大人の投資対象としてのクラシックカーに注目
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大人の投資対象としてのクラシックカーに注目

昨年、1962年式のフェラーリがオークション史上最高額の3800万ドル(約40億)で取引されたというニュースが話題になった。以来、金融商品として注目を集めているのがクラシックカー投資だ。そこで、投資対象としてのクルマの魅力を、自動車ライターの西川淳さんに教えてもらった。

■今回のアドバイザー
自動車ライター・西川淳さん

大学卒業後、株式会社リクルートに入社。中古車雑誌『カーセンサー』の編集を担当。『カーセンサー 関東版』の副編集長を務めたのち独立。現在はフリーランスの自動車評論家として『ゲンロク』『カートップ』『ロッソ』などの多数の自動車雑誌や自動車関連サイトで連載をもつ一方で、自身のメディア“CARZY”を立ち上げるなど、クルマ関係全般にて活躍中。

9.11以降、クラシックカーの価格が高騰

西川さん「今、クラシックカーの人気が急騰した背景にあるのは、“子どもの頃、クルマに憧れた世代”に経済的な余裕が出てきたこと。幼い頃に描いた『あのクルマに乗ってみたい』という夢を、今実現しようとしている人が多いようです。さらに、クラシックカー関連のイベントがこの数年で爆発的に増え、実際に見る機会が多くなったことも要因のひとつですね。

9.11テロ以降のアメリカで、金融商品以外の『利回りのいい現物資産』を探した投資家が、フェラーリを中心としたクラシックカーに注目したのも相場が急騰するキッカケとなりました。クラシックカーは減ることはあっても、決して増えることはありません。投資家たちが数の少ないモデルを中心に買いあさった結果、フェラーリに限らず貴重なモデルの相場も上がっていったんです。フェラーリやポルシェなどの、人気ブランドのなかでも生産台数が少ないレアモデル(※)になればなるほど、需要が供給を圧倒的に、場合によって10倍以上も上回ってしまいます。そういったレアケースが目立った結果、“絶対に損をしない投資”というイメージが作られたのも大きいです」

(※)一般的に、500台以内が最高価値、1000台前後が二番手、3000台前後が三番手と言われている。

少年時の夢をかなえたいクルマ好きミドルには絶好の投資対象

西川さん「クラシックカーへの投資の魅力は、“子どもの頃の夢が実現する”こと。さらに、実際に乗って楽しむ喜びも、クルマ好きにとっては何物にも代えがたいはず。クラシックカーのイベントに行けば、所有者同士の交流ができ、新たな人のつながりが生まれるという点も大きな魅力のひとつです。

そして、数年乗って楽しんでも価値が下がることはまずありません。それどころか、近年ではほとんどのクラシックカー(※※)や、ポルシェやフェラーリの旧世代モデルの中古車相場が上昇しています。いざ売るときには利益が出るという、コアなクルマ好きにはたまらない状況になっているんですよ」

(※※)ここでいうクラシックカーとは、1970年代以前のモデルを指す。

もっとも相場が熱い、フェラーリ市場

西川さん「今、相場が強気に推移しているのは、やはりフェラーリです。60年代以前になると最低でも5000万円以上はします。私自身、10年前に『250万円で買わないか』と言われたことのあるフェラーリが、先日5000万円で取引されたと聞き、腰を抜かしそうになりました。60年代が買えなくなれば、70年代、80年代、とターゲットが変わって行きます。今では、80年代のフェラーリの2座ミッドシップクーペで、1000万円以下で買える個体などほとんどありません。どれも、ほんの1、2年前までは、500万円以下で取引きされていたんですよ。

また、70年代以前の国産旧車の高騰も目立ちます。トヨタ2000GTは6000万円~1億円と、別格の高騰をみせていますが、ケンメリGT-Rやコスモスポーツあたりでも、海外オークションで2000万円以上を付けました。ごくフツウの旧車も、ここ数年で最低2倍以上の価値が付いていますよ」

あくまで「趣味として楽しむ」ことが大切

西川さん「クラシックカー投資をするうえで注意してほしいのは、過剰な期待をしないこと。乗ればメンテナンスが必要だし、事故に遭う危険もあります。コンディションを維持することが大切で、それなりにお金もかかるでしょう。“これに乗ったら儲かる”という安易な気持ちで購入するのはオススメできません。

今後の経済状況によっては、価格が下がるクルマもあるでしょう。事実、ヨーロッパでは投資ブームに冷静な傾向が出始めているようです。基本的に、生産台数500台以下の有名ブランド以外は常に下がる危険性があります。そこで損をした、と思わないためにも、夢が実現できて、乗って楽しんで、仲間も増えた、という時点で元は取ったと思わなきゃ。趣味としてクラシックカーを楽しめる人にはオススメです」

最後にアドバイザーからひと言

「“乗って楽しむ”という姿勢が大切なので、ぜひ憧れの好きなクルマに乗ってくださいね」

Text by Miki Ohnuki(Seidansha)

西川淳さんウェブサイト 西川淳さん(Facebookページ) CARZY