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- 今からはじめるマラソン講座 -

初心者こそ気をつけたい!「マラソン」の魅力と注意点

ランニング経験者がいずれもれなく虜になるスポーツと言えば、マラソンだ。42.195kmもの長距離はミドルエイジにとってはかなりの負担に思えるが、マラソンの魅力とは、一体どんなところにあるのだろう? Japanマラソンクラブの深野さんに伺った。

管理栄養士・ジョギングインストラクター
深野祐子

Japanマラソンクラブの管理栄養士・ジョギングインストラクター。2007年よりJapanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行う。コラムの執筆やメディア出演、セミナー実績多数。

自分に自信が持てるようになる、達成感のあるスポーツ

健康に配慮する40代男性なら一度くらいはランニングを経験しているだろう。だがマラソンとなるとなかなかハードルが高いのも実情だ。

深野さん「ランニングだけでは得られないマラソン特有の感覚といえば、やはり達成感を感じられることでしょう。長い時間と長い距離を、自分の体一つでゴールへ向けて進む。シンプルかつ過酷ゆえ、ゴール後には日常行うランニングではなかなか味わえない種類の達成感と感動を得ることができます」


たしかにマラソンには、“元々運動が得意な人にのみ許されたスポーツ”というイメージがある。しかし意外にもマラソンにハマりやすいのは、どちらかというとスポーツが苦手だった人、と深野さんは語る。

深野さん「シンプルで、テクニカルな要素も少ないマラソンは、運動が苦手な人にとってうってつけ。誰とも競わず自分のペースででき、自分で目標も決めていい。大人になってから始めるスポーツでは、他のスポーツだとそう簡単に大会に出られない種目もありますが、マラソンは出たいだけ出ることができます。また何より、経験を積むにつれてどんどん走れるようになり、体形はスリムになっていき別人のように変わっていき、“運動は苦手”というコンプレックスが次第に解放されていきます。“できないことができるようになった!”の積み重ねによって自分に自信が持てるようになる感覚も、マラソンならではだと思います」

マラソンを通してライフスタイルが変わっていく

深野さんによると、マラソンは初心者にとってもかなり奥深いスポーツだという。

深野さん「マラソンはやればやるほど奥が深く、思い通りに簡単にはいかないところがまた魅力。楽しく走り続けるための研究をしたり知識を得ていくうちに、食事が健康的になり、自らの体に関心を持ち、『運動、栄養、休養』という健康の3大要素に自然と関心を持つことになります」

そして、なによりの醍醐味ともいえるのがマラソン大会への出場だ。

深野さん「楽しみにしている大会があれば、マラソンを継続していくモチベーションになるはずです。マラソンは今や、日本全国各地はもちろんのこと、世界中でもたくさん行われています。様々な土地や国へ行って走ることもできますし、旅のついでに街をのんびり自分の足だけで巡ることもできるようになります。百名山を登って制覇するように各地のマラソン大会を制覇する…なんていう大人の楽しみ方、挑戦もまた素敵ですね」

生涯スポーツとして一生マラソンを楽しむ準備をしよう

ここまでマラソンの魅力を紹介してきたが、始めるにあたって注意したいポイントもある。

深野さん「 “健康のために”という気持ちだけでマラソンを急に始めるのは少々早急かも。健康のためのランニングは、週2~3回、30分~60分程度行うことで、脂肪燃焼、代謝アップ、血のめぐりが良くなる…といった有酸素運動の恩恵を受けることができます。それに比べるとマラソンは、フルマラソンならば42.195kmもの距離を走る『スポーツ』。完走までにかかる時間は、一流選手で2時間前半(世界記録は2時間2分57秒)ですが、初めて挑戦する場合は6~7時間程度、もしくはそれ以上かかることも。体にも非常に負荷がかかるため、日ごろからのトレーニングはもちろんのこと、栄養補給や休息等もトレーニングの一環としてトータルに行っていく必要があります」

マラソン=健康運動、は非常に危険な見方。正しい知識と準備が欠かせないわけだ。健康のために始めたマラソンで、体が故障してしまう…なんてことのないよう、自分のライフスタイルにあった目標と計画を立てることに留意してほしい。

最後にアドバイザーからひと言

「健康や趣味のために何かスポーツをはじめたい!という方には最適なマラソン。個人でひっそり黙々とやるのもいいですが、同じ趣味の仲間を作りにスクールやクラブに入ると、新しい世界が広がりますよ。」

text by Takumi Arisugawa