世話焼きがストレスに…地方移住にありがちな人付き合いトラブル
- 第二の人生はのんびり田舎暮らし、地方移住の始め方 -

世話焼きがストレスに…地方移住にありがちな人付き合いトラブル

アーリーリタイアやセミリタイアなど、定年を待たずに仕事を離れる生き方が注目を集める昨今、40代男性のなかには「地方移住をしてストレスフリーでセカンドライフを始めたい」。そう考える人もいるだろう。しかし、「地方移住をしたら余計にストレスが溜まった」という話を耳にすることがある。はたして実態は…?

■今回のアドバイザー

一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)
田染賢一郎さん

企業と自治体が協力し、新たな移住・交流ビジネスの創造、地域の活性化を目的とした組織、移住・交流推進機構(JOIN)事務局に在籍。

洗濯物が勝手に畳まれている親切心

どこに行っても人混みでせわしなく感じる都会に長く住んでいると、たまに行く地方がのんびりとしていて、ストレスが少なそうに思えるが、実際はそうとは限らないと一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)の田染賢一郎さんはいう。

「地方では助け合いの文化が残っているところもあり、地域の方から移住者のプライバシーに立ち入るような世話焼きをされたことが、ストレスとなった移住者もいるようです。干していた洗濯物が畳まれて置かれていたというような方もいるようで、都会のようにプライバシーが守られている生活に慣れていると、ギャップに驚かれるかもしれません。また、地域内に存在する暗黙のルールを知らずに、トラブルになってしまった場合もあるようです」(田染さん、以下同)

地域のルールについては、「町内会や自治会には必ず入会する」「地域の清掃活動や地域内での冠婚葬祭の手伝いをする」などのケースが挙げられるそうだ。

防犯面の理由から、「家に表札をつけない」、「引っ越し先で隣人に挨拶をしない」といった行動をとる人も多いこのご時世。たしかに、洗濯物が勝手に畳まれているような行為や地域活動への強制参加は、プライバシー主義の都市部生活者にとってはストレスに繋がってしまいやすいだろう。

トラブル予防には地域のことを知ることから

前述のようなトラブルが起きてしまう原因について、田染さんはこう話す。

「移住者が地域コミュニティの雰囲気を理解せず、自分のやりたいことや理想を一方的に追求することにより、住民とトラブルに繋がるケースもあるようです。まずは地域のことをできるだけ知り、都会と田舎の常識の違いを理解することが大切かと思います」

とはいえ、いくら地域事情を調べ、気を使っていたとしても、トラブルが起きてしまうこともあるはず。万一トラブルが起きてしまったら、どう対処すればいいのだろうか?

「町内会長や自治会長など、信頼のおける地域の人にトラブル相談してもよいかもしれません。トラブルを大きくしないように、間に入って仲裁をしてくれ、アドバイスを受けられる場合もあります」

トラブルが起きないことに越したことはないが、もし、何か問題が発生したら、一人で悩んでストレスを抱え込むよりも周りに助けを求めたほうが、理想的な暮らしに近づくかもしれない。

地方移住には臨機応変に対応できるコミュニケーション能力が必要

では、どんなタイプの人が地方移住に向いているのだろうか?

「地方は近所の人との関わりが強く、居住地の人間関係が生活に大きく響いてきます。人付き合いのうまい方、人の気持ちを考えられる方は、比較的うまく地域に溶け込むことができるかと思います。また、理論立てたお話ばかりされると、煙たがられる場合もあるかもしれません。移住する地域の雰囲気に応じて、臨機応変に対応できる方が向いているかと思います」

ネット上では、「人が倒れていても声をかけないのが東京」などと、都市部の人付き合いの希薄さを揶揄されることもある。都市部の常識は、地方では通じない。そう肝に銘じて移住をしたほうがいい結果になりそうだ。

Text by Yoshiharu Nako (KOUMUTEN)