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BMW S1000R──大人も愉しめるストリートファイター

ストリートファイター、略称「ストファイ」とは、フルカウルのスーパーバイクレーサーからカウルを取り去り、公道を走るための最小限の仕様にしたバイクことだ。このカルチャーは1980年代のヨーロッパで生まれ、その後世界中に広まっていった。各メーカーも近年、ストファイ仕様のニューモデルを発表している。BMWモトラッドが送り出した新型『S1000R』は、車体とエンジンにスーパーバイク『S1000RR』のDNAを受け継ぎながら、初心者からリターンライダーまで愉しむことのできる、大人のためのストファイだ。

短距離に挑むアスリートのクラウチングスタートを想起させるBMW『S1000R』の外装

『S1000R』のコンセプトは「真髄だけを残し、他をそぎ落としたロードスターで最大限のパフォーマンスを」と、明快で簡潔そのもの。しかし、単に『RR』からカウルを外し、スペックダウンさせただけの安易なものではない。そんなことはBMWのプライドが許さない。クローズドサーキットではなく、一般車が走り、路面の状態が刻々と変化する公道で、いかに安全で快適に、もちろん速く走るかを追求したモデルとなっている。

まず外観では、テールの上がったウエッジシェイプや最小限にとどめられた外装が、短距離走に挑むアスリートのクラウチングスタートを想起させる。個性的な左右非対称デザインのヘッドライト、それを収めた独特なカウルには、ネイキッドバイクにはない、計算されたデザインが潜んでいる。

搭載するパワーユニットは、『RR』に由来する直列4気筒1000ccエンジンをさらに最適化。スムーズなトルクがあらゆるエンジンスピードレンジにおいて得られるようチューンされた。スペック的には、10000rpmあたりの出力が165ps/121kW、最大トルク114Nm/9250rpmで、前モデルに比べて5馬力アップしている。この5馬力の余裕がライダーに笑顔をもたらすことだろう。加えて、ライダーの所有感をくすぐる「HPチタンサイレンサー」が標準装備されていることも見逃せない。このチタン製サイレンサーも相まって、車重は『RR』よりも2kg軽量の206Kgとなっている。

『S1000R』の価格は約170万円、初心者もリターンライダーも満足させる機能と装備

走りの面でぜひ紹介しておきたいのが、ボタン一つで『S1000R』の走りを変化させる機能、「ライディングモード」を標準搭載していることだ。

「Rain(レイン)」モードは穏やかなスロットル反応を示し、「Road(ロード)」モードではスロットル反応の最適化により、ABS(アンチロック ブレーキ システム)が乾燥したアスファルトに適応してくれるのだ。さらに限界を目指すライダーには「Dynamic(ダイナミック)」「Dynamic Pro(ダイナミック プロ)」の2つのProモードを用意。これらの設定が、ライダーが目指した最高の走りを可能にしてくれる。

この機能に加えて、『S1000 R』はコーナリング時の安全性を確保するABS ProとDTC(ダイナミック トラクション コントロール)を標準搭載。このコンビがどんな局面でも、優れた加速力と減速力を保証してくれる。このABSは、走行中にスイッチのオン・オフ切り替えが可能なため、止まる必要がなく、継続して好みのライディングが愉しめるのだ。
オプションとして、「HPシフトアシスト」というクラッチを使わずシフトアップが可能となる装備もある。こうした電子デバイスの恩恵は、バイク初心者をベテランライダーに、ベテランをプロ級のライディングに高めてくれるだろう。

『S1000R』がBMWモトラッドの製品群でロードスター・ファミリーに属しているのには、こうした理由があったのだ。初心者もリターンライダーも満足させる機能と装備、そして走りは、バイクの新たな世界を垣間見せてくれる。価格は169万9000円(税込み)。

Text by Katsutoshi Miyamoto