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- 酒?料理?個室?目的別の接待の切り札店 -

接待の切り札に。錦鯉も泳ぐ庭の離れで食すそば会席「吉田家」

噛まずに喉で味わう。食べるのではなく手繰る。長っ尻せずさっと食べて席を立つ。そんな食べ方が粋とされる食べ物「そば」。そのためか、接待に使えるそば専門店というのは案外と少ない。日本料理の店で締めにそばを出す店はあるが、それでは「そば屋で接待をする」という願いは叶わない。ところが、こちら吉田家は、離れの個室までも備えたそば会席の店である。存分に「そば屋の接待」ができるのだ。

創業1856年。旧東海道に残る数寄屋造の名舗

吉田家は由緒正しい店である。1856年にはすでにあったことが、鮫洲の八幡神社の灯籠に寄贈の文字が刻まれていることからもわかる。
その後、旧東海道沿いの立会川(東大井)に場所を移すのだが、当時の立会川には土佐藩の下屋敷があった。数寄屋造の建物自体は、後の時代に建て直されたものだがきっとおそらくは坂本竜馬や山岡鉄舟も同じそばを楽しんだに違いない…。

離れ専用の扉を開けると、まず目にとびこんでくるのは刈り込まれた植木も美しい、錦鯉が泳ぐ中庭である。まずは、この非日常的な空間を楽しんでみたい。これもまた、この店が提供するひとつの“味”であろう。

さて、そば屋にきたのだし、板わさ、天ぬきあたりで昼酒と決め込もうとするか…いや、ここはそば会席の店であった。せっかくだから、人気のコースを楽しむとしよう。なお、今回のコース内容は7月のもの。月ごとに変わるのでそこはご留意いただきたい。
まず出てきたのは、先付けの岩ガキ。肉厚の身の弾力は容易に歯を通さない。その食感はもはやプリプリ、よりもブリンブリンといったところか。どこか新鮮な生レバーの食感を思い出したが、口に広がるのは濃厚な磯香りだ。つづくお造りも、新鮮な旨い刺身が並ぶがなかでも特徴的だったのが旬の食材ハモ。湯引きにして供されるのが一般的だが、新鮮なものを使っているので特別にタタキで食べることができる。湯引きの淡白な味わいとは違う、身の甘み、食感を楽しめるのだ。

しかし、なんといっても圧巻なのは天ぷらで出てくる大車海老だろう。わざわざ“大“とあるが、その名に恥じない大きさにまず驚かされる。そして、味に。大きくなると大味になってしまう食材もあるが、こと海老に関しては大きいは正義。甘みもプリプリとした歯ごたえも小さなものとは段違いである。

「私はそば屋だからそばには詳しいけれど、魚の目利きはできないわけですよ。だから、築地の信頼できる業者に築地で一番、といえるようないいものを持ってきてくれと頼んでいる。このサイズの車海老を常時あつかっている業者も少ないからね。常時出せている店は、おそらく東京で4軒ほどだと思いますよ」(店長の池田さん)

実はこの大車海老は、この店のもう一つの看板であったりする。確かに、これは名物たり得る味だ。

こだわり抜いたのは茹で時間? ここでしか食べられないそばの味

粉でもなく、打ち方でもない。茹で時間にこだわるとは、いったい何を言っているのかと思う向きもあるだろう。

こちらの粉は農林水産大臣賞を受賞したこともある、群馬の契約農家から取り寄せたもの。また、常に挽きたてのそば粉を使えるように、午前に一回、午後もそばが売れた量に合わせて数度、石臼で挽いている。つなぎも一切使わない十割そばである。だがしかし、その程度のものはすでにこだわりですらないようで…。

「いろいろ試した結果、そばは15秒茹でたものが、一番うまいという結論に至ったんです。よく季節や天候でつくり方を変えるというそば屋がありますが、うちは15秒の茹で時間は変わりません。粉の挽き方、加える水の量や、打ち方の方を変えているんです。また、15秒という短時間で茹で上げるには沸騰温度を高く保たねばならず、そのためにはそばが溶け込んでいない新しい湯である必要があります。だから、うちは10人前も茹でたらお湯を捨てていて、交代でゆでられるように、茹で釜も2つ用意しています。うちよりも有名なそばの店はいくつもあるけど、茹でるお湯にまで気をつかっている店がどれほどあるか。少なくとも釜を2つ用意している店は少ないのでは?」

こうした事情から、こちらの店の茹で汁は薄く、そば湯として飲むには適していない。実は「そば湯」として出てくるのは、そば粉をわざわざお湯で溶いたものなのだ。なお、つゆは一本釣りで取られたカツオを使った枕崎の本枯れ節が使われている。網で取られたものは、身が焼けてしまい質が落ちるという。もちろん、店で毎日、その日に使う分を削っているが、やはりこれはこだわりには入らないらしい。

さて、こうしてつくられたそばが、旨くないわけがない。のどごしのよさから、普段はどちらかというと二八そばを好む筆者である。しかしこちらのそばは、のどごしも非常に滑らかでありながら、香りと風味は十割そばのそれであることに魅力を感じた。
コースは、6000円から1万2000円までの4種類。離れの利用料は食事代の10%かかるが、これだけの料理を特別な空間で食べられると思えばかなりお値打ちと言えるだろう。希少な、そば会席という接待を一度試してみてはいかがだろうか?

Text by Masayuki Utsunomiya