェラーリ)488GTB
- スーパーカーブランド【フェラーリ】 -

F1の名門2チームによるストリートバトル

どのスポーツにも”名門”と呼ばれるチームがある。それはそのチームが、スポーツの歴史において重要な役割を長く果たしてきたか、あるいは飛び抜けて優秀な成績を収めて一時代を築いたことへ払われる敬意のような呼び名だ。そしてモータースポーツ、特に1950年に始まった近代のF1においては、フェラーリとマクラーレンがその筆頭と言えるだろう。

フェラーリとマクラーレン(Ferrari McLaren) そんな名門チームのフェラーリとマクラーレンが相次いで最新ロードカーを発表して注目を集めている。F1の名門が送り出すロードカーはもちろんスポーツカーで、この2台はカテゴリーも成り立ちも性能も重なる。サーキットでの戦いがストリートでも展開されることになるのだ。 Ferrari(フェラーリ)488GTB 「488GTB」これがフェラーリが発表した最新モデルの名だ。3.9リッターV8ツインターボエンジンをミドシップに搭載する。基本のレイアウトは先代の458イタリアを踏襲しているが、最大の変更点は、新型になってエンジン排気量が小さく、ツインターボで過給されるところにある。これは環境性能に配慮する近年のトレンド、ダウンサイジングターボと同じ考え方。4.5リッターから570馬力を生み出した先代のエンジンと比べ、3.9リッターから670馬力を生み出しながら燃料消費も大きく改善された。もちろん、ドライビングの魅力を削ぐことなく、それどころかパフォーマンスを向上させたうえで、である。 エンジン以外で、先代から大きく変わったのはデザインだろう。エンジンの吸気用とインタークーラー用のエアインテークがリアフェンダー前に大きく口を開いた。かつての308GTBのようなこのエアインテークによって、サイドビューの印象は大きく変化した。 マクラーレン(McLaren)675LT マクラーレンの最新作「675LT」は、同社のメインモデルである650Sをさらにパフォーマンスアップした特別モデルで、LTはロングテールを意味する。これはル・マンのような長いストレートを持つ高速サーキットを走るレーシングカーの、空力パフォーマンスを改善するために採用されたモディファイに範をとった古典的なアイディアだ。675LTは、サーキットでのパフォーマンスにも重きを置いた、フェラーリでいえば458スペチャーレのようなモデルということになる。 その立ち位置を反映するように、675LTはベースの650Sから広範囲にわたってモディファイが施されている。まずは名前のとおり伸ばされたテールを中心としたボディワークの変更。名門マクラーレンが手掛けるだけに、イメージ優先の修正ではなく効果を生み出すモディファイになっている。さらに、名前のもうひとつの要素、675が示すところの出力向上。エンジンの基本設計はこれまで使われてきた3.8リッターV8ツインターボだが、最高出力は650馬力から675馬力に向上している。マクレーレンはこのクルマを500台のみ生産する予定だという。 Ferrari(フェラーリ) この2台の性能が拮抗しているところはとても興味深い。F1という極限のレースフィールドで培われた数々の最新テクノロジー。そこからのフィードバックは空力や電子制御、エンジンマネジメントと多岐にわたるが、それらをストリートに落とし込み作り上げられた488GTBと675LHは、いま望みうる最高で最新鋭のスポーツカーとして、もっとも輝いている2台である。

Text by Koyo Ono