繝ュ繝シ繝ォ繧ケ繝ュ繧、繧ケ 繝輔ぃ繝ウ繝医Β竇ァ 逕サ蜒・1_R(2)
- スーパーカーブランド【ロールスロイス】 -

魔法の絨毯再び──ロールスロイス ファントムⅧ

ロールスロイスの創業者の一人、ヘンリー・ロイス卿が『ファントム』を発表したのは1925年のことだ。それから92年、『ファントム』は、常に「世界最高の車」であり続けた。巷では、その分野の最高峰をして「○○のロールスロイス」とよく形容されるが、『ファントム』はロールスロイスの頂点に君臨するだけに、「世界最高」もオーバーな表現でないだろう。そんな垂涎の一台が、14年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。

BMW傘下では初となるフルモデルチェンジを果たしたロールスロイス『ファントム』

『ファントム』は2つの歴史を持つ。ひとつは、「ロールスロイス」が製造した『ファントムⅠ』から『ファントムⅥ』まで。そして、もうひとつがBMW傘下となった「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」が製造した『ファントムⅦ』から『ファントムⅧ』までである。

今回、フルモデルチェンジした『ファントム』は、8世代目となる「Ⅷ」にあたる。じつに、14年ぶりの全面刷新だ。

ボディには、新しく「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用。これは、新世代のオールアルミ製スペースフレームボディで、軽量化とボディ剛性をそれぞれ30%向上。より静かで、乗り心地のよい居住空間を実現している。

「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」は今後、『ゴースト』『レイス』『ドーン』のロールスロイスの各モデル、そして、ロールスロイス初となるSUV『カリナン』にも用いられ、すべてのモデルに拡充していく予定だという。

このオールアルミ製スペースフレームボディはエクステリアの形状にも影響を与えた。パネルの結合部が大幅に減少することにより、まるでマテリアルから削り出したような一体感を醸し出しているのだ。

特に『ファントム』の象徴である「パルテノン・グリル」(言うまでもなく、パルテノン神殿を模したフロントマスクである)は、ボディと完全に融合。『ファントムⅦ』よりも大型化されたことで、ロールスロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」も旧モデルよりも約 1 cm高い位置に鎮座し、デザインも現代風となった。

また、目力のある印象的なヘッドライトには、夜間に600m以上先の路面を照らすことができる「レーザー・ヘッドライト・システム」が採用されている。

『ファントム』の観音開きのドアを開けると、そこに広がる世界の一流の贅沢な空間

現代風のデザインといっても、『ファントム』は『ファントム』。ひと目で世界最高峰の車であることを認識させる。

その秘密は、「パルテノン・グリル」や「スピリッツ・オブ・エクスタシー」をはじめとする、脈々と受け継がれたデザイン哲学にある。新型『ファントム』も、歴代が守ってきた2:1の比率や短いフロントとリヤからなる長いオーバーハング、直立したフロントと流れるようなリヤを踏襲している。

インテリアでは、『ファントム』の性質上、後席について触れなくてはならないだろう。この車ほど、オーナーが後席でくつろぐ車はないのだから。

伝統的な観音開きのドア、いわゆる「コーチ・ドア」を開けて室内に乗り込むと、世界の一流の贅沢な空間に抱擁される。以前の縦方向の解釈による視覚的な強調から一転し、シートの上部に強い水平要素を採用。幅広さ、快適さ、存在感を与えている。シートデザインは、有名なイームズラウンジチェアの影響を受けているという。

前席の後にはモニターを設置。さらに電動のリアピクニックテーブルも備えており、まるで飛行機のファーストクラスのシートのようだ。後部センターコンソールには、ウィスキーグラスとデカンター、シャンパンフルート、クールボックスを備えたドリンクキャビネットが組み込まれている。

進化した“魔法の絨毯”のような乗り心地、新型『ファントム』の価格は5000万円以上

もちろん、走行性能も世界最高峰。「魔法の絨毯」と称される乗り心地はさらに進化した。特に、ロールスロイスの代名詞というべき静粛性は大幅に向上し、時速100km以下での走行音は、旧モデルよりも10%低減されているという。

搭載されるエンジンは、最高出力563ps、最大トルク900Nmを発揮する新設計の6.75L V12ツインターボ。足回りには、フロントにダブルウィッシュボーン式、リヤに5リンク式が採用された。

このサスペンションは、最新世代の「セルフレベリングエアサスペンション」で、ボディやホイールの加速度、ステアリング操作、車載カメラからの情報を利用して、毎秒数百万回の計算を経て減衰力が調整される。この緻密さが「魔法の絨毯」の秘密の一端である。

日本仕様は未発表だが、『ファントムⅦ』の価格は標準ボディが5167万円なので、これを下回ることはないだろう。まさに限られた成功者だけに許される究極の一台。触れる機会はなくとも、カーガイならば教養のひとつとして、その存在と凄みを知っておきたい。

Text by Tsukasa Sasabayashi