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ジュネーブショー2017――珠玉のスーパーカーたち

スイスの西の端にある小さな街、ジュネーブで毎年春の訪れとともに幕を開けるジュネーブモーターショー。世界5大モーターショーで唯一毎年行われるこの自動車ショーは、おもにスイスという立地的事情から、世界に名だたるプレミアムカーから一部の超富裕層のみを顧客とする少数生産のスーパーカーまで、超豪華なクルマが数多く展示されることで有名だ。特に近年は、フェラーリやランボルギーニがここでニューモデルをワールドプレミアするのが恒例となっている。2017年も3月1日から19日にかけてジュネーブモーターショーが開催され、様々なスーパーカーがお披露目された。そのなかから「珠玉の3モデル」を紹介しよう。

「世界最速のスーパーカー」を謳うランボルギーニの『ウラカン ペルフォルマンテ』

フェラーリと並び、ジュネーブモーターショーの主役ともいうべきランボルギーニ。2016年は、創業者の生誕100周年というメモリアルイヤーだったことから40台限定の100周年記念モデル『チェンテナリオ』を発表したが、今回お披露目したのは『ウラカン』をベースにした量産車の『ウラカン ペルフォルマンテ』。ランボルギーニいわく「世界最速」の高性能モデルである。

車名にある「ペルフォルマンテ」は、イタリア語でパフォーマンスを意味する。この名の通り、『ウラカン ペルフォルマンテ』は、自動車開発の聖地であるニュルブルクリンク北コースで2016年10月に量産車最速となる6分52秒01をマークした『ウラカン スーパーレッジェーラ』の市販バージョン。全長約21kmに及ぶこのコースで最速タイムを叩き出すのは、公道最速の証でもある。

注目は、「フォージドコンポジット」という革新素材を用いたリアウィングを装備し、この素材を多用して車体を40kg軽量化したこと。そして、このクルマのために開発された「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)」という新しい空力装備の導入である。電動モーターによる可動式フラップを備え、速度、コーナリング、ブレーキングに応じてバリアブルに空力特性を変化させ、あらゆる高速域での安定性を約束する優れもののシステムだという。

『ウラカン ペルフォルマンテ』の価格は発表されていないが、通常モデルの『ウラカン』の新車価格は約2970万円(税込み)。これよりも大幅にプライスアップするのは間違いない。欧州では2017年夏以降の納車が予定されている。

マクラーレンの新型モデル『720S』は「誰でもドリフト走行を愉しめる」新機能を搭載

マクラーレンは、『650S』の後継モデルであり、「スーパーシリーズ」の2世代目にあたる『720S』をお披露目した。頂点に立つ「アルティメットシリーズ」は2013年に限定モデルの『P1』が375台生産されただけなので、この『720S』がマクラーレンの事実上のトップモデルとなる。

『P1』を彷彿とさせたスタイリングを一新したのもさることながら、注目すべきはマクラーレン最大の特色といっていいカーボンモノコックを刷新し、新開発の「モノケージⅡ」と呼ばれるセンターモノコックを採用したことだ。これにより、『720Sは』先代の『650S』に比べて18kgも軽量化。また、新モノコックによってエンジンの全高を低く抑えたことで、ミッドシップスーパーカーの弱点のひとつだった斜め後方の視界が良好になったという。

心臓部もエンジン部品の40%以上を刷新。排気量が従来の3.8Lから4.0Lに拡大されたV8ツインターボエンジンは、車名が示すように最高出力720ps/7250rpmを発生し、0-100加速は2.9秒、最高速度は341km/hに届くという。

さらに、なんといっても注目は「可変ドリフトコントロール」だろう。これは、ドライブモードで「スポーツ」「サーキット」を選択すると、ドライバーがダイヤルで自在にドリフトアングルを設定でき、手軽にドリフト走行を愉しむことができる新機能。ドライビングテクニックに自信がなくても安全にドリフト走行が愉しめるという、極めてエンターテインメント性の高い装備だ。

すでに『720S』は日本導入が決まっており、ジュネーブでのワールドプレミアの翌日には早くも上陸してジャパンプレミアされた。価格は3338万8000円からで、日本国内で早くも20台以上のオーダーが入っているという。

フェラーリが発表したのは新たなフラッグシップモデル『812スーパーファースト』

フェラーリはジュネーブで毎年、必ずといっていいほどニューモデルを発表する。しかも、今回のジュネーブモーターショー2017でフェラーリが世界初披露したのは、2012年に発表された『F12ベルリネッタ』のレガシーを受け継ぐ最強モデル。つまり、フェラーリの新たなフラッグシップモデルである。

『812スーパーファースト』という名が与えられたそのクルマは、完全新設計の6.5L V型12気筒エンジンを搭載。最高出力800ps/8500rpmという驚異のパワーを発生し、0-100km/hはわずか2.9秒、最高速度は340km/hに達するという。

また、フェラーリといえば、『F40』『F50』『エンツォ フェラーリ』などのスペチアーレが「ミッドエンジン・後輪駆動」であることから、MRのイメージが強いが、『812スーパーファースト』はV12エンジンをフロントミッドに搭載する「フロントエンジン・後輪駆動」のFR方式を採用。それにより、ロー&ロングのフロント、中間から後部にかけて盛り上げるキャビンという独特のスタイリングを実現している。さらに、フェラーリ初の電動パワーステアリングを搭載したこともトピックのひとつだろう。

価格や発売時期、日本への導入時期などは未定。おそらく、秋の東京モーターショーまでにはそれらの情報がアナウンスされるはずである。
世界各国の自動車ジャーナリストの間では近年、年が開けるとデトロイトモーターショー、世界最大級の家電見本市「CES」をめぐるのがひとつのルーティンになっている。そして、春の訪れとともにスイス・ジュネーブに渡り、この別次元の「スーパーカーショー」で眼福を味わう。

SUVが人気を集め、クルマがITデバイスに近づいていこうとも、ここジュネーブモーターショーでの主役はいつだってスーパーカーなのである。2018年のジュネーブでは、いったいどんな超弩級のスーパーカーがお披露目されるのだろうか。

Text by Tetsuya Abe

Photo by (C)gims.swiss (C)Ferrari S.p.A.