【東京-北海道】地方移住で収入激減!林業&狩猟生活に転身した実例
- 第二の人生はのんびり田舎暮らし、地方移住の始め方 -

【東京-北海道】地方移住で収入激減!林業&狩猟生活に転身した実例

「地方移住=のんびり田舎暮らし」と考える人も少なくないと思うが、移住者のなかには、明確な目的を持ち、移住先でアクティブに活動する人もいる。北海道で地域おこしをしているBさん(35歳)に話を聞いた。

ガールズバー経営から狩猟を夢見て北海道へ

東京都渋谷区在住だったBさんは、IT企業に入社後独立して、渋谷と赤坂でガールズバーとカレー屋を営んでいた経営者。しかし、あまり仕事に精を出さず、派手に遊び歩いていたため、5年ほどで経営難となり、店舗を売却。その後、知り合いの伝手で新宿のホストクラブグループの広報をしていたという。

「たまたま知った狩猟に興味を持ち、実際にやってみたいという思いと、害獣である鹿や猪にはビジネスチャンスがあると考え、2016年7月に北海道芦別市へ移住したんです。引っ越しや新天地での家具や車など、なるべく安く抑えたので、費用は50万円ほどですみました」(Bさん、以下同)

金額の安い引っ越し業者を使う、車は知人経由で格安で譲ってもらうなど、移住費用を抑えたそうだ。

北海道の仕事は東京の3分の1以下の給料に

現在、市役所の嘱託社員として、地域おこし協力隊の活動をしているそうだが、いくつか悩みがあるという。

「林業の担い手として、日々現場で勉強しています。ただし、地域おこし協力隊で芦別市にいられるのは3年間限定のため、その後、芦別市で就職するか、またどこか他の地域へ行くか、東京へ戻るか考えなければなりません。いまのところ、芦別市で林業をしながら、東京とも接点を持てる仕事をしたいと思っています」

移住して約1年になるBさんは、すでに狩猟免許と銃所持許可も保有しているため、休日は移住目的のひとつであった獣や害獣駆除に足を運んでいる。

順調な移住生活に思えるが、給料は東京時代の3分の1以下になったため、切り詰めた生活を送っているそう。さらに、意外な落とし穴も…。

「東京から彼女とともに移住してきたのですが、1カ月前に“田舎はイヤだ、東京がいい”と言われ、別れてしまいました。若い女性にとっては、オシャレなお店もないし、病院なども不自由なので厳しかったんだと思います」

芦別市は野菜が美味しく、魚介はまずい?

そんなBさんに、ズバリ、移住してよかったことと悪かったことを聞いた。

「よかったことは、自然の多さです。芦別市は88%が森林ですし、林業をしているため、毎日トレイルランや森林浴をしているようなもの。だから、東京に住んでいたころよりも健康的になりました。仕事自体楽しいですが、やっぱり土日休みで17時に終わることはうれしいです。休日も近所の綺麗な沢で、焚き火をしながらカップラーメンを食べたり、山菜取りや釣りなど、季節のアクティビティを楽しんでいます。あとは、野菜の味が濃くてとにかく美味しいです」

ちなみにBさんの場合は、地方移住でよく耳にする「地域住民とのトラブル」もなく、野菜を分けてもらうなど、ほどよい距離感で付き合えているとのこと。一方で、悪かったことは…?

「居酒屋やバーなど、夜のお店がほぼないので、毎晩家で過ごしています。また、東京のころよりも収入が激減してしまったにもかかわらず、電気代やプロパンガス、灯油、水道代など、どれも東京と比べると割高で、支出が増えています。驚いたのは、魚介類の質です。北海道の魚は美味しいと思っていましたが、実際には…値段も高く、質も最悪ですね」

Bさんは、地域住民と良好な関係を築けているが、それでも狭いコミュニティゆえの苦労もあり、前述の彼女と破局した情報はすぐに知れ渡り、そば屋のおばちゃんが知っていたことには驚きを隠せなかったそうだ。

地方移住するなら目的を明確にすること

メリットもデメリットもありそうな地方移住。実際にするなら、どんなことに注意すべきだろう?

「移住や地方での暮らしには、意外とお金がかかるので、貯蓄は多いに越したことはありません。また、祭りの準備のような面倒なことも多いので、我慢して楽しむ心構えや年配の方とのコミュニケーション能力も大切です。地域住民には、尊敬の念を持って接すること。また、派手な服装や言動は、警戒されるので控えたほうが無難です」

最後にBさんは、「地方移住をするなら、“何がしたいのか”目的をはっきりさせていないと、すぐ都市部が恋しくなると思いますよ」と付け加えた。

テレビやネットから得た情報で、漠然と「地方移住がよさそう」という理由だけで、移住してしまうと失敗に終わるかもしれない。Bさんのように、美味しいだろうと思っていた食が口に合わない、パートナーが環境に耐えられないなど、想定外の問題が起こることも鑑みて、計画を練る必要がありそうだ。

Text by Yoshiharu Nako (KOUMUTEN)