石垣島移住者に聞く!地方移住してみてよかったこと・悪かったこと
- 第二の人生はのんびり田舎暮らし、地方移住の始め方 -

石垣島移住者に聞く!地方移住してみてよかったこと・悪かったこと

スローライフやロハスといった“ゆったりとした健康的なライフスタイル”が注目されるようになって久しい。事実、国土交通省の「国土交通白書 2015」によると、都市住民(40代)の農山漁村への定住願望は、2005年では15.9%だったのに対し、2014年では35.0%へと伸びている。では、実際に地方移住した人は、どのような暮らしをしているのだろうか?

東京から石垣島へ“駆け落ち”移住したAさん

2014年に東京から石垣島へ移住した40代男性のAさん。東京生活時代は、フェラーリ『カリフォルニア』やメルセデス・ベンツ『GL550』、トヨタ『プリウス』の3台の車を保有し、自ら会社を興し、経営者としての手腕を発揮していた。しかし、今から10年ほど前、経営していた企業を某上場企業にM&Aで売却後、様々な経緯を経て、石垣島へ移住。

「事業売却後は、一般企業には属さず、数億円の売却資金を原資として、証券投資活動をしながら東京にて妻と子ども2人の4人家族で生活しておりました。東京でも日々自由な生活を送っていましたが、ある時期石垣島に新築マンション竣工の案内を受け、以前より憧れだった南国での拠点にと、別荘利用のつもりで即決購入したんです。それと同時期に、別の女性と交際していたことが妻に発覚し、駆け落ち的な形で東京の家に家族を残し、急きょ私とその女性の2人で、何の準備もなしに石垣島に移住しました」(Aさん、以下同)

当初は地方移住をするつもりはなかったAさんだが、思いがけない出来事をきっかけに移住を決意。石垣島に移り住んだのち、奥さんと離婚。誰もいなくなった東京の家は、Aさんが帰省した際の拠点にするため、そのままにしているという。

現在は、石垣島で投資家として生活をしているそうだが、具体的にはどんな暮らしなのだろう?

「証券投資といってもデイトレードのように、毎日パソコンに張り付くような投資手法ではありません。そのため、自由な時間も多く、年間●億円以上の投資収益を元手に、昼はマリンスポーツ、夜は知人との会食の日々を送っております」

投資で収益を出しつつ消費活動も活発に。そのため、島で様々な人とつながる機会に恵まれ、いまでは多くの知人と、楽しい島生活を満喫しているという。また、観光地として人気がある石垣島ゆえ、頻繁に知人が旅行で訪れることも多いそうだ。

そんなAさんに、地方移住をして“よかったこと”と“悪かったこと”を聞いた。

「先に述べた通り、移住したおかげで以前から憧れていた綺麗な海に囲まれて、好きなマリンスポーツを堪能でき、東京生活ではここまで広がらなかったであろう、知り合いの輪が広がったことがよかったです。悪かったことは、東京に住む高齢化した両親を近くで見てあげられないこと。他には、離島のため洋服や食材などの買い物に制約ができてしまうことや好きなゴルフをする機会が減ったことです」

自然に囲まれた離島生活は、都市部生活にはない良さがある半面、やはり、デメリットもある。Aさんの場合は、2カ月に1週間程度、定期的に東京へ帰省するだけの貯蓄があるからこそ、離島生活のデメリットも許容の範囲で、毎日のんびりとした暮らしを実現できているのだろう。もし、貯蓄にそれだけの余裕がない家庭が、石垣島へ移住したとしたら…?

「石垣島で就職しようとすると、サービス業などの求職はたくさんあるものの、賃金がフルタイムの正社員でも年間所得200万円に満たない場合もあり、全国水準に比べ非常に低く、ほとんどの家庭が共働きです。ある程度の貯蓄がないと、“のんびり”とはいかないのではないでしょうか。とはいえ夫婦で移住して、郊外に飲食店を開店し、ささやかに生活している方はいくらかいらっしゃいます」

石垣島をはじめとした沖縄県への移住に憧れを抱く人は少なくないだろう。しかし、現実はそう甘くはなく、リスクヘッジできるだけの貯蓄や移住後の安定した収入が必要不可欠だ。しかしAさんは、重要なのはお金だけではないという。

「地方では、生活上不便なことも多いので、できるだけ地域の知り合いを増やしたほうが、困ったときに助けてもらえるので生活しやすいと思います」

将来、地方移住を考えているなら、Aさんのように数億円の資産とはいかないまでも、貯蓄を増やし、地域住民と交流できるだけのコミュニケーション能力は身につけておいたほうがいいかもしれない。

Text by Yoshiharu Nako (KOUMUTEN)