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- 大人のための最新自動車事情 -

フルサイズSUVを愉しむ——新型エクスペディション

ひと口に高級SUVといっても、そこにはオーナーの用途によってさまざまなバリエーションが存在する。正装してパーティーに乗っていくならラグジュアリーSUVに勝るものはなく、海や山を走り回るならタフで走破性の高い生粋のオフローダーが最適だ。では、家族や仲間とともに長い距離を移動するならどんなSUVがいいか。その答えは「フルサイズSUV」。広大な北米大陸を快適に移動するために作られたフルサイズSUVは、ロングドライブでこそ真価を発揮する。2017年2月、フォードのフルサイズSUV『エクスペディション』が15年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。日本では正規ルートで手に入らないフォード車だからこそ興味を抱かざるをえない、大人の男のための陸のクルーザーだ。

最上級SUV『ナビゲーター』と基本メカニズムを共有する新型『エクスペディション』

エクスペディションは、1996年に発表されたフォードブランドのフルサイズSUV。「フルサイズSUV」とは、全長5m以上、全高2m前後というケタ違いに大きなボディサイズと広大な室内を特徴とするアメ車のSUVである。

エクスペディションのベースとなっているのは、フォードの顔ともいうべきピックアップトラックの『Fシリーズ』、通称「Fトラック」だ。Fトラックは長年にわたって「アメリカでもっとも売れている自動車」の座を守り続ける大ベストセラーで、アメリカではクルマの代名詞的存在となっている。

また、エクスペディションは、高級車ブランド「リンカーン」の最上級フルサイズSUV『ナビゲーター』のベースにもなっていて、基本メカニズムを共有する。ナビゲーターのようなラグジュアリーさこそないものの、クルマとしての基本性能では最上級SUVであるナビゲーターと大きく変わらない。

新型エクスペディションは、高強度の鉄骨フレームにアルミニウム合金のボディを組み合わせることで、先代モデルより重量を300ポンド(約136kg)ほど軽量化。エンジンは、先代に続きフォードの環境エンジン「エコブースト」を採用した3.5L V6ターボを搭載し、10速ATを組み合わせた。アメ車と聞くと、大排気量のV8エンジンを思い浮かべる人が多いかもしれないが、すでにベースのFトラックも2010年ごろからダウンサイジングにかじを切り、3.5L V6ターボのエコブーストエンジンを採用している。

走行モードは「エコ」「スポーツ」に加え、「芝生」「砂利」「雪上」を設定。さらに、アメ車のSUVらしく「牽引」モードまで設定されているのがユニークだ。下の写真でエクスペディションが牽引しているキャンピングトレーラーは、美しいアルミ製ボディが特徴的な『エアストリーム』である。

先進の安全機能を装備し、快適性が向上した新型『エクスペディション』の広い室内

長距離移動で真価を発揮するフルサイズSUVだけに、安全性能や室内装備も大きく進化している。なかでも、注目はBLIS(ブラインドスポットインフォメーションシステム)やACC(アダプティブクルーズコントロール)といった先進のドライバーアシスト技術の導入だろう。

BLISは、走行中にルームミラーやドアミラーの死角となる左右斜め後方の情報をレーダーセンサーがキャッチし、車体後方に他車などが接近するとドアミラーに内蔵したインジケーターを点灯させて知らせてくれる機能だ。ACCは、前方の車両と一定の車間距離を保ちながら、設定速度に従って加減速を自動で行い、長距離走行時などでドライバーの負担を軽減してくれる。

室内空間の快適性、利便性も向上した。2列目シートには、座面を跳ね上げてダッシュボード側へ前進させることでウォークスルーも可能とするチップアップ&スライド機構が装備され、チャイルドシートを外さなくても3列目シートにアクセスできるようになった。3列目シートにはリクライニング機能を備え、足元には大人がくつろぐことのできるスペースが確保されている。
家族や仲間と長時間かけて移動しながら、それほど疲れず、むしろその時間が愉しいものになるのは、ゆったり広々とした室内を持つフルサイズSUVならではのもの。それでいて、たくさんの荷物を積むこともできるのである。

惜しむらくは、フォードが日本市場から撤退しているため、正規ディーラーを通じて新型エクスペディションを購入できないことだ。ただし、アメ車のフルサイズSUVを扱う専門ディーラーなどを通じ、本国仕様の新車を並行輸入で手に入れることはできる。

新型エクスペディションは「XLT」「リミテッド」「プラチナム」の3グレードが設定され、すべてのグレードでロングボディ仕様を選ぶことが可能。並行輸入による新車価格相場は、グレードによって異なるが、およそ700〜950万円といったところだ。エクスペディションは日本ではそれほど知名度のないモデルだけに、家族と出かけるロングドライブでは注目を浴びるに違いない。

Text by Kenzo Maya