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ボルボS90――限定500台が日本上陸する旗艦セダン

2016年初頭の北米国際オートショーで、フラグシップセダン『S80』の後継モデルとして発表されたボルボ『S90』。日本での導入が待ち望まれていたが、ステーションワゴンの『V90』、このV90から派生した『V90 Cross Country(クロスカントリー)』と合わせて、2月22日から発売が開始された。

北欧神話のトール神が持つハンマーをモチーフにしたボルボ『S90』のフロントマスク

「90シリーズ」は、将来の電動化やコネクティビティ、自動運転等を見据えて開発された新世代プラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」、さらに自社開発の新世代パワートレーン「DRIVE-E(ドライブ・イー)」が採用された、新世代ボルボを牽引する旗艦モデルだ。ワゴンモデルが『V90』、クロスカントリーモデルが『V90 Cross Country』、そして、セダンモデルが『S90』となる。

『S90』のエクステリアは、まるでクーペを思わせる流麗さだ。デザイン担当のトー マス・インゲンラート氏は「スカンジナビアンデザインと呼ぶにふさわしい、適切かつクリーンなラインで構成されています」と語る。

フロントフェイスには、新世代ボルボに共通するT字型のLEDヘッドライトが採用された。これは、北欧神話に登場するトール神(雷神)が持つハンマーをモチーフにしたという。内側にカーブした特徴的なグリルは、1960年代のボルボの名車『P1800』をオマージュしたもの。中央には刷新されたアイアンマークが配置された。リアにはもちろん、長年にわたるボルボのアイデンティティを示すタテ型リアライトが、より力強く進化して継承されている。

上質感と機能美を追求したスカンジナビアンデザインが印象的な『S90』のインテリア

インテリアは、『V90』と『V90 Cross Country』と共通で、機能美を追求した北欧デザインが印象的だ。

9インチの縦型タッチスクリーン式センターディスプレイが中心となり、左右には、空気噴き出し口のルーバーを縦に配置。それにより全体的にすっきりとしたラインが生まれている。ボタン類も必要最小限に絞られ、オーディオやナビ等の操作は、縦型タッチスクリーン式センターディスプレイで行う。

旗艦モデルだけに、上質感にもこだわりが見られる。最上級の「Inscpriton(インスクリプション)」、そして「Summum(サマム)」グレードには、柔らかな質感のパーフォレーテッド・ファインナッパレザーシートやナチュラルな風合いを活かしたウッドパネルなどが標準装備された。

高い安全性能を追求するボルボらしく、15種類以上の先進安全・運転支援技術を搭載

ボルボのブランドイメージのひとつに、安全性能の高さが挙げられる。古くは、高い堅牢性を持つシャーシが生み出す角張ったボディから、「フライング・ブロック(空飛ぶレンガ)」とも呼ばれていた。もちろん、『S90』を含めた「90シリーズ」も最先端の安全技術を搭載。ふたつの世界初の安全技術を含む、15種類以上の先進安全・運転支援技術「IntelliSafe(インテリセーフ)」を標準装備した。

ひとつ目の世界初は、「大型動物検知機能」だ。ボルボ発祥の地、スウェーデンでは、大型動物との衝突が重傷事故の要因となっている。従来の歩行者・サイクリスト検知機能に加え、速度が4 km/h以上で前方に大型動物が検知された場合に警告を発し、ドライバーが警告に反応して回避操作をしなければ、通常の最大制動力の約30%(約0.3G)でブレーキが作動する。

もうひとつの世界初は、道路逸脱事故回避を支援する機能である「ランオフロード・ミティゲーション」。65〜140 km/hで走り、車載カメラが車線境界線や側線を検知している状態ならば、道路から逸脱しそうなときに、ステアリングを自動で操作して本線上に戻してくれる。

また、最近話題に上ることが多い自動運転技術では、自動化基準の「レベル2」となる「パイロット・アシスト」を標準装備。140km/hまでなら、前方に車がいなくても車線維持走行が可能だ。前走車がある場合は、ミリ波レーダーとカメラが一体となった「ASDM(アクティブ・セーフティ・ドメイン・マスター)」が車線の検知と前方をモニターし、車線内走行と前方車両との適切な車間距離の維持をサポートしてくれる。

ボルボ『S90』のライバルは、メルセデス・ベンツ『Eクラス』…などのドイツ御三家

『S90』のグレードには、装備や仕様の違いにより、「Momentum(モメンタム)」と四輪駆動の「R-Design(R-デザイン)」「インスクリプション」が用意された。

「モメンタム」は、最高出力187kW(254ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)の2.0L 4気筒直噴ターボエンジンを搭載。「R-デザイン」と「インスクリプション」には、最高出力235kW(320ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)の2.0L 4気筒スーパーチャージャー直噴ターボエンジンが搭載される。いずれも、トランスミッションには新開発の高効率な8速ATを組み合わせる。

ボルボが持つ歴史と最先端技術が惜しみなくつぎ込まれたフラッグシップセダン。価格は644万〜842万円(税込み)と、メルセデス・ベンツ『Eクラス』やBMW『5シリーズ』、アウディ『A6』といったドイツ勢がライバルになりそうだ。ただし、『S90』は500台の限定発売となるので、プレミアム度はこちらのほうが上かもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi