デザイナー植木莞爾の手がける住宅
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植木莞爾取材「虎ノ門ヒルズを作る時考えていた理想の住空間とは?」

2001年にアメリカでオープンしたアップルストア1号店。空間デザインを担当したのが、デザイナーの植木莞爾氏だ。これまでに商業空間のみならず、数々の住宅のインテリアも手がけてきた彼にインタビューを敢行。3回にわたって記事を公開する。最近デザインに携わった仙石山ヒルズや虎ノ門ヒルズの話から展開し、最後には本記事での公開用に、スティーブ・ジョブズへのプレゼンテーション用に作成したアップルストアのイメージ動画も提供してくれた。

都市型の住空間を理想的な形に仕上げるためには? 植木莞爾氏は、近年携わった仙石山ヒルズ、虎ノ門ヒルズという2つの森ビルのプロジェクトから話をスタートした。 デザイナー植木莞爾氏 インタビューに応える植木莞爾氏 植木「森ビルは“職住接近”という考えをベースにしています。なるべく近いほうがロスはないが、実際に東京の中心に住める人は限られている。そこで、住空間を都市に増やそうという考え方です」 2012年、仙石山ヒルズのレジデンスのロビーや「ヒルズスパ」、2014年には虎ノ門ヒルズのロビーと住居のインテリアをデザインした。 そのときに意識したのが、職場から住空間へ、つまりは、オンからオフへの切り換えだ。 個人の住空間を作る上でも、ヒントが多く隠されている。 仙石山ヒルズのロビースペースでは明るさを重視 大理石の床が決め手となる(仙石山ヒルズのロビー) 仙石山ヒルズのロビーは明るさにこだわり、床に大理石を採用した 植木「仕事が終わって家に帰るまでのアプローチはとても重要です。高級マンションのロビーなどでは御影石を使っていることが多く、それだと、会社の役員室のロビーと印象が変わりません」 「仙石山ヒルズのロビーでは、大理石を用いてスッキリした空間を心がけました。虎ノ門ヒルズでは、マンションやオフィスではなく、美術館のロビーをイメージしました。アート作品を展示して文化度が高い空間を作ることで、家に帰るまでに気分転換ができますよね」 家に入ったときに、玄関に自分の好きな絵などが飾ってあれば、気分は切り替わる。 植木「自分の好きなものを見つけて、それに囲まれて暮らすこと。それが楽しい住空間を作る原則です」 そう前置きした上で、氏はデザイナーとしてのキャリアをスタートしたイタリアの話へ。 次回、インタビューの第2回では、植木莞爾氏のキャリアと、上質な部屋づくりをするための家具選びなど、実践的な方法を紹介する。 芝浦アイランドで手がけたモデルルーム 芝浦アイランドで手がけたモデルルーム 芝浦アイランドのモデルルーム寝室 芝浦アイランドのモデルルーム寝室

Text by Ryohei Nakajima