アストンマーティン
- スーパーカーブランド【アストンマーチン】 -

5台のアストンマーティンに見えた未来

アストンマーティンのまわりがにわかに騒がしくなったのは、ジュネーヴの自動車ショーを間近にひかえた2月からだった。それから1か月ほどの間に、立て続けに発表された5台のアストンマーティンを紹介しよう。

アストンマーティン Aston Martin Vantage GT3 「ヴァンテージ GT3」は、FIAのGT3カテゴリーのレースで活躍するレーシングカーにインスパイアされた、これまでのヴァンテージ・シリーズで最もパワフルなモデルだ。ヴァンテージSと比較してもその高性能は明らかで、6リッターV12エンジンは27馬力高められた592馬力を発生し、7速セミATのミッションと組み合わされ、マグネシウム、チタン、カーボンなどで100kgほど軽量化された車体は1565kgとなった。専用パーツも贅沢に奢られ、100台のみ限定生産される。 アストンマーティン Aston Martin Vulcan アストンマーティンが突然その存在を明らかにした「ヴァルカン」は、超高性能なサーキット専用モデルだ。アストンマーティン・レーシングで組み立てられるエンジンは7リッターの自然吸気エンジンながら800馬力以上を発生する。これはアストンマーティンからの、フェラーリFXX KやマクラーレンP1 GTRへの回答とも言えるモデルで、24台のみが生産され価格は2.5億円を超える。また、アストンマーティンによると、ヴァルカンのデザインは今後のアストンマーティンのデザイン言語を示唆してもいるという。 アストンマーティン Aston Martin DBX ジュネーヴでの自動車ショーで、事前情報なく発表されたのがこの「DBXコンセプト」だ。プロポーションはクロスオーバークーペとでも呼ぶべき背の高さで、4WDが想定されている。”想定されている”と書いたのは、アストンマーティンによるとDBXコンセプトにはまだ市販の予定がないためで、今回の反応次第で検討されるのだという。かつて、ラゴンダのブランドでSUVを模索したアストンマーティンだったが、ラピードにつづくラグジュアリー系モデルをラインナップに加えたい意向はまだあるようだ。 Aston Martin Lagonda Taraf Aston Martin Lagonda Taraf アストンマーティンがラゴンダのブランドで生産する4ドアセダン「タラフ」は、かつてのラゴンダ・セダンを彷彿とさせるデザイン要素が取り入れられたエクステリアが特徴だ。もともとは中東での限定販売モデルであったが、ヨーロッパでも200台のみの限定台数を販売するとアナウンスされた。ラピードとも異なる4ドアモデルとして、ヨーロッパでの反応が気になる1台である。 Aston Martin Rapide S "BEiT" Aston Martin Rapide S “BEiT” また、同社の日本法人設立にあわせて、英国大使館とのコラボレーションから「Q by Aston Martin」プログラムで特注したのが、この「ラピード S ”駐日本英国大使館仕様”」だ。イギリスのウィリアム王子が来日された際に、代官山蔦屋で展示していたこの車両に乗り込まれた様子は記憶に新しいだろう。日本における今後のアストンマーティンの活動に期待したい。 5台のアストンマーティンはいずれも異なる個性を持ったモデルながら、スポーツとラグジュアリーの両面での同社の更なる展開を期待させるモデルたちであった。

Text by Koyo Ono