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- 40代からの身近な病気 内容と対策を知っておこう -

どれくらいの回数から「頻尿」!? その定義と原因を理解しよう

年齢を重ねた男性なら、「最近、トイレの回数が増えた気がする…」と感じている人も多いはず。とはいえ、それが病院に行くほど深刻な問題なのか、判断するのは難しいもの。意外と知られていない「頻尿」の定義と原因を、泌尿器科医の菅谷公男さんに聞いた。

■今回のアドバイザー
北上中央病院 泌尿器科 副院長
菅谷公男さん

筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学、秋田大学、旭川医科大学、ピッツバーグ大学と琉球大学で泌尿器科全般と排尿の基礎研究を行い、排尿障害治療と泌尿器超音波診断(エコー検査)が専門。現在勤めている、北上中央病院泌尿器科では泌尿器疾患全般の診療を行っている。

1日●回以上が危険信号! 頻尿の基準とは?

まずは「頻尿」の定義を知りたいところ。一般的に、一日のトイレの回数が8回以上だと頻尿と言われているが…。

菅谷さん「医学的に、頻尿とは『排尿回数が多くて困る』状態を指します。そのため、明確に回数は決まっていません。何度も排尿にいくことで不都合が生じているなら、頻尿と言えるでしょう。

健康な人の1日の排尿回数は7回以下であることが多いため、医療現場では7回以下を問題のない排尿回数としています。生活様式の変化や飲食の関係もあるので、頻尿の疑いを持っても数日は様子を見ても良いと思います。ただし、頻尿に加えて残尿感や排尿時痛などあれば、すぐに医療機関を受診すべきです」

様々な原因から起こる頻尿。いちばんの原因は、やはり水分の摂り過ぎ!?

年齢を重ねるにつれ気になってくる頻尿。実際には、様々な原因が考えられるという。

菅谷さん「たとえば、頻尿を引き起こす代表的な疾患として、前立腺肥大症や慢性前立腺炎があります。また、緊張すると交感神経からノルアドレナリンが出て、尿意を感じる神経経路が刺激され、排尿回数が増えます。これを神経性頻尿と呼びます。ほかに、高血圧、心不全、糖尿病、睡眠障害、睡眠時無呼吸なども頻尿や夜間頻尿の原因になり得ます。しかし、頻尿や夜間頻尿の最も多い原因は、水分の摂り過ぎにあります。

水分の摂り過ぎと聞いても、そこまで深刻に思わないかもしれませんが、そんなことはありません。ポンプ機能としての心臓に負担をかけることになります。徐々に心臓機能を弱めていくため、夜間に2回以上排尿に起きる人は、そうでない人より生存率が低く、夜間排尿回数が多いほど生存率は低下すると言われています」

頻尿に加えて、残尿感や排尿時痛があったときは要注意! 受診の目安とは?

寿命にもかかわる恐れがあるという頻尿。自覚症状がある場合には、やはり医療機関を受診したほうがいいのだろうか?

菅谷さん「頻尿によってただちに健康に影響が出るかはわかりません。しかし、頻尿に加えて、残尿感、排尿時痛、下腹部不快感などがあれば膀胱や前立腺の病気の可能性も考えられるため、医療機関を受診すべきです。

泌尿器科を受診すると、まずは排尿関連の問診票の記載と、尿検査があります。膀胱炎などの感染症があれば抗生物質で治療し、尿意切迫感や切迫性尿失禁などあれば、過活動膀胱として頻尿・尿失禁治療薬などを使って治療します。水分の摂り過ぎが疑われたときには、2、3日の間、1回毎の尿量を記録する排尿日誌をつけてもらい、水分の摂り過ぎか否かを判別します。まれに、採血でナトリウム利尿ペプチド(BNP)を測定することがありますが、これは心臓の疲労の程度を示すもので、水分の摂り過ぎでも異常値になることがあります」

最後にアドバイザーからひと言

「周囲の人と比べて、排尿回数が多いと思ったときは、頻尿の疑いアリ。まずは生活様式を見直してみてください」

Text by Miku Nakamura(Seidansha)