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- 40男、至高のグルメガイド -

伝統の味・神戸ビーフを伝統の街で味わう──銀座『神戸プレジール銀座』

次々と新しいランドマークが誕生し、進化を続ける銀座。4丁目の交差点にそびえ立つ、目を引くデザインのビルGINZA PLACE(銀座プレイス)最上階の「神戸プレジール銀座」は、海外にも熱烈なファンが多い神戸ビーフを存分に堪能できるレストランだ。

鉄板焼き、しゃぶしゃぶ、せいろ蒸しで味わう神戸ビーフ

「神戸プレジール銀座」は、JA全農兵庫が、神戸ビーフや但馬牛、野菜、米、酒などすべての食材の地産地消を目指して直営する「神戸プレジール」の2号店として2016年10月にオープン。本店と同様に、兵庫の食材をメインに、神戸ビーフ/但馬牛の鉄板焼きやしゃぶしゃぶ、せいろ蒸し、そしてアラカルトメニューが楽しめる。
神戸ビーフとは、兵庫県で生産された但馬牛のなかでも厳しい基準をクリアした牛肉だけに与えられるブランド名。その特徴はやはり、細かくサシが入った美しい霜降りだ。海外でも人気が高いため、この神戸ビーフを常に安定して提供できる飲食店は非常に限られているが、JA全農兵庫が1100頭の但馬牛を所有しているので、「神戸プレジール」に来れば必ず神戸ビーフを味わうことができるのだ。

一番人気の食べ方はやはり、シェフが目の前で焼いてくれる鉄板焼きだ。味付けを極力控えて好みの焼き加減でサーブされた肉を、各客に配される薬味(おろし大根、丹波黒大豆味噌、本わさび)とソース(ポン酢、粒マスタードと塩麹が入った玉ねぎソース、竹炭塩)を自由に組み合わせていただこう。ちなみに支配人のおすすめは本わさび+竹炭塩だ。神戸ビーフの脂の旨味と甘みを際立たせつつ、さっぱりとした後味が絶品だ。
鉄板焼きのコースはランチ3種類(5,800円〜)、ディナー4種類(13,800円〜)。神戸ビーフか但馬牛か、また肉の部位によって値段が異なるが、いずれにせよその味とボリュームの満足度の高さに、「この料理を銀座の他店で食べたら倍はする」とゲストが感想を漏らすのも納得のコストパフォーマンスの良さ。

肉が目当ての客が多いからこそ、コースに含まれるサラダや焼き野菜を食べたほぼ全員が「野菜がおいしい!」と驚きの反応を見せるという。兵庫は淡路島の玉ねぎがその生産量の多さで全国的に有名だが、その他少量生産のため関東にはなかなか入ってこない野菜も豊富に取り揃えられているのはJA全農兵庫直営店の強みだろう。
肉も野菜もたっぷり食べたいという女性客や、そのパフォーマンスが海外からの客人に好評なメニューがせいろ蒸し(ランチ3種4,800円〜/ディナー3種13,800円〜)だ。18種類の旬の野菜をしきつめたせいろと、淡路産たまねぎの上に薄切り牛肉(100g)を並べた2つのせいろを蒸し上げる。甘く蒸しあがった玉ねぎを牛肉で包み、つけるたれはさっぱりとした「ポン酢」と、卵黄をだし汁で割った濃厚な「黄身だれ」の2種。しゃぶしゃぶ(価格はせいろ蒸しと同様)をオーダーした場合、この黄身だれが胡麻だれにスイッチする。

ゆっくりと時間をかけて、五感で歓びを満喫する

132坪の店内は、牛と兵庫県にちなんだラグジュアリーな装飾で統一されている。エレベーターを降りると牛皮で作った兵庫の地図が飾られ、40名まで着席可能なダイニングへと続く絨毯は牛の角をモチーフにしたデザインになっている。壁にはその日に食べられる神戸ビーフと但馬牛の個体識別番号が額に入れて掲げられ、メインダイニングの壁には写真家の野村佐紀子氏が撮り下ろした神戸の写真が飾られている。鉄板焼き用の個室の換気扇カバーには、神戸の花あじさいのモチーフがあしらわれている。特等席はやはり、銀座三越や和光ビルを見下ろす眺望が広がるスペースにある、鉄板を囲む14席のカウンターだ。食事を終えたら、サロンスペースへ移動し、食後のお茶やデザート、食後酒などをゆっくりと楽しめる。
アルコールのラインナップは、ワイン、日本酒、ビール、ウイスキーなど幅広い。ワインはフランス産がメインで、セラーには常時200種600本がスタンバイしている。迷ったらマキシム・ド・パリとジョエル・ロブション出身のソムリエにマリアージュの相談にのってもらおう。日本酒は、兵庫で67%を生産している酒米・山田錦を使用している銘柄を中心に70本が並ぶ。神戸で収穫されたシャルドネのジュース(900円)や、神戸ワイナリーのブランデーをソーダで割った「神戸プレジールハイボール」(1,000円)も試す価値は大いにある。
「銀座」「ビルの最上階」「神戸ビーフ」というキーワードに、初めて来店する人は緊張してしまうのは当然だろう。しかし、一度着席してしまえば、形式張らないフランクなサービスと素材の味を活かした料理が少しずつ緊張を解いていき、ランチで2時間、ディナーで3時間かけて食事を終えたとき、店名が意味する「歓び」を五感で味わっているはずだ。変わりゆくこれからの銀座で長い年月愛されるであろうこの店の、常連になっておかない手はない。

Text by Kazumi Kera