フォード,NAIAS
- スーパーカーブランド【フォード】 -

デトロイトを席巻したフォードの3台

毎年1月に開催される1年で最初のモーターショーが、デトロイトショーと呼ばれるNAIAS(North American International Automobile Show=北米国際自動車ショー)だ。今年も1月12日~25日まで開催され、多くのニューモデルが発表されたので、注目モデルを紹介する。まずは今年のデトロイトで最も注目を集めたフォードの3台から。

今年のデトロイトショーでフォードが発表した3台は、それぞれのカテゴリーでアメリカを代表するモデルとなる3台だった。「GT」「シェルビー マスタング GT350R」「F150 ラプター」。これらは、フォードこそがアメリカを代表する自動車メーカーであると誇示するかのような、力強さにあふれた3台だった。 フォード,NAIAS フォード GT フォード GTは、言うまでもなく同社の伝説的な名車をオリジンに持つスーパーカーだ。600馬力まで出力を高めたV6ツインターボ「エコブースト」エンジンをリアミッドシップに縦置き搭載し、シャシーにはCFRP(炭素繊維強化樹脂)を使用する。アメリカ車を象徴するV8エンジンでないことに驚かされる一方、軽量化へのこだわりを感じる作りだ。生産を開始する2016年は、オリジナルのGT(通称GT40)がル・マン24時間耐久レースで初優勝した1966年からちょうど半世紀となるメモリアル・イヤーでもある。 フォード,NAIAS フォード GT GTの存在は、シヴォレーが開発中の次期コルヴェット(C8)がミッドシップ化されるのではと噂される中、とても興味深いポジションにある。これまで少数の例外を除いてリアミッドシップのスーパーカーがほとんど存在しなかったアメリカにおける、フォードとGMによるスーパーカー対決。そしてフェラーリやマクラーレンなどの欧州勢との覇権争いなど目が離せない。 フォード,NAIAS フォード シェルビー マスタング GT350R シェルビー マスタング GT350Rは、前述のGTとは対照的な“ザ・アメリカン・マッスルカー”。マスタングという国民的人気車に搭載されるのは、レーシングカーの技術を投入したV8エンジン。またカーボンホイールやスポイラーなどを採用するなどサーキット走行を見込んだ軽量化と空力開発もされている。 フォード,NAIAS フォード シェルビー マスタング GT350R ここでもやはりフォードの戦略的なモデル展開が興味深い。GTと次期コルヴェットの関係がそのままGT350RとカマロZ28に重なるからだ。ベース車両のクラスも同じでサーキット向けという特性も同じ。V8をフロントに積んだ後輪駆動というレイアウトも共通だ。キング・オブ・アメリカン・マッスルカーの座をとりにきたフォードの本気がうかがえる。 フォード,NAIAS フォード F150 ラプター そしてもう1台、フルサイズ・ピックアップのF150 ラプターがお披露目された。アメリカでは税制の優遇などからピックアップに絶大な人気があり、中でもフォードが1948年から製造するFシリーズは人気車種。そのFシリーズの最新モデルがこのラプターで、シャシーはアルミ製になり従来より200kg以上軽量化され、3.5リッターV6ツインターボ「エコブースト」エンジンと新開発の10段ATが搭載されるという。重くて遅いイメージをくつがえす“新世代のアメリカン・ピックアップ”といって過言でないだろう。 フォード,NAIAS フォードF150 ラプター これら3台は、いずれもアメリカを象徴するバックグラウンドと、アメリカを代表するパフォーマンスを併せ持ったモデルだ。デトロイトショーの中心的存在となったのは必然だっただろう。

Text by Koyo Ono

NAIAS report Vol.2 では、注目のSUV&ピックアップを紹介 Top image: 伝説的な名車をオリジンに持つスーパーカー、フォード GT