NAIAS,スポーツカー
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いつの時代も、ショーの華はスポーツカー

毎年1月に開催されるNAIAS(North American International Automobile Show=北米国際自動車ショー)は、春のジュネーブ、秋のパリ/フランクフルトとは異なる北米らしいショーだ。ショーの華といえば世界共通でスポーツカーだが、それらも北米を意識したモデルが多く発表される。注目のモデルたちを紹介しよう。

デトロイトに出展されるクルマ、特にここでワールドプレミアになるモデルは、当然のことながら北米を市場やバックグラウンドに持ったクルマが多い。それはスポーツカーも共通で、今回のショーでもフォードのGTとシェルビー マスタング GT350Rなどにとっては最高の舞台となった。 NAIAS,スポーツカー フォードGT そしてもう1台、北米で開発されたスーパーカーがデビューした。アキュラ「NSX」。北米ホンダのブランドであるアキュラから発表されたのは、長く待たれていたNSXの市販仕様だ。北米ホンダ主導で開発された新NSXは、当初のアナウンスどおりV6ツインターボエンジンをミッドシップに搭載し、さらに前後にモーターを3つ配したハイブリッド4WDという独自の駆動系を持つ。エンジンは珍しい75度のV角をもつV6で、モーターとあわせて550馬力を生み出す。組み合わされるトランスミッションは9速のATとアナウンスされた。1990年代に彗星のごとく現れ、世界中から称賛を浴びた初代NSX。2代目も世界中から期待されている。 NAIAS,スポーツカー アキュラ「NSX」 また北米といえばオープンスポーツカーのカルチャー。デトロイトでも2台のオープンスポーツが発表された。1台はポルシェの911 タルガに追加された最もハイパフォーマンスな「911 タルガ4 GTS」だ。その名のとおり、タルガトップで4WDのGTS仕様で、ボディは2WDよりリアが22mmワイド。430馬力を発生する3.8リッター水平対向6気筒エンジンと6速ATが組み合わされる。ポルシェで、クーペでもコンバーティブルでもないタルガの佇まいを好む層にとっては、待ち望んでいた仕様だろう。 NAIAS,スポーツカー ポルシェ「911 タルガ4 GTS」 もう1台のオープンスポーツは、クライスラーを傘下に置きアメリカでの展開に力を入れているフィアット・グループから。アルファロメオは「4C スパイダー」の市販仕様をデビューさせる場所としてデトロイトを選んだ。基本的な構成はクーペの4Cと同様で、240馬力の1.75リッターの4気筒エンジンも変わらず。ファブリック製のルーフを外すとこちらもタルガトップになる。またオプションでCFRP(炭素繊維強化樹脂)製のルーフも検討されているという。心配されたオープン化による重量増は10kg程となった。 NAIAS,スポーツカー アルファロメオ「4C スパイダー」 最後に、日本メーカーからもスポーティモデルが発表されたので紹介しよう。日産は北米における上級ブランドであるインフィニティから「Q60 コンセプト」というクーペを発表した。これは既に展開しているQ60(日本ではスカイラインクーペと呼ばれる)の次期モデルで、新世代の直噴V6エンジンを搭載する。またトヨタのレクサスはスポーツセダン「GS F」を発表した。レクサスらしい迫力のあるデザインをまとったこのクルマには、5.0リッターのV8エンジンが搭載される。その出力はライバルのBMW M5やE63 AMGと比較するとやや見劣りするものの、それぞれに対して100kg以上軽量であることから、総合的なパフォーマンスでは充分以上にライバルになると思われる。 NAIAS,スポーツカー インフィニティ「Q60 コンセプト」(上)とレクサス「GS F」(下) NAIASには、欧州で開催される他のモーターショーとは異なる魅力がある。1年で最初のショーであること、北米という土地柄と大きなマーケットも関係するが、なによりアメリカらしいクルマへのアプローチが見られる。こうしたローカル色こそが各国のモーターショーの魅力でもあるのだ。

Text by Koyo Ono

Top Image:北米ホンダのブランド、アキュラから発表された「NSX」