pixta_28224367_S_R(2)
- 40代からの身近な病気 内容と対策を知っておこう -

頻尿と思ったら実は? 心不全、糖尿病のおそれもある「多尿」に注意!

40代にもなれば「最近、トイレが近くて…」が、口癖になる人もいるだろう。しかし、その症状は“頻尿”ではなく“多尿”かも知れない。実は重大な病気が隠れている可能性もあるという多尿の症状や注意点について、専門医に聞いた。

■今回のアドバイザー
北上中央病院 泌尿器科 副院長
菅谷公男さん

筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学、秋田大学、旭川医科大学、ピッツバーグ大学と琉球大学で泌尿器科全般と排尿の基礎研究を行い、排尿障害治療と泌尿器超音波診断(エコー検査)が専門。現在勤めている、北上中央病院泌尿器科では泌尿器疾患全般の診療を行っている。

腎不全や糖尿病など、重大な病気が隠れている可能性もある多尿

そもそも頻尿と多尿、その症状の違いはどこにあるのだろう?

菅谷さん「多尿とは、1日の排尿量が多いことを指します。頻尿と混同されがちですが、頻尿は1回の排尿量が少ない場合もあるので、必ずしも“頻尿=多尿”というわけではありません。頻尿は、排尿回数が多くて困るという“気持ち”の問題が大きいのに対し、多尿は尿量で判断されるものです」

多尿は、大きな病気が原因の症状でもあるという。

菅谷さん「多尿は、腎不全、糖尿病や、体内の水分を保持できなくなる尿崩症などの病気が原因となっている可能性も考えられます。また、就寝時の尿量が多くなる夜間多尿は、高血圧、心不全、睡眠時無呼吸症候群などの症状の現れである場合もあり、注意が必要です」

1日の総尿量が正常時の倍になる多尿。1日の3分の1の尿量を就寝時に排泄する夜間多尿も

多尿は、具体的にどのように定義されるのだろうか。

菅谷さん「1日の総尿量が体重kg×40ml以上になると、多尿に定義されます。たとえば、体重が70kgの方であれば、1日に70×40=2800ml以上の尿を排泄していると多尿と診断されます。適性尿量は体重kg×20〜25mlなので、この場合の正常値は1400〜1750ml。多尿の方は、その倍以上になります」

また、夜寝ている間に尿量が多くなるのが夜間多尿だという。

菅谷さん「40〜50代の方であれば、夜間就寝中と起床時の排尿が1日の尿量の20%以上(高齢者では33%以上)を占めると夜間多尿と診断されます。たとえば、1日の尿量が2000mlの45歳の方が、その30%に当たる600mlを夜間+起床時に排尿していると夜間多尿といえます」

多尿かな? と思ったら、まずは飲水量を減らし、症状が改善されなければ病院へ

多尿が疑われる場合は、まずは飲水量を減らすべき、と菅谷さん。

菅谷さん「多尿の最も多い原因は水分の取り過ぎですが、水分を控えても排尿量が減らない場合は、病気が原因となっている可能性があります。心不全、腎不全、糖尿病などの病気が起因する多尿のときは、疲れやすかったり、下肢のむくみが見られたりという症状が同時に表れます。尿崩症であれば、口の渇きが見られます。もし心当たりがある場合は、泌尿器科に相談してみてください」

■最後にアドバイザーからひと言

「頻尿や多尿で困っている場合は、ぜひ1日の尿量を測って『排尿日誌』をつけてみて下さい。自分の尿量を客観的に見ることが大切です」

Text by Mai Tachikawa(Seidansha)