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- 40男のメモリーズ -

大滝詠一“NIAGARA”の世界が“SHIPS”と融合

セレクトショップ「SHIPS」と、大滝詠一の「ナイアガラ・レーベル」によるスペシャルコラボレーションがスタート。限定のレコードボックスの発売や、エキシビションも開催される。

1975年にルーツを持つ2つの文化が融合

日本でも指折りのセレクトショップであるSHIPSの歴史は1970年にまで遡る。上野のアメヤ横丁で「MIURA」の屋号で輸入カジュアル衣料品の販売をスタートしたのがその始まりだ。その後1975年に渋谷で「MIURA & SONS」をオープンさせる。これが現在のSHIPSの前身となった。その後セレクトショップの雄として、日本のファッションカルチャーをリードしてきたことは言うまでもないだろう。

SHIPSが渋谷に店を構えた1975年、自身のプライベートレーベル「ナイアガラ・レーベル」を発足させ、その第一弾アルバム『NIAGARA MOON』を発表したのが大滝詠一だ。細野晴臣、松本隆、鈴木茂という日本を代表する才能溢れるミュージシャンとロックバンドを結成、1970年にバンド名と同名のアルバム『はっぴいえんど』(ファンにはジャケットに写った看板の文字から「ゆでめん」の愛称で親しまれている)でデビューした大滝は、はっぴいえんどでの活動中にソロ活動も開始、1972年にソロデビュー作『大瀧詠一』をリリースした。『NIAGARA MOON』はそれに続く2枚目のソロアルバムだ。
大滝のアメリカナイズされたサウンドやレコードジャケットなどは多くの若者に影響を与え、「MIURA & SONS」もその影響を受けていたという(70年代に店内でかけられていたレコードは西海岸のロックが中心だったが、大滝や細野の曲だけはかけてもOKだったそうだ)。それから42年経ち、SHIPSはザ・ナイアガラ・エンタープライズへこの2つの文化の融合を提案、賛同を得てコラボレーションが実現した。

大人の遊び心満載のボックス

今回のコラボレーションで発売される「NIAGARA x SHIPS COLLAVOX」は、7インチのアナログレコードとメイド・イン・USAのナイアガラコラボTシャツ、ナイアガラポストカード(3枚セット)、そしてこれらをひとつにまとめるスペシャルBOXにはナイアガラの滝、月、そして帆船のイラストが描かれている、と細部まで凝った仕上がりになっている。それもそのはずで、ナイアガラ・レーベルのロゴやアートワークを数多く手掛けていたグラフィックデザイナーの中山泰が担当しているのだ(中山は1970年に眞鍋立彦、奥村靫正と立ち上げた、はっぴいえんどやY.M.O.などのジャケットを手掛けた伝説のデザイナー集団「WORKSHOP MU!!」での活動でも知られる)
選曲は“SHIPS”だけに、A面に滝の音が入っている『ナイアガラ・ムーンがまた輝けば』、B面には波音が聞こえる『夜明け前の浜辺』をカップリングするという「水」に関係したトラックがチョイスされるなど、大人の遊び心が満載だ。なお3000セット限定、5月30日からSHIPSの各店舗やECサイトなどで発売される。
また今回のコラボレーションを記念して5月29日から6月23日の期間、SHIPS 渋谷店にて「NIAGARA x SHIPS Art Exhibition」を開催する。『NIAGARA MOON』を始めとしたナイアガラ・レーベルのデザインや、中山泰のアートワーク、その他秘蔵アイテムも展示されるという。
膨大な音楽に関する知識を持ち、日本独自の音楽である音頭や演芸などにも魅せられて研究するなど、日本の音楽シーンに大きな影響を与えた大滝。そして欧米のトレンドを伝えながらも、日本人の持つ美意識に合うスタイルを提案し、そのファッションセンスを変えてきたSHIPSのコラボレーション。バックグラウンドや歴史を噛み締めながら、じっくりと楽しみたい。

Text by Tamotsu Narita