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2017年秋冬のトレンドは? 伊勢丹バイヤーのオススメ紳士靴

オシャレは足下から。使い古された言葉ではあるが、足下にも抜かりなく気を配れる人には、やはりセンスが良い印象を受ける。スーツスタイルにはお決まりのように黒いストレートチップの革靴を合わせるのではなく、さりげなくトレンドを押さえる遊び心を加えたい。

そこで、伊勢丹新宿商品部・紳士靴バイヤーの中村良枝さんに2017年秋冬のトレンド、おすすめのシューズを伺った。

伊勢丹新宿商品部・紳士靴バイヤーの中村良枝さん

■キーワードは「コンフォート」

中村さんはまず、大きなキーワードとして「コンフォート(快適さ)」を挙げる。

「2010年代は長くスニーカーブームが続きました。ここへ来て売上は落ち着いてきていますが、依然としてラクな履き心地、どんなファッションにも合わせやすい汎用性を求める傾向は根強く、今後も続いていくものと思われます。そこで、この秋冬に注目したいのは、ビジネスシューズに“コンフォート”を掛け算したスタイル。履き心地がよく、1日中立ち仕事でも疲れない。それでいて、おしゃれに履きこなせるものですね」

その一例として中村さんが推奨するのが、スーツスタイルでも履けるスリッポンだ。

「伊勢丹では『紐からの脱却』としてスリッポンを打ち出しています。代表的なのは、甲の部分に房飾りがあるタッセルのスリッポンですね。スーツの足下に、このタッセルを各色で合わせていく。スーツにも、カジュアルなジャケットにも合わせやすいです。
左:<CAMPANILE/カンパニーレ>49000円 右:< CROCKETT&JONES/クロケット&ジョーンズ>79000円
あとは、ボリューム感のあるALDEN(オールデン)やBrooks Brothers(ブルックスブラザーズ)の靴にも注目ですね。スーツスタイルだけでなく、ポロシャツ、冬ならタートルネックといったカジュアルなスタイルでも、足下だけこうしたボリューム感があり、かつコンフォートな靴を履くことを提案していきたいです」

一方、秋冬にかけて気になる「ブーツ」についても“履きやすさ”を重視したものが登場してきているという。

「サイドゴアブーツをお勧めします。特に今季はショート丈がトレンドです。伊勢丹では、あまり高さがなく、パンツの巾と丈の長さのバランスを考えてあえてショート丈にしています。冬はスウェード素材の編み上げブーツもおすすめですね。こちらは、デニムなどのロールアップしたパンツと合わせるのもいいと思います」
手前2足:<CROCKETT&JONES/クロケット&ジョーンズ>79000円 奥2足:<PERFETTO/ペルフェット>53000円
また、正統派の本格紳士靴にも、「コンフォート」を掛け合わせたアイテムが登場しているという。

「イタリアの『FABI(ファビ)』というブランドです。履き心地のやわらかさで知られる“ボロネーゼ製法”で作られています。8月下旬からメンズ館にて本格展開しています。こちらは中にコルクと薄いクッションが入ったタイプ。触っていただくと分かるのですが、弾力性があって、ぐにゃぐにゃに曲がるほどのやわらかさが、包み込むようなとてつもない履き心地が凄いんです。革靴は硬くて苦手という方に、ぜひ履いていただきたい一足ですね」
<FABI/ファビ>76000円
紳士靴、さらに革靴となると、どうも堅苦しいものをイメージしがちだが、トレンドは遊び心やコンフォート感といった、「ライトに履ける」方向性に向かいつつあるようだ。

「履きやすい紳士靴」。ビジネスシーンだけでなく、普段使い用としても一足持っておくといいかもしれない。

text by Noriyuki Enami(Yajirobee)

photograph by Masahiro Kojima